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「ブロックチェーンでやる意味あるの?」への3つの反論

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  • takuya_goto
  • 2018/04/19 17:12
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初めまして。takuya_goto(@PTeamd)です。現在大学院を休学してスタートアップGaudiyを共同創業しました。今回はブロックチェーン系のプロダクト開発をしている端くれとして、自分なりに感じていることについてお話させて頂ければと思います。


「ブロックチェーンって何が新しいの?」

「サーバーでもできるよね?」「なんでブロックチェーン使うの?」

ブロックチェーン系の話を良くする人なら一度は言われたことがあるのではと思います。自分の周囲でそのように言われている人たちをよく見かけますし、実際自分たちもプロダクトについて周りの方々に相談をするときに度々聞かれます。

もちろん、流行りのせいもあって取り敢えず手段を目的と置き換えてブロックチェーンを使っておこうといったケースも散見されるので一概には言えません。むしろその本当に目的の解決になっているかを検討する考え方は、事業を考える上では全く正しいです。


同じようなことは過去にも言われてきた

一昔前には例えばP2Pなどが流行った時期にはまさに同じ文脈でのことを言われていましたし、事実P2Pを使うメリットが既存の仕組みを十分に超えられずに終わってしまったプロダクトも沢山あるでしょう。(keyhole TVとか・・・)

一方で同じP2Pを利用したもので大成功したものもあります。skypeやLineのような無料の通話サービスは同じP2Pです。いまや、キャリアの通話サービスをほぼ完全に超えていると言っても過言ではないでしょう。

しかし、これらのサービスが出た当時には「P2P?」「アプリで通話することの何が新しいのか」と言われていたものです。実際にはキャリアの用意した回線を利用するよりも、P2Pで実現した通話の方が手軽さやコストの低さの面で優れていたためここまで普及しています。このように新しいテクノロジーは手段としてではなくは正しい目的のために利用されれば大きな効果を産むことができます。


じゃあブロックチェーンはどうなのか

さて冒頭の「ブロックチェーンって何が新しいの?」について話を戻します。ブロックチェーンはある意味ではP2Pの延長でもすし、似たような指摘があるのも当然ですね。

しかし、それでもなおブロックチェーンやそれを使ったアプリケーションにはskypeやLineに匹敵する、いやそれ以上に革命的な可能性を秘めていると考えています。

これからいくつか紹介していきますが、結論から言うと


今できることが「誰にでも」できるようになること


これこそがブロックチェーンの素晴らしい点です。技術や信用、資本など「社会的なフィジカル」が強い人間にしか許されていなかった活動がなんと非力な市民にも出来てしまう、まさに革命的な技術なのです。


         大まかには以下の3つあると考えています


        ①高い流動性を持つインセンティブの組み込み

        ②信頼できるマーケットを誰でも創れる

        ③強力なユーザーコミュニティ


①流動性が高いのでサービスに強いインセンティブを組み込める

まず一つ目には何と言っても仮想通貨やトークンのメリットは独自のポイントに比べてオンライン上での流動性が高いことです。この場合の流動性とは他の仮想通貨やfiatとの交換が容易であることだけでなく、投げ銭などのように資金の送金も含めて移動が容易であることを指しています。この流動性の高さこそがトークンエコノミーを作り出し、サービスにインセンティブ設計を盛り込むことを可能とします。


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なぜブロックチェーンが必要なのかについて、サーバーを使って実装するポイントと比較しながら順に説明します。


1. 独自ポイントよりも業種やフェーズに関係なく魅力的にできる

まずブロックチェーン活用のメリットである流動性の高さが「どんな種類のサービスでも」価値のある独自ポイントの発行を可能にします。これは逆に言うとサーバーを使った独自のポイントのうち価値が付くものは限定されるということです。

ブロックチェーンを実際のサービスに導入するとき、まず言われるのは「それサーバーでポイント作れば良くない?」ではないかと思っています。それこそAmazonポイントやメルカリポイントをはじめとして私たちの周りにはポイントは溢れかえり、それで困っていないようにも感じます。


しかし、よく考えてみるとポイントを魅力的に出来ているサービスはある種限定されていることに気づくと思います。


まずビジネスモデルとして①商品やサービスを提供するプラットフォームであること、次に②そのプラットフォームで提供物が品揃えや質の面で魅力的であることが必須です。つまり、より多くの財・サービスと交換が可能であるという意味でどれだけ流動性が高いかがポイントの実質的な価値は決まります。

これは経済学の用語では「流動性選好説」という用語で説明されている概念で、できるだけ流動性の高いものを保有したがる性質のことを指します。

例えばAmazonでマスターカードに加入するとサイト内で5000ポイントもらうことが出来ます。結構魅力的ですが、それはamazon内で取り扱っている商品が膨大で交換できる対象が多い、つまり流動性が高いためです。引き換え対象が世の中の大部分の商品なので、まるで5000円を貰ったような感覚になる訳です。

もし、amazonが飲料水しか扱っていなければこの5000ポイントを魅力は大分減るのではないでしょうか。もっと分かりやすく言うなら、ゲームセンターで5000円分クレーンゲームできるポイント貰えたとして、それ欲しいですか?


だけれども、これがブロックチェーンを使うと一気に話が変わります。


ECサイトほど交換可能な対象が膨大でないサービスであっても、流動性の高いポイントを発行することが出来ます。もし、どこかの取引所に上場していれば様々な通貨や現金との交換が可能です。

もちろん、最終的にそのサービス内でトークンの利用価値が無ければひたすら売却されて価値は無くなってしまいますが、提供される財・サービスの種類が少ないことは独自ポイントの場合よりも問題になりにくい。必要であれば、直ぐに取引所で汎用性のある通貨や現金と交換が出来るからです。


2.トークンの現在価値と将来価値について

ここまでで、「流動性の問題なら現金と交換できるポイントを作れば良くない?」との意見もあるでしょう。ブロックチェーンの場合でも結局は他の通貨などと交換で流動性を持たせていますから。

これに対しての反論は価値の変動という要素によって「リリース前や直後であっても」サービスの設計にインセンティブを組み込みやすいことが挙げられます。先ほど「サービス内でトークンの利用価値が無ければ価値はない」と書きましたが、ここには時系列は含まれていません。つまり、「今現在」利用価値がそれ程無いことはトークンの自体の価値が無いということと同じでは無いのです。(ALISもそうですよね)

人間は将来的な期待に基づいて現在価値を計算します。トークンが将来一定の価値を持ちそうだという期待が、現在価値を決定します。これは、デリバティブ(金融派生商品)の現在価値の計算方法などでも採用されている考え方です。

この将来価値がトークンについているのは、①将来的に取引所で他の通貨と交換が出来ることと ②サービスの中で魅力的な何かと交換できることの二つに依ります。

現金とポイントの交換を行うには、予め交換可能なだけの現金を用意しなければなりません。一方トークンであれば、その時点で何かと兌換出来る必要は無いのです。つまり、「予算が無い人でも」魅力的なポイントが発行できるということです。

まとめると流動性の高さと価値の変動によって「どんな種類のサービスでも」「予算が無くても」魅力的な独自ポイントが発行できるのが1つ目のブロックチェーンの強みということです。


②信頼性のあるマーケットが簡単に作れる

ブロックチェーンやそれを利用したスマートコントラクト利用すれば、これまで一定以上の信用がなければ実現できなかったマーケットを「誰でも」作れるようになります。


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一番分かりやすい事例はまさに仮想通貨の取引所でしょうか。

例えば、国内の有名な企業が運営する取引所は「比較的」安心して利用できると思います。個人や背景が分からない運営による取引所はかなりリスキーで利用は敬遠されるでしょう(Y◯bitとかC-◯EXとか・・・)

これがスマートコントラクトを利用したDEX(分散型取引所)であれば、運営の信用力をリスクとして捉えられにくくなります。このDEXは一般的な取引所と違ってユーザーが自分で秘密鍵の管理を出来るので、第三者による仲介も信用も必要ないわけです。

他には、良い例とは言えないかもしれませんがギャンブルなどはまさに胴元の信頼性がないと作れないマーケットですよね。ブロックチェーンであれば、確率や支払いなどが公正であることが誰にでも確認できるので誰にでも作ることができますね。

これをもっと応用していけば、今までは信用が無くて難しかった人たちが、様々なマーケットを創っていくことができるでしょう。

※後ほどもっと追記します。

まとめると2つ目は「信用が高くなくても」信頼できるマーケットが創れることです。


③ユーザーのコミュニティと参画が非常に強力である

ブロックチェーン系の大きな特徴は、コミュニティが非常に強力という点です。これは端的に言うとプロジェクトへのユーザーの関心や貢献が信じられないほど強いということです。通貨系のプロジェクトやDapps(分散型アプリケーション)では既に購入した人や、Airdropなどの通貨の無料配布で受け取った人たちが、discord(slackの様なアプリなどのコミュニティに積極的に参加します。

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普通のwebサービスであれば、まず最初に苦戦をするのは初期のユーザーを獲得することです。web上での広告宣伝なども予算が無ければそれほど効かず、結局足を使って地道に集めていくことが多いでしょう。そこからメールを送って返信率の低いアンケートを取ったり、サービスの改善案を聞くために謝礼を払って街中で協力して貰ったりなど大いなる苦労が待ち受けています。


しかし、ブロックチェーンに関連したサービスの場合は異なります。


通貨やトークンの価値を上げるために積極的に改善案を提示したり、コミュニティ自体を盛り上げるため、人を集めてくれたりなど今まで企業が予算を掛けて尚且つ失敗していたようなユーザーがリリース直後どころか、その前ですら沢山いるのです。

その理由は、ユーザーとしても通貨のプロジェクトに参加したり、プロダクトの普及を手伝ったりといった創造的な過程に参加して、成功した時には値上がりといった報酬を受け取ることができるからです。

こういった体験は、それこそ投資家や経営者などは普段から経験していると思います。


例えばエンジェル投資などがそれに近いでしょうか。面白そうな人やプロジェクトに資金を提供して、代わりに株式を受け取る。そして、プロジェクトの成功を支援して、うまくいった時には報酬を貰うという体験です。しかし、そうでは無い一般人が面白そうな案件に参加してそれを発展させていき、 報酬を受け取ることは今まで殆ど出来なかったと言っていいでしょう。


まとめると「社会的地位や資本に関係なく」プロジェクトの支援を個人に依頼ができて、誰でも創造的な体験への参画ができるということです。


まとめ

ここまでにみていただいたように、ブロックチェーンのシステムにより恩恵を受けるのはある意味で個人や社会的に弱い立場にある人間なのです。したがって、大きな企業や資本家や経営者、投資家のような腕力のある「社会的フィジカルエリート」にとっては「それって何が新しいの」となるのはある意味で当然なのです。

しかし、私のような一市民としては、それでもなお上記の特徴を活用したサービスが革命的なものとして生まれてくると信じてやみません。サービスにインセンティブを導入したり、新しいマーケットを作り出したり、様々なサービスをユーザーが支援して世の中に送り出す。ALISもそうですが、日本でも徐々に始まりつつあります。

そんな革命の兆しを体験している皆さんも、きっとどこかでフィジカルエリートに「ブロックチェーンって何が新しいの?」と言われると思います。そんなときには「うるせぇマッチョ!」と一蹴してやりましょう。



最後に告知っぽくなりますが、最初に少し触れたプロダクトの事前登録を始めました。

ブロックチェーンを利用していないプロジェクトでも、プラットフォーム内でトークンを発行することで、仮想通貨系のようなコミュニティを導入できるGaudiyというサービスです。興味ある方は是非!Discordもあるのでプロダクトの議論などできたら嬉しいです!


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http://lp.gaudiy.com/


discordはこちら

https://discord.gg/4cugAFE


筆者 後藤卓哉

Gaudiy.inc 共同代表 COO / Gaudiyというサービスを創っています http://lp.gaudiy.com/ twitterはこちら @PTeamd






公開日:2018/04/19
獲得ALIS:95.52
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Gaudiy,inc 共同創業者 取締役 / 最近はDappsを勉強中 機械学習/python/React/デザイン思考/solidity
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