高配当な「Fcoin」という取引所のFTトークンの検証

どうも、CRYPTO TIMESという仮想通貨メディアでポケットレポートやその他諸々を作成したり、仮想通貨の分析を行っている@CryptoRedStoneと申します。ツイッター

Fcoinという取引所のトークンが高配当・強力なバックグラウンドがあると話題になっていたため検証いたしました。

※本記事には宗教上の都合でアフィリエイトリンクは非掲載となります。

取引所「Fcoin」の概要

・公式サイト(非アフィ)
・FTトークン保有者に収益の80％分が毎日配当として配布(取引が行われたコインで配布)
・Huobiの元CTOが創設した取引所
・強力なVCであるDHVC (Danhua Capital)、8 Decimal Capital、Node Capitalが投資している ※1
・紹介者ボーナス制度あり(取引手数料の50%)
・現在の取扱通貨：BTC,ETH,USDT,FT,ZIP,BCH

配当の滅茶苦茶美味しいバックグラウンドがすごい新興取引所、といったところでしょうか。

※1 ファンドデータ情報まとめ：https:/goo.gl/zqmcS8

「FT」トークンの配当メカニズム

まずはFTトークンそのものの特徴から解説致します。

配当は取引に利用したコインで支払われます。

そして、翌日の北京時間午前11時(日本時間12時)に「手数料と同額の新規発行されたFTトークン」が利用者に還元されます。

配当は前述の取引手数料として徴収されたコインの80％がFTトークンホルダーへ配布され、公式サイトでは下記のように100万FT持っていた場合の配当額が毎日リアルタイムで表示されています。

(参考：同じ配当での還元型トークンとしてはOKBが50％となる)

※6月7日0時時点で配当が1mFT辺りの配当が１BTCを超えています為、最新情報は公式サイトでご確認ください。

ちなみに、本日(6月6日)に初めての配当が配布されましたが5月21日〜6月5日分の配当が一気に配布されたとのことですが、公式サイトの表記だと

なんと年利計算で2920％くらい・・・日利で８％くらいの計算となります。

この時点ですでに明らかに過熱状態にあり、参入は危険であることが理解できるかと思います。

本日以降は毎日配当が配布されるとアナウンスがありました。

FTトークンの価格決定関連要素

ここからは数字のデータ検証になります。

FTデータ

・総発行枚数：100億枚
・現在供給枚数：1.7億枚
・インフレ率(6月6日時点)：1日300万枚(1.5%くらい)
・取引手数料：Maker(買い手)Taker(売り手)共に0.1％

FTの発行メカニズムは「毎日の取引手数料と同額のFTを新規発行」し、取引したユーザーへ配布されます。

また、新規発行として留保されている分は51億枚ですので、最終的にはFTトークンの価値は現在の50分の1程度にまで薄まることになります。

取引所が50倍成長できれば長期でも価格を維持可能、51倍以上に成長すればその分FTの価格は上昇する仕組みです。

FTトークンの価格は条件比較で下図の用に理屈上なります。

取引高が現状維持、それでも取引手数料分のFTトークンは発行されるため、１FT辺りの配当が低下することになります。

つまり、FTはインフレ率を上回る速度で成長し続けない限り、トークン価格は下落するわけです。(TIPS：この世のお金は有限)

また、取引高が低下した場合は「基礎配当が低下＆１FT辺りの配当が低下」併せてトークンの価格下落も予想され、トリプルパンチになりますね。

では、FTトークンに希望はないのか？

・BINANCE出来高：1600億円(1位)
・Bibox出来高：180億円くらい(11位くらい)
・Fcoin出来高：800億円くらい(4位くらい)

Fcoinの出来高計算を修正しました。200BTCが配当プールで、取引手数料がTakerMakerの合計で0.2%なので出来高は800億円くらいになります

800億円相当の取引高であれば、既にHuobiと近い額であり、4位となります。無茶苦茶ですね。

話は戻りますが、実際冒頭でも述べたとおり、

・Huobiの元CTOが創設した取引所
・強力なVCであるDHVC (Danhua Capital)、8 Decimal Capital、Node Capitalが投資している

という要素がありますので、イナゴするのではなく落ちたところで少しずつ購入したり、長期目線で少しづつ購入していく選択肢は検討しても良いとは思います。

ただ、HTやOKBといった既に実績もあり、健全な価格上昇メカニズムや配当モデルが用意されているコインと比較して明らかにギャンブルになるのは間違いないでしょう。

最後に

日本語のブログ等でFTやFcoinに関する記事・ツイートを調査過程で拝見しましたが、FTトークンを目的に流入している人が多いと推測される中でこれらの検証・データは見つけることは出来ませんでした。

別に法的には問題ありませんが、私はそういった行為を行っている人は

「検証した上で懸念に該当する情報をあえて伏せている」

又は

「ロクにトークンの中身を理解しないままアフィリエイト目的に勧誘している」

のどちらかであることは間違いないと思っております。

私が今後、彼らを参考にトレードを行ったり信頼することは無いでしょう。

以上、ご拝読頂きありがとうございました。

調査に利用した参考リンク

https://support.fcoin.com/hc/en-us/articles/360005046194-Additional-Comments-Regarding-FCoin-s-Trans-Fee-Mining-Mechanism

https://support.fcoin.com/hc/en-us/articles/360005046434-Regarding-FT-s-liquidity-attribution-of-revenue-distribution

https://support.fcoin.com/hc/en-us/articles/360003740353-FCoin-Token

https://support.fcoin.com/hc/en-us/articles/360004973793-Regarding-the-timing-of-community-reward-reimbursement

https://www.fcoin.com/invite.html