アンティゴノスに続き紹介するディアドコスは"リュシマコス”です。
王の側近で獅子殺し、豪傑の名に恥じない人物を紹介していきます。
アレクサンドロス大王の下で
リュシマコスはアレクサンドロス大王の側近護衛官のひとりである。
側近護衛官はヘタイロイ(王直属の重装騎兵団)の中から、更に選りすぐりの人物が7人選抜される。
側近護衛官は紀元前336年から紀元前323年の間、例外を除いて1年おきに入れ替わるが、リュシマコスはその全てに選抜された人物だ。
他の側近護衛官としては、プトレマイオスやペルディッカス、ヘファイスティオンなどが選抜されている。
獅子殺し
リュシマコスには彼の強さを照明する逸話が残っている。
アレクサンドロス大王の東方遠征に同行したカリステネス(哲学者アリストテレスの甥)が、反逆の陰謀に加担したという口実のもと、耳と鼻を削がれ晒し者にされる。
苦しむカリステネスを哀れに思ったリュシマコスは、カリステネスに毒薬を飲ませ死なせてやった。
勝手なことをしたリュシマコスに怒った大王は、彼をライオンのいる折に投げ込んでしまう。
しかしリュシマコスは素手で獅子を打ち倒し、感心した王によって許されることとなった。
大王の死後
大王の死後、バビロン会議にてトラキアの太守として任命される。
その後は、国周辺の先住民を平定するための戦に奔走する。
彼の名がディアドコイ戦争で目立つようになるのはしばらく後になるが、その頃平定したトラキアを引っ提げたリュシマコスは、誰も無視できない存在となっている。