世界に三点しかない国宝・曜変天目茶碗を3つとも見に行く旅も、いよいよ完結編となりました!
数々の困難にもめげず、突き進んだ甲斐がありましたよ(おおげさ)。
前のふたつはこちら。
東京・静嘉堂文庫美術館編
滋賀・MIHO MUSEUM編
それでは、さっそく最終回へ突入です。
今回はどんな試練が待ち受けているのでしょうか??
今回は奈良国立博物館へ向かいます。
奈良の国立博物館は、なんと近鉄電車の奈良駅から歩いて行けるんです。便利。
前の2回は美術館に到達するまでにかなり苦労したので、今回は楽勝すぎて拍子抜けだー。
と思っていたのですが、それが甘かった。
駅からの道をのんびり歩いていると、なんと行く手を強敵に阻まれてしまいました。
その行く手を阻むヤツとは…、
シカ!
ヤツらは道にすらいっぱいいて、僕の進路を阻むのです。
もはやこのままでは美術館にたどり着くことは無理かもしれない。
万事休すか? 困った、なんとかせねば…。
シカし!
いいアイデアを思いつきました。
それは、
鹿せんべい!
これをシカにあげている間に、隙を狙って前に進めばいいんだ。
我ながら、なんてナイスなアイデア。
ジャジャーン
鹿せんべいを購入!
これをシカにあげている間に、その横をすり抜けましょう。
さっそくシカにあげましょう。
えっ、ええっ??
シカたち、めっちゃ寄ってくるやん!
せんべいクレクレっ。
これ、さらに行く手を阻まれて逆効果じゃないのか?
ああっ!
シカ:せんべいちょうだい、ちょうだいー
写真撮ってないで、はよクレやーー
ガシガシッ!
僕:ちょ、ちょー、お腹を噛むなやーー
(仕事帰りなので、スラックスのズボンと革靴w)
ああ、お腹だけはやめてーー!
あっ、ああああっーーー!
---GAME OVER---
あっけなくゲームオーバーになりましたが、こすもす弐号機にバトンタッチしてなんとかこのダンジョンを脱出。
まさかお腹を噛まれるとは思ってもみませんでした。
ようやく博物館が見えてきました。
って、まだシカいるやん。
今回も苦労しながら?やってまいりました、奈良国立博物館!
天気がいいですねー。
さっそく入りましょう。
入り口からして、曜変天目を推してますね。
ここに展示されている曜変天目は、大阪の藤田美術館が所蔵しています。
藤田美術館は改装のため今は休館中なので、奈良国立博物館へ貸出をしているのですね。
藤田美術館は曜変天目だけではなく、国宝を含め貴重な文化財を多数所有しており、それらも一緒に展示されています。
観覧料を支払い、館内へ。
観覧料は、他の曜変天目を展示している美術館のチケットがあれば割引になります。
もちろん僕も割り引いてもらいました。
いよいよ、国宝・曜変天目を鑑賞!
曜変天目は残念ながら撮影禁止。
そのかわりに、撮影可能なパネルがありました。
これが、藤田美術館蔵の曜変天目です。
この曜変天目の見どころは、なんと言ってもお椀の中に流れる銀河!
パネル写真では上の方に青色の帯が見えます。実物を見ると、これが天の川のように見えるんです。まさにお椀の中の宇宙。
さらに、口縁(お椀の縁の口をつける場所)には覆輪(金色の覆い)が施されています。
そして、お椀の外側にも曜変の斑紋が見られます。
素晴らしい。
とは言っても、小さいお椀をガラスケースの外から見るのですから、なかなか細かいところまではわからないのです。
そんな時には、このひみつ道具!
ジャジャ~ン
単眼鏡~!
これは4倍に拡大してみることができるので、細部までとてもよく見えます。
とても便利で博物館や美術館を訪問する際の友ですね。
遠くも拡大して見えるので、音楽ライブなんかでも役立ちます。
Vixen 単眼鏡 マルチモノキュラー 4×12
(メーカー公式ページ。アフィリンクではありませんw)
さて、曜変天目やその他の国宝も見て、ちょっと疲れました。シカとも闘ったし?
ここらで休憩しましょう。
博物館にはこんな素敵な庭園もあって、しばし散策して新緑を満喫しました。
休憩したあとも会場を三巡くらいして、三回も曜変天目をまじまじと見ました。
満足したので、そろそろ帰りましょう。
日差しが強いのでシカたちは日陰でゆっくりしていて、和みますね。
でも、もう鹿せんべいはあげません。行きで懲りた…。
帰りは興福寺の五重塔(国宝)を見ながら、のんびりと近鉄奈良駅へ。
帰り道ではシカに襲われることもなく、無事に駅にたどり着きました。
国宝曜変天目
ということで、ちょっと大変ながらも三点しかない国宝曜変天目の鑑賞を制覇しました!
しかも、MIHO MUSEUMではもう一点、重要文化財の曜変天目も見ましたので、四椀完全制覇です。
となると、どれが一番良かったか比べたくなるのが人情。
正直、どれも素晴らしかったので甲乙つけがたい。
でも、個人的には三椀の中で一番地味といわれる龍光院の曜変天目が一番好きです。
深い深い藍色が宇宙をあらわし、小さな斑紋たちが光り輝く星のよう。
400年もの間、龍光院からほとんど門外不出で所蔵されていたエピソードや希少性も素敵。
龍光院のご住職のもとで座禅をさせていただいたのも良い思い出です。
龍光院所蔵 曜変天目
実は龍光院の曜変天目を見るのは2回目なんです。
2017年に京都国立博物館で行われた国宝展で初めて見ました。なので今回再会。
それもあって、強く印象に残っているのかもしれません。
ともあれ、三点ともお椀の中に小宇宙が広がる光景が素敵でした。
いろいろありましたが、三点すべてを無事に鑑賞することができました。
シリーズ記事をお読みいただき、この旅につきあっていただいてありがとうございました!
こういう、目的を持って複数の場所を訪ねるのも楽しいですね。
Camera: PENTAX K-3II with SIGMA 17-70mm F2.8-4
東京・静嘉堂文庫美術館編
滋賀・MIHO MUSEUM編
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