くすぶりすぎな株シリーズ
この企業は半導体の検査のためのプローブカードをメインで作っている企業です。その世界シェアは米国のフォームファクター社、イタリアのテクノクローブ社、日本の日本マイクロニクス社に次いで4位となっています。この4社が世界的にも抜きんでておりこれ以下の企業は残念ながら大きな変わり身がない限りには生き残っていくことが難しい。
問題はこのプローブカードにどれだけの市場があるか?TechNavioの調べによれば2024年には年率5%の成長で5億523万ドル(日本円で約570億)ほどになるとしており正直少ないように感じます。なぜなら富士キメラ総研によれば2025年の半導体市場は約43兆円としており現在2020年度ですでにこの数字を達成するとみられ半導体業界は高性能、小型化等更なる技術革新を求められる中市場規模は大きくならないという極めて不確実性の高い状態となる予想されます。その中でプローブカードが成長する事業として選ばれた理由があるはずです。いったんこれを考察したいと思います。
1つ目の理由が消耗品であるということ。5G 関連で半導体の設備は一気に変える必要があるために半導体製造機器は需要の増加が急激な増加することが見込まれますがその分長続きしません。その点プローブカードは必要不可欠な消耗品であるため安定的に需要があるのです。
2つ目は半導体の小型化です。スマホの性能はこの数年で格段にアップしましたがデザインや操作性を向上させるために半導体の小型化を求めるメーカーが増えています。となればその検査のための機器には高性能なものが必要となり必然的に価格交渉力が高くなります。
3つ目が半導体の高性能化です。半導体の性能は導入された製品の品質に大きく直結します。特に有名な半導体メーカーといえばインテルですがパソコンを買うときにコアI5かI7かで品質が大きく変わることをパソコンを使う方ならよくわかると思います。半導体の性能が高くなればまた検査のための機器は高性能なものが必要となり価格交渉力が高くなります。
以上の3つの理由からプローブカード市場は今後も安定的に拡大するとみられます。
次回は日本電子材料の財務分析をしていきたいと思います。