ALISの通報制度について振り返ってみました.
ALISの通報制度は,「一定の通報数に達した記事は下書きに戻される」という制度です.
どれだけの通報数が基準となるのかは,現時点では非公開です.
ALISで起きやすい問題の主たるものが,著作権法違反と誹謗中傷です.
誹謗中傷記事が下書きに戻されるか否かは,上記の原則を用いて,通報数で判断されます.
一方,著作権法違反については,取り扱いが異なります.
「適法に転載されている可能性を排除できない」という理由により,著作権者ではない者からの通報は一切の考慮はされません.
著作権者からの通報のみが考慮されます.
著作権問題に関して,他者からの通報を考慮しないという点に関しては,思うところがないことはないですが,著作権法違反が基本的に「親告罪」であることを考えると,その方向に沿った運用なので,まぁそれでいいかなぁと思うところではあります.
ここで,誹謗中傷の話に戻りますが,著作権侵害との比較で考えると,ひとつの疑問がわきます.
他人が「誹謗中傷だ!」と騒ぐような記事であっても,誹謗中傷の対象となった本人が平気(意に介さない)なら,その記事を下書きに戻させる必要はあるでしょうか?
ないと思われます.
したがって,著作権の問題の場合で「本人の許可があるかもしれない」という理由で他人からの通報を無視するのであれば,
A誹謗中傷記事の場合も,「本人が気にしないかもしれない」という理由で,他人の通報を無視すべきなのではないか?とも思われます.
そうすると,誹謗中傷記事で考慮対象となるのは,被害者本人からの被害申告のみということになると思うのです.
もしも,本人が気にしないのに下書きに戻すというのであれば,それは,第三者の視点を意識しているということになるでしょうか.