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京都嵐山の穴場・山の斜面に建つ大悲閣千光寺からの絶景を楽しむ

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  • こすもす
  • 2020/05/17 03:58

新緑が美しい季節。
しかし今年は新型コロナウイルス感染対策にて外出自粛で、あまりお出かけができません。
引き続き、散歩程度で行ける場所を訪ねています。

今回散歩した場所は、日本を代表する観光地のひとつ京都・嵐山の中でも訪れる人は少なく、知る人ぞ知る穴場です。

その名は「大悲閣千光寺」。

 

大悲閣はこんな場所にあります。

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© OpenStreetMap contributors

街からすこし外れた山の中ですね。

といっても、地図では雰囲気がよくわからないので、写真を載せます。

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この写真は、以前に桂川(大堰川)対岸の大河内山荘から撮った写真です。

大悲閣千光寺は嵐山の斜面にポツンと一軒家状態で建っているのがよく分かります。
山の中で、秘境感がありますね。

では、今日はここへお散歩しましょう!
いや、こんな場所ならお散歩というよりハイキング?

 

大悲閣千光寺へ

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散歩の始まりは、いつもの有名な渡月橋から。
今回は渡月橋は渡らずに、この桂川(大堰川)の手前側の岸(南岸)を上流へと行きます

のどかな五月晴れの日です。

 

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のどかなので、お昼寝したくなりますよね。
サイクリング中の方がガッツリ休憩中。

 

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川の色も5月らしく明るい感じ。

渡月橋のたもとに舟が止まっています。この舟は有名な高級旅館「星のや京都」の舟
この旅館へは車で行くのではなく、渡月橋からこの舟に乗ってゆくのです。
さすが有名な高級旅館、情緒がありますよね。

僕はそんな高級旅館に泊まることはできずこの舟に乗れないので、やむを得ず横の道を歩きます(泣)。

 

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しばし歩くと、大悲閣千光寺の看板が。
GREAT VIEW」と英語で宣伝しています。

 

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その向かいの看板にはMANGAで千光寺を紹介
外国人をターゲットにしていますね。

実際、この大悲閣千光寺は日本人観光客にはあまり知られていませんが、外国人観光客には大人気のスポットなのです。

MANGAの看板の横には小さく「絶景」との日本語の看板が。
どんな絶景なんでしょう? 楽しみにして先に進みます。

 

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細い一本道をどんどん上流へと歩きます。
散歩には理想的な気候と風景です。

 

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道の途中にも手書きの千光寺の看板が。
やっぱり「GREAT VIEW」と主に外国人を相手にしているようですが、日本語で「絶景 絶心 仏心」ともありますね。

 

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どんどん進むと建物はなくなって、すっかり山の中の川辺の光景に。

和みますねー。
写真のようにときどき散策に来た人が休んでいる姿が見られる程度で、のんびりしています。

 

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渡月橋から20分少し歩いて、ここまで到着!

これは川沿いの一軒宿、先に書いた話題の高級旅館「星のや京都」です。

宿泊しない僕は舟に乗せてもらうことができないので、歩いてここまで到達。
目の前には保津川下りの舟や嵯峨野トロッコ列車が走って、とても良い景色。
といっても、今はどちらも休止中なので静かです。

僕も一度泊まってみたいなー。
でも、お高いんでしょー??(高いですw)

 

しかし、この星のや京都がゴールではありません。
ここからさらに行かないと!

 

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川べりから登る道を上がってゆきます。
やっぱり散歩の範疇を超えてきている(汗。

 

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そしてやはり、千光寺のにぎやかな看板が。

 

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つづら折りの山道を登っていきましょう!
新緑が気持ちよくて快適なお散歩だなぁ(はぁはぁ)。

と、登ること10分弱。
ついに、大悲閣千光寺に着きました!

と…。

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えっ、門が閉まってるやん…。
せっかくここまで来たのにー。

と嘆いていたら、和尚さんが門を開けてくださいました。
新型コロナウイルス感染対策で拝観時間を制限していて、遅くに門を開けているとのこと。

良かったよかったと、門をくぐって入ります。

 

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これが、下から見上げた大悲閣です。

山の斜面によくこんなものを作ったもんだ。
誰が作ったんだろう?

とりあえず、上まで登りましょう。

 

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境内に入る際に手を洗います、いや清めます。
草に覆われ苔がむしていて野趣にあふれた、シンプルながらも素敵な蹲です。

 

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大悲閣の裏手、ここから中に入らせていただきます。
奥には絶景を見ている人が。

どんな絶景なんだろう?
ワクワクー。

 

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おおー、これは素晴らしい眺め

新緑の木々の向こうには京都市街が一望できます。
その向こうには比叡山まで見えますね。

空は五月晴れ、白い雲もぷかぷかと浮かんで心地よい風も吹いて、とても気持ちの良い空間です。
絶景という宣伝に偽りなし、という印象でした。

鯉のぼりの一番上にあるようなヒラヒラした吹き流しが、鮮やかな彩りを添えてくれます。

 

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大悲閣客殿の内部

台の上に座布団を載せて、外国人も休憩しやすいように工夫されていました。
この日はほとんど誰もいないですが。

また机の上には和尚さんが書かれたいろんな仏教の教えの紙が置いてあり、自由にいただくことができるようです。

 

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例えばこんなの。
絶景を見るだけではなく、仏教の、禅の教えを少し知ることができます

それにしても、このような紙とか先の手書きの看板とかを見ると、和尚さん頑張っておられるなぁ、と感じました。

 

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大悲閣からでると、千光寺の境内はこんな感じ。
田舎のお家の庭みたいで狭いですね。山の斜面に建っているので敷地が狭いのはしょうがないでしょう。

ワンちゃんが日向ぼっこしていて和やか。頭をナデナデしてもとてもおとなしい。
和尚さんによると10歳を超えているそうです。

向かって左が御朱印所、右にはご本尊の観音様が安置されています。

 

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千光寺のご本尊は源信の作といわれる千手観音菩薩

さて、この大悲閣千光寺はどうしてできたのでしょうか
公式ホームページにわかりやすく書かれています。

江戸時代の豪商、角倉了以(すみのくらりょうい)が、大堰川を開削する工事で亡くなった人々をとむらうために、嵯峨の中院にあった千光寺を、移転し建立させたものです。(中略)
境内にある大悲閣は、大堰川の切り立った岩肌に建つ観音堂で、嵐峡の絶景を眺める事ができます。

大悲閣公式ホームページ

事業家の角倉了以さんが作った建物なのですね。

 

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その、角倉了以さんの像もありました。

どんな方なんでしょう?

(角倉)了以は、我が国の民間貿易の創始者として、南方諸国(主にベトナム)と交易し、絵画文化の輸入に功績を上げた人物で、国内においては、保津川、富士川、天竜川、高瀬川等の大小河川を開削し、舟運の便益に貢献した。
晩年は、この地に隠棲し、開削工事に関係した人々の菩提を弔うため、この寺を建てたと言われている。

芭蕉の句「花の山 二町のぼれば 大悲閣」でも知られ、京都市街が一望できる客殿からの眺めは絶景である。

(大悲閣千光寺入口の京都市の立て看板)

松尾芭蕉も訪ねて句を読んでいるんですね。
というか、芭蕉っていたるところに行かれていますねー。

 

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さて、大悲閣でのんびりとして絶景を楽しんだので、そろそろ帰りましょう

吹き流しが横になっていて風が強いのですが、この日は気温が高いので風が気持ち良いのです。

 

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帰り道、保津川(大堰川、桂川)はたくさんの水を湛えていて、水の色も新緑色です。
新鮮な空気をいっぱい吸って、帰り道を歩きます。

 

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懐かしの?渡月橋まで帰ってきました

なんだか映画やテレビの時代劇に出てきそうな光景。
出てきそうと言うか、嵐山は時代劇ロケ地の定番なのでまさにこんな光景が時代劇に出てくるのですが。

 

今回のお散歩はこれにて終了。
片道約30分。大悲閣千光寺は少し歩くだけで自然の中にすっぽりと入って、絶景が望める素晴らしい場所でした。
さすが、京都嵐山ですね。

早く新型コロナウイルス流行が収束して、この場所にも多くの方が訪ねられる日が来ることを願っています。
いや、穴場のままでいてほしいのであんまりたくさんの人に来てもらいたくないという気持ちもあるかな?

 

Camera & Lenses: LUMIX G8 with LUMIX 12-60mm F3.5-5.6,  25mm F1.7 & 42.5mm F1.7

 

 

よろしければ他の記事もご覧くださいませ。   

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