以前、モザイクの送金手数料について2つの投稿をしました。
この時、送金手数料の検証をする為に
モザイクの送金手数料の計算式を調べたので
もう一度整理したいと思います。
参考にしたのは、NEM財団のホームページから探した
開発者向けのドキュメント
”NEM NIS API Documentation Version 1.22 15:37, January 15, 2018”
項目”7.10. Transaction fees” です。
XEMの送金手数料の算出方法は簡単です。
10,000 XEM毎に0.05 XEM
そして、最大1.25 XEM。
これだけです。
”0.20 XEM fee for a 45,000 XEM transfer”
と書かれているので、下記のようになると思います。
- 19,999 0.05XEM
20,000 - 29,999 0.10 XEM
30,000 - 39,999 0.15 XEM
40,000 - 49,999 0.20 XEM
250,000 - 1.25 XEM
最大供給量が10,000以下で、可分性”0”(小数点以下を使わない)ならば
スモールビジネス モザイクとなり、
送金手数料は、一律 0.05 XEM となります。
(1)モザイクの送金手数料の算出方法
送金手数料は、下記の2つの要素から算出されます。
・送金するモザイクのXEM相当額 xemEquivalent
・供給量調整値 supplyRelatedAdjustment
まず
モザイクの送金手数料は、
XEMの送金手数料が基礎になっているので
送金モザイクのXEM相当額を算出します。
モザイクのXEM相当額 10,000 XEMごとに0.05 XEM
そして、最大1.25 XEM、となります。
A = XEM相当額によって算出された送金手数料
次に
モザイクの総供給量によって決まる
供給量調整値 supplyRelatedAdjustmentを算出します。
B = 供給量調整値によって算出された送金手数料調整額
最後に
XEM 相当額によって算出された送金手数料から
供給量調整値に相当する手数料額を差し引いて
最終的な送金手数料が決定します。
送金手数料 = A XEM ー B XEM
送金手数料が、 0.5 XEM 以下のときは 0.5 XEM
最大送金手数料は、1.25 XEM ー B XEM
xemEquivalent = XEMの総供給量 *( q / s )
XEMの総供給量 = 8,999,999,999
送金するモザイク量 q、モザイクの総供給量 s、
こんな感じです。
NEMのドキュメントには
xemEquivalent = (8,999,999,999 * q) / (s * 10^d)
このように書かれていますが
divisibility of 3、qが150の時
transferring 150 such mosaics (i.e. a quantity of 150,000 smallest units)
qは150000
となっていますので
” (s * 10^d)”の ”10^d” は不要じゃないかと思うのですが。
どうでしょう?
これは総モザイク供給量による送金手数料の補正値です。
モザイクの総供給量が少ないほど補正値は大きくなります。
supplyRelatedAdjustment =
floor(0.8 * ln(maxMosaicQuantity / totalMosaicQuantity)
*maxMosaicQuantity = 9,000,000,000,000,000
*totalMosaicQuantity = mosaic m supply * 10 ^ (mosaic m divisibility)
分かりにくいですね。
Maxは、供給可能の最大数 9,000,000,000、可分性を最大の6として
9,000,000,000に10の6乗を掛けた数字ですね。たぶん。
totalは、オリジナルのモザイクの総供給量に、10のN乗を掛けた数字。
Nは、可分性の値。
ファーマーズコインだと、
総供給量 100,000,000、可分性0なので
供給量調整値は”14”になります。
そして、14 * 0.05XEM が送金手数料から引かれるので
送金手数料は、最大で 1.25 ー ( 14 * 0.05 ) = 0.55XEM になります。
ちなみに、最初に算出された14という数字は
unweighted fee と書かれています。
さらに
Weighted with the current fee unit of 0.05
となっているので、0.05を掛けたわけです。
2つの要素によって送金手数料を算出していて
unweighted fee から最終的な手数料を計算するなど
とても分かりにくくなっています。
次は
モザイクの総供給量をどうすれば、送金手数料がお得なのか?
について、書いてみたいと思います。