KCカップ主催のクロサワさんの勧めで、このコロシアムで優勝したデッキのレビュー記事を書く機会をいただきました。デッキコンセプトは、"低コスト速攻ユニットを一気に展開し、全体攻撃バフで一斉強化して戦う"です。
デッキ画像は以下になります。
上記の画像を見せられても、Sに詳しくない人からしたら、どれがどんな効果なのか分からないと思いますので、いったん各カードを効果の種類ごとに分類し、1枚ずつ説明していきます。また、そのSカードを作るのに必要なスピリット3を抽出できるカードも記載します。
・バフ系効果
このデッキのテーマとなっているバフ系の効果。S環境では、Sでない一般カードと比べて、非常に優秀なバフカードを使用することができる。
-スピリット3抽出元:バルムンク
このデッキではユニットを展開しても相手のちょっとした全体除去で場が一掃されてしまうが、このカードはそれを防いでくれる。イフリータ、エリー・スペリオル、クルアッハ、マグマボトルなどを1回使われても耐えることができるようになる。ただし、アマテラスの眼光は防ぎきれない。
今回使用したデッキは大天使フリッカ1枚以外全て種族ソルジャーで構成されているため、デッキに入れたほぼ全てのユニットが、以降でも説明していくソルジャーバフの恩恵を受けられる。
-スピリット3抽出元:スカルネ大佐
0コストで全体攻撃力バフできるカード。強そうな効果に見えるけど発動頻度は少なめ。効果を発動するよりは、展開して場に残すことの方が多い。
-スピリット3抽出元:模倣するウーズ
1項前に説明したゼロ・デイと違って、こちらの効果はすごく便利。攻撃力0が多いこのデッキにおいて、簡単に攻撃力を2も持たせられるこのカードは重要。
-スピリット3抽出元:シルヴィア
余った1マナで全体攻撃強化できる強力カード。このカード自身の効果で自分を強化し、攻撃力1の速攻ユニットとしても使える。0コスト全体攻撃力バフのゼロ・デイと比べ効果やステータスが使いやすく、死亡しなくても効果を利用できるので場の展開量も増やせ、0でない攻撃力1も有用になる場面がある
-スピリット3抽出元:シルヴィア
1項前に説明した応援妖精 遊由の攻撃バフ量が2倍になった。マナコストも倍に増えているので、小回りがやや効きにくい。
-スピリット3抽出元:シルヴィア
攻撃力だけでなく体力もバフしてくれるので、全体除去に耐性を持たせられ、同じ2コストでも、1項前に説明した切り込み隊長ゼクスよりも持ってて安心感がある。体力もゼクスより高いのも明確な利点で、S環境での主流戦法である小型ユニット大量展開に対し強く、こちらだけ相手ユニットを攻撃で一方的に倒し、有利な盤面を作りやすい。
-スピリット3抽出元:スカルネ大佐
全体攻撃力を大幅アップできるカードその1。たった2コストで4コストの伏兵より強いバフを与えることができる。自身に速攻がついているので、相手ユニットを利用して、すぐに死亡時効果を使える。ただし、弱点として、フォースフィールドなどの攻撃力0の前衛により、効果の発動を阻まれる場合がある。それを見越して、本デッキでは対策カードをいくつか採用している。
-スピリット3抽出元:シルヴィア
全体攻撃力を大幅アップできるカードその2。1項前に説明したタキオンブレイカーと違って、召喚時に全体バフをかけることができ、相手の攻撃力0前衛に対して強く出ることができる。
-スピリット3抽出元:スカルネ大佐
全体攻撃力を大幅アップできるカードその3。2項前のタキオンブレイカーが全体攻撃力を4上げてるのに対し、こちらはマナコストが1上がって全体攻撃力アップが5と、少々マナ効率的に劣るように見えるが、殺傷能力は非常に高く優秀。
・ドロー系効果
ライフ50のKCカップにおいて、ドロー系の効果を持ったカードをデッキに入れてないと、手札が枯渇して息切れして負けやすくなる。そのため、通常のライフ25ルールよりもドロー効果が重要となってくる。特に、本デッキでは、小型ユニットを大量展開する都合上、さらに手札がなくなりやすく、CSにジークフリートの作戦を採用することで補ってはいるものの、別途以下に記すドローカードを採用して補強している。
-スピリット3抽出元:スピカ
優秀なカード。ロック鳥の卵を1コストにして速攻がついただけだが、とりあえず気兼ねなく場に出せるだけでも便利。さらに、このカードをバフして相手ユニットと相打ちすれば、こちらは1枚ドローもついてアドバンテージを取れる。
-スピリット3抽出元:スピカ、または全知神 オーディン
ドロー枚数の少ない点がネック。ただ、コスト3という点はCS作戦を打った後でも、まだ発動しやすい部類なので、そこが利点。
-スピリット3抽出元:スピカ
相手に攻撃力0前衛がいても効果を使える点が強い。さらに前衛を持っており、相手の一撃の攻撃力が大きくなるS環境では安心感がある。マリガンの際は次に紹介する緋の眼と合わせ、どちらか1枚は手札に来たらにぎっておきたい。
-スピリット3抽出元:真紅の華 ヴァイオレット
4枚もカードをドローできる重要カード。例えこのカードを使ってマナが0になっても、0コストユニットを引ける可能性もあり、さらに展開できる場合があるので、0コストユニットを採用できないデッキ以上にこのカードは活躍できる。すぐに展開しなくとも、次ターンにバフと合わせた一斉展開を行える場合もあるので、残り手札がこのカード1枚だけから逆転につながることも。
・ランプ系効果
-スピリット3抽出元:救世のアークビショップ
とりあえず場に出しておけるという点が便利で採用しているカード。速攻を利用してすぐ死亡しランプ効果を即時使うか、場に残したままにしてバフ対象だと相手に匂わせるかを判断して使っていく。
・除去系効果
-スピリット3抽出元:アルハマートの黒雷
速攻が付いたリリア・ショコラート。攻撃力0前衛への対策カードでもあり、他にはグラナ、古代図書館などといったカードにも刺さる。
・その他
-スピリット3抽出元:ワイバーンライダー
"ランダムな味方ユニット1体の攻撃力を+1"のスピリットを使った方が、このカードのような自傷無く、似たようなステータスを作りやすいので、そちらの方が良いかもしれない。強いてこのカードのメリットを挙げるなら、さきほど説明したスピリットのようなランダム効果が絡まず、確実にこのユニットの攻撃力が1であるため、戦略を立てる上で予想とのズレが起きたりしない。先ほどから他の方が優秀かもしれないと説明しているが、このカード自体は使いやすい。
-スピリット3抽出元:ハーメルン、または玄武、またはクエストによるドロップ
このデッキにおいて、効果を使う機会はあまり無い。とりあえず著者が所持してる0コストユニットなので採用しているカード。できれば、他の効果を持った0コストユニットと交換したい。
-スピリット3抽出元:白き稲妻 トール
ステータスは高いが、デメリットが重い。ライフ25の通常ルールなら最後の詰めに使えるが、ライフ50ルールでは難しい。ただ、相手の方が展開し、かつ相手ユニットの体力が高いような緊急時には、このカードで対処したりする。
レジェ以外で唯一採用しているSでない一般カード。非常に優秀で、相手の雑魚ユニットを一方的に取れたり、相手の攻撃を前衛で防いで延命するのにも使える。
-スピリット3抽出元:クエストによるドロップ
種族がソルジャーになった聖域のエルフ。S環境でこの手の効果は結構強め。バフも2体それぞれに乗るし、相手ユニットに片方取られても、もう片方さえ残ればバフ対象を残せる。
レジェだからとりあえず入れているカード。ちゃんとしたSデッキを組んでる相手に対しては弱く、相手の攻撃力大幅アップした雑魚ユニット2体ほどで相打ちされてしまう。
・戦略備考
本デッキコンセプトは"低コスト速攻ユニットを一気に展開し、全体攻撃バフで一斉強化して戦う"だけど、相手に応じて顔を積極的に詰めるか、相打ちしてでも盤面を取り続けるかを見極めていく必要があったりします。大量ドローと一斉展開にものを言わせて、強引に相手とリソース差をつけていって勝ったりなど。KCカップでは強力な戦法であるLOに強いのもこのデッキの利点であり、相手のハンプティで引けた0コストユニットをそのまま展開に持っていけます。
・おまけ(他にKCカップで活躍できる可能性のあるSカード)
-スピリット3抽出元:魔竜 ヘルブレイズ
KCカップはライフが50もあるが、このカードを使うだけで相手ライフを一瞬で10にすることができる。元になったヘルブレイズと違ってステータスは無いに等しいが、コストは1低い。
-スピリット3抽出元:悲観の堕天使 アザゼル
アザゼルの効果をたった3コストで使える。初期ライフが50のKCカップでは、上手に決まった時のリターンがライフ25ルールより大きくなる可能性がある。はまれば、相手ライフを一気に減らし、自身は大幅に回復できる。
-スピリット3抽出元:ショコラドラゴン
アイスストームに類似した効果で、ドローがなくなった代わりに相手ユニットだけダメージ。KCカップでは過去の鉄壁1持ちカードが禁止されており、また代わりにステータスの低いユニットの大量展開が採用されやすいので、たった2ダメージでも有効に働く場面が多くなっている。
-スピリット3抽出元:超竜 シューティングスター
1項前のライトニング・ストームのダメージ増加版。ここまでダメージが大きくなると、大抵の中コストユニットは倒せる。ブロンズカードの火焔術~煉獄~と比べ、ダメージは1低いが相手ユニットだけを一方的に除去できる。除去を中心としたデッキを組む場合の候補になりうる。
-スピリット3抽出元:双頭のドラゴン
KCカップにおいては長期戦を見据えてドロー系効果が重要になってくるが、ドローし過ぎるとただでさえこのライフの多いルールで強力なライブラリーアウトデッキ(LOデッキ)にますます抵抗できなくなってしまう。そこで、ドロー以外の解決策が複製である。複製を持ったカードを1枚でも手札に握っていれば、リソース切れの心配が軽減する。ただし、1項前のシューティングスターと比べたら分かるが、効果の強さは下がってしまう。相手にウシャのようなユニットを出されても使いにくくなるが、そういう不死や無敵などのユニットを採用してない相手を封殺する力を持つこともある。
通常のライフ25ルールだと6コストはもう重過ぎて現S環境だと活躍が困難なカードになってしまったが、ライフ50のKCカップだと活躍の機会が出てきており、今後もルール次第ではSに限らず意外なカードが日の目を浴びる可能性を考えさせられる。
・終わりに
慣れてない人からしたら何をやっているか分からなそうなSの世界ですが、実際は一般ルールと同じように決まったカードプールの中で考えてデッキが組まれています。KCカップだと普段活躍させにくいSカードが活躍することもあるので、強さを求め続けるだけでなく、遊びたいSカードを使って対人戦を楽しめる場とするのも良いですね。