美術カテゴリーでは引き続き、フランシスコ・デ・ゴヤの黒い絵シリーズの紹介をします。
今回紹介するのは、ゴヤの屋敷一階入り口の真上に飾られていた絵についてです。
食事をする二人の老人
この絵には、ある老人が寝ている老人に食事を与える姿が描かれています。
寝ている老人は髪も歯も抜け落ち、ガイコツのような姿をしています。
「ゲッツ!」をしているようにも見えますが、おそらく違うでしょう。
スプーンを指さしているよう見えます。
ローブを羽織った老人は、「これか?」とスプーンを指さしているように見えます。
目を見開き口角の上がった表情は、全体の暗さと相まって不気味に感じます。
死にゆくものを必死に介護する者を表しているのか、それとも数少ない食料を与えることに躊躇しているのか…。
いずれにしろ死を連想させる絵ですね。
ゴヤは人間の愚行を絵にすることが多かったことから、これもそのような意味があるのではないかと考えられます。
描いた本人が解釈が人によって変わるのもゴヤの絵の面白いところですね。