このイベントは熱かった!
目からウロコが落ちそうなくらい、勉強になりました。
今はちょっと元気のない仮想通貨も、本格的に使われてゆくのはこれからなんだと元気が出るようなイベント。
行ってきたのは、2018年7月28日夕に大阪のbillage OSAKAで行われた、
「トークンエコノミーmeet up 信用評価経済時代の独自通貨と経済圏」。
登壇されたのは、ALIS、TIME TICKET、VALU、PoliPoli、西粟倉コイン、あたらしい経済と、日本のトークンエコノミーを代表するようなプロジェクトの代表の方々。
このイベントは、ALISだけでなく日本のトークンエコノミーの先頭を一望できるとても貴重な機会でしたので、この記事にてぜひALIS以外のイケてるトークンエコノミープロジェクトも俯瞰していただければと思います。
なお、この記事はPart 2なので、Part 1もお読みくださいね。
でも実は、このPart 2のほうが時間軸では前になります。
この記事でまとめた各トークンエコノミープロジェクト代表の方のお話がはじめにあって、その後Part1でまとめたトークセッションがありました。
ここが、会場のbillage OSAKAが入居する大阪・本町にある東芝大阪ビル。なかなかお堅そうなビルです。
エレベーターで8階まで上がりましょう。
ここがbillage OSAKA。おしゃれな感じですね。
billage OSAKAは、「大阪のインキュベーション施設」と銘打っておられます。基本はコワーキングスペースですが、頻繁にイベントを開催されています。
このトークンエコノミー meet upは2回目で、前回も自分は参加させていただきました。その時のレポートはこちら。
2回のトークンエコノミーイベントを経て、ここは今や大阪や関西のトークンエコノミーの聖地になったような印象です(言い過ぎ?)。
会場は満員!
当初の定員は早くに埋まってしまったので、席を増やし150人にされたとのことです。人気の高さが伺えますね。
では、講演された順に内容をまとめてゆきましょう。
(登壇者や会場風景は主催者の許可を得て撮影しています。)
・ALISで価値と報酬を紐づけたい。自立経済圏を作りたい。
・日本で株式会社では利益追求型の事業しか生まれないが、トークンエコノミーではコミュニティの価値をゴールに据えられる。
・SNSなどのソーシャルはフィードバックがあるかないかで続くかどうかが左右されるので、ALISはいち早くいいねをするというインセンティブ設計をすることで、今までフィードバックを受けられなかった方が受けられるんじゃないかという仮説で設計している。
・β版リリースから1ヶ月で驚異的な数字をあげたことに、トークンエコノミーの強さを実感している。
・コミュニティも事業として組み込んで、その中心に非中央集権✕トークンという発想がないとうまくいかない。コミュニティは一緒にサービスを作ってゆく存在。
・今はALISは中央集権だが、将来的には非中央集権にしたい、特に利益の分配については。フェイスブックやツイッターはユーザーがコンテンツを作るのに、全く利益がユーザーに還元されない。
・すべてを公開して透明にすることが、非中央集権的にコミュニティを巻き込む上では重要。
・ユーザーが独自に検索機能を作ったりしている。このコミュニティの熱量を感じて欲しい。
感想
おなじみ、安さんのお話。
基本的には今まで色んな所で安さんが話されている内容かと思いましたが、今回は非中央集権をいつも以上に強調されていたのがポイントのように感じました。
今回はトークンエコノミーのイベントなので、やはりトークンエコノミーのキモは非中央集権ということで強調されたのでしょうか。
・面白い知識や経験を売れる場所がないのは社会的損失と考え、タイムチケットを作った。時間を売るというコンセプト。
・プロフィール写真撮影や恋愛相談などが人気。副業でタイムチケットをしている人に特に評価されている。
・タイムコインというトークンを発行して、スイスでのICOを計画中。
ICOは新しいスタートアップの方法として興味を持ったので、チャレンジする。
・シェアリングエコノミーの企業は個人間取引に20-30%の手数料を取るが、ブロックチェーンを使って低い手数料を実現したい。
・これからは分散した経済圏で経済を動かす人が評価を得る時代ではないかと考え、トークンを導入する。
・タイムチケットもコミュニティを重視している。コミュニティへの貢献度が高い人に優先的にトークンを配布したい。
感想
タイムチケットは2014年リリースの老舗サービスですが、その老舗がトークンを発行してゆくと伺って、トークンエコノミーの流れが加速してきてるように感じました。
ICOは日本ではできずスイスで非日本在住者向けに行うとことで、大変かと思いますがぜひ成功させていただきたいと願っています。
なお、山本さんはこのミートアップの登壇者であるにもかかわらず、参加レポートを書かれています。興味深いのでぜひお読みください。
「トークンエコノミー大阪 信用評価経済時代の独自通貨と経済圏に参加して」
このように、自分のような聴衆がレポートを書くだけではなく登壇者もレポートを書かれる、これはちょっとフラットでやっぱり分散型なんだなあ、と妙に感動したりしました。
・個人の時代と言われているが、そういう人を正しく評価する仕組みがない。個人の信頼を交換譲渡可能にしてみようと始まったのがVALU。
・日本の平均所得はバブル期以降変化していないのに、円の発行量は増えている。今の状態は、特定のところにお金が流れ込んでいる。VALUは新しいお金の流れをつくって、公平に発展するようにしたい。
・VALUは信用を資本化できるラインを企業から個人まで下げた。個人の信用をお金に変える。それによって社会にお金を行き渡らせる。
・どんな信用を交換譲渡可能にして資本化するといい社会になるのかを、一緒に考えて良い社会を作ってゆきたい。
感想
おなじみのVALU。個人が信用を資本化できることに自分は魅力を感じていましたので、今回のお話はそれを再認識させていただけるものでした。
VALUはVALU外で取引できる独自トークンの発行はないなど、他とは少し違うユニークなお考えが際立っていたように思い、少し異なる視点でのトークンエコノミーの考え方を教えていただいように感じて考えるところが多いお話でした。
・東京より地域が面白いはウソだが、地域の方が面白いことがやりやすい。すでにコミュニティが存在するから。
・何かと地域を掛け合わせる事ができれば、今後の日本社会のあり方としてイケている。
事例として、イチゴが好きという人がいて、村に加工できる場所があるとのコミュニケーションがあって、イチゴのショートケーキ専門の店ができた。
・このようなことが日常的に起こっている。これを加速するのにトークンが利用できるのではと思い、ここでICOの意味が出てくる。
・日本でICOをしたいが、状況は良くない。どんなに早くても年明け。
・今後はオフラインだけでなく、オンラインでもコミュニティを作りたい。
感想
新しい世代の地域通貨の最先端として話題の西粟倉コイン。
岡山県の西粟倉村は自分も何度か通りがかったことがあり、山田さんが言われていたように絵に描いたような日本の山村という印象です。
その西粟倉村にはすでに地域というコミュニティがあって、その上にトークンエコノミーが乗っかるようなお話でした。
ICOプロジェクトにはなかなか難題も多いようですが、西粟倉コインが日本の地域の問題解決の一助になることを個人的にも強く期待しています。
・解決したい課題。政治的な発言をしやすいプラットフォームがない、政治家の情報発信が大変、政治家の情報が足りない。
・PoliPoliは、政治コミュニティに参加すればするほどトークンがもらえる。コミュニティが荒れるとトークン価値が下がるので、コミュニティが荒れにくい。
・トークンは最初は法定通貨とペッグせず、単なるポイントとする。なのでトークンを欲しい人はPoliPoli内で活動をしてもらうしか無い。2年後くらいに交換所に上場して換金性が生まれるようにしたい。
・トークンに換金性が生まれたら、選挙前にチラシなどで大きなお金が動くので、そういう政治コミュニティの中で使われる通貨になりたい。
・大切なのはコミュニティを作ること。
・ユーザーの本人確認が大切で、パスポート認証とかしっかり取りたい。
・まず、11月の福岡市長選でコミュニティを作って、盛り上げたい。
感想
最近とても注目されている、政治✕トークンエコノミーのPoliPoli。
政治コミュニティなので荒れるんじゃないかとまず思うのですが、伊藤さんはとにかく荒れないようにするということを繰り返し言われていました。
荒れないまっとうな政治の情報や議論ができる場ができれば素晴らしいと思います。
交流会で名刺交換とお話もさせていただきました。ご自身は19歳という若さが注目されていると言われていましたが、温和ながらしっかりと内容のある話をしておられるので、単に若さが注目されているのではなくビジョンと実力が認められて話題になっているように感じました。
・このメディアと立ち上げたのは、暗号通貨、ブロックチェーンの業界に良質な情報が少ないと感じたから。例えば、取引所紹介のアフィリエイトブログとか。事業としてしっかりこの業界に取り組んでいる人たちの味方としてのメディアになりたい。
・発信はラジオを重視している(平日毎日配信)。ラジオをすると情報収集に敏感になる。ラジオは最先端の情報をすぐに伝えられる媒体として優れている。
・ALISやPoliPoli等も取材している。この分野は詐欺も多いので、メディアとして本物の部分を見極めて伝えてゆかないといけない。
・トークン発行はしてゆく。関わってくれた人のトークンを持ってもらう経験をしてもらいたい。
・その人と仲良くなりたいと思って取材をしている。お互い気持ちよく、コツコツと関係を作ってゆく。
感想
あの幻冬舎が立ち上げた、仮想通貨やトークンエコノミー関連のメディアです。
クリプト界隈の良質な情報を集めるコンセプトとのことで、とてもありがたいです。
そして、あたらしい経済もトークンを発行するのですね!
竹田さんはこの後のトークセッションでファシリテーターを務められ、秀逸な司会ぶりを発揮しておられました。
さて、一通り登壇者の講演が終わった後で、ライトニングトーク枠でのお話がありました。
これらは講演時間が短いので簡潔にまとめていますが、いずれも興味深いお話でした。
・プログラミングを学ぶ人とサポートする人がコインをもらえる、学び合いのコミュニティ。
・学ぶことでインセンティブを貰えるという世界。
学ぶという行為そのものに価値を認めるトークンエコノミーを作って、学び方の選択肢を増やしたい。
感想
Tsukuruはこのイベントの日にサイト公開とのことで、できたてホヤホヤです。常識的にはお金を払う立場である学ぶ人が、コインをもらうという逆転の発想がとても興味深かったです。
サイトには事業説明の詳しいスライドが載っていますので見ていただいて、興味のある方は、そのサイトにあるリンクからslack上のコミュニティにご参加くださいませ。
・お金になりにくいニーズ、社会課題を解決する活動がお金に変わればいいと思っている。優しい社会をつくるヒーローがお金に困らないように。
・ALISを知って、社会的価値をお金に変えることで優しい社会になると思った。
・コミュニティを作って、活動の価値をメディアで発信して評価を得て、それをトークンに変えてゆく。
感想
番匠谷さんとは帰り道の地下鉄の電車までご一緒させていただいて、お話させていただきました(馴れ馴れしいw)。
困っている方をなんとかしたいという一途な想いや、ALISのことを尊敬しているというお話に心打たれました。
ぜひ、Heroを早く形のあるものとして見せていただきたく、期待しています。
このあと、イベントはトークセッションに入りました。
そちらの一部は下記のPart 1にまとめていますので、よければお読みくださいね。
そして、トークセッションのあとは交流会でした。これもまた楽しく、濃かったです。
その一部は、下のリンクのようにもずくさんが秀逸な記事を書かれています。
交流会の他の部分はALIS安さんのオフレコ発言連発で、とても記事には書けません(笑。でもインサイダー情報はまったくなかったのは、さすが安さんでした。
最後に、このような素晴らしいイベントを開催いただいた主催者のbillage OSAKA様に心より感謝申し上げます。
とても興味深く素晴らしい会だったので、ぜひ3回目も開催いただきたくお願いします(直接口頭でもお願いしたのに、しつこいですね)。
よろしければ、過去記事一覧もご覧くださいね。
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