教育・子育て

出生体重と食事で変わる子どものIQ

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  • 2023/04/19 15:05

  

  

今回は子どものIQと食事についての関係のお話です。

 

京都女子大学の学術セミナーの動画を視聴した中で、興味深かった内容だったのでまとめていきたいと思います。

 

今回のポイントは、出生体重が重いほどIQが高くなるという点と、母乳で育てた方が人口乳で育てるよりもIQが高くなるという点です。

 

以下に動画の内容をまとめていきます。

 

 

出生体重とIQ

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2017年のデンマークの研究では、出生体重と青年期中年期の知能指数に関連性があるという結果が示されています。

 

出生体重の平均である3000gから3500gを基準に、基準よりも少ない出生体重で産まれたグループと、基準よりも大きい出生体重で生まれたグループを比較しました。

 

その結果。

2500g〜3000gのグループのIQは、平均グループと比べると

19歳:(平均より)-1.21

28歳:-0.67

50歳:+0.16

 

3500g〜4000gのグループのIQは、平均グループと比べると

19歳:(平均より)+2.60

28歳:+3.35

50歳:+2.48

  

とIQは常に、出生体重が多いグループがIQが高い結果になりました。

  

2500g以下の出生体重のグループでは、体重が多いグループと比べると、IQが6も変わることが分かっています。

  

日本を含むスペイン、フィンランドなど先進国では、この低出生体重児の比率が高くなっていることが問題となっています。

 

動画ではその理由として、母親が痩せ気味であることが指摘されています。

 

極端な痩せではなく、少し痩せていたいという願望から、食事を控えたりすることによって、産まれてくる子供の体重に大きく影響するとされています。

 

 

低出生体重とADHD

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また、出生体重が軽いほど、ADHD(注意欠陥多動性障害)になりやすいこともデータとして明らかになっています。

 

体重が重すぎる場合もADHDのリスクが上がりますが、軽すぎる場合はそれ以上にADHDになる確率が上がります。

 

ラットを使った実験では、子宮への血流を減らして低出生体重のモデルラットを作成し、経過を観察しました。

 

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その結果は低出生体重で出生したラットは、正常なラットよりも多く動き回ることが分かりました。

 

また、正常なラットは目新しいラットに返して、興味を示すのに対し、低出生体重のラットは新しいラットが現れても興味を示さないなど、社会性の低下も見られました。

 

また、低出生体重のラットも人間も同様に、神経細胞が通る大脳白質の体積が減ることが分かっています。

 

こういった神経細胞に関係する部位の変化が、神経の抑制性を減らし、多動などの障害を起こすと考えられています。

 

 

IQを高める食事

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では、IQを高めるにはどうしたらいいのか。

 

米国FDA(食品医薬品局)は2014年、魚食とIQに関する報告書を発表しています。

 

妊娠中に母親が魚を週に360g以上食べると、IQが3.9上がることが報告されています。

 

これは魚に含まれるDHAEPAなど記憶力や学習能力の向上に効果的だとされる成分によるものだと考えられています。

 

またイギリスの早産児300人を対象としたデータでは、母乳で育った子供は、人工乳で育った子供よりもIQが8.3高いことが分かりました。

 

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ベラルーシの赤ちゃん17000人を対象にした大規模無作為割付試験では、母乳で育てた赤ちゃんと人工乳で育った赤ちゃんを6歳児の時点でIQテストをしたデータが示されています。

 

その結果もやはり、母乳で育った子どもは人工乳で育った子どもよりもIQが5.9高いことが分かりました。

 

また、大脳白質の面積も母乳を飲んだ期間に比例して大きくなっていることも示唆されています。

 

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理由は完全に解明できていませんが、牛乳と母乳を比べるとラクトフェリンという成分の含有量に大きな違いがあります。

 

ホエイの中に含まれるラクトフェリンですが、母乳にはこの成分が牛乳の10倍ほど含まれています。

 

普通、脳はタンパク質やアミノ酸などを簡単には通しません。

 

しかしラクトフェリンは、血液脳関門を容易に通過することができるため、子どもの脳の発達に影響を与えると考えられています。

 

 

まとめ

・子どものIQは出生体重で左右される

・出生体重が低ければIQは低め、出生体重が多ければIQは多め

・出生前には魚食、出生後には母乳によってIQをより高めることができる

 

出生体重が、その後の知能指数において生涯にわたって影響するというのはとても興味深いです。

 

もちろんIQが全てではありませんが、物事の理解や論理的思考をするのに役立つ能力なのは確かです。 

 

その後のIQの伸びを増やすのも、やはり母乳をはじめとする食事が鍵なようですね。

 

IQを高めるとする代表的な食べ物は記事中でも紹介した魚(マグロ、ブリ、サンマ、イワシ)ですが、脳科学者の茂木健一郎氏が2011年に発表した実験内容では、カレーもIQを高める食品としてあげられています。

 

インド人が数学的に賢いのもカレーによるものなのかもしれませんね。

 

ちなみに上の茂木氏の研究のリンクは要約になっているので、かなり読みやすいと思います。

 

気になりましたら読んでみてください。

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