第4章 思春期の子どもとの距離の取り方と学ばせ方
思春期は親が先に気持ちを切り替える
小学5、6年生になると、身体の変化とともに、心も変わっていく。
遊ぶ友達や聴く好きな音楽など、オタマジャクシがカエルに変わるように、行動や考え方がガラッと変化する。
この頃になると「大人の本音を知りたい」時期に入っていく。
親がこのことを知らずに、幼児期のように接していると、長期的に我が子の人生を台無しにする可能性もある。
部分的にも親の本音をさらけ出すことができれば、親子の関係は安泰。
また、思春期の子どもは、親の言うことに何かと反対しようとする。
そんなときは自分で親がなんとかしようとするよりも、「外部に師匠を作る」ことがオススメ。
例えば、野球のコーチや水泳の監督、塾の講師など、その子が付き従う人物を探しておくと楽。
親が叱るよりも、外部の師匠から叱ってもらう方が、子も行動しやすいうえに、親の負担も軽く関係も悪くなりにくい。
つまり、誰に預けるかを考えることがこの頃の親の仕事になる。
思春期の女の子への接し方
この時期の女の子は、お母さんにしか聞けないこと、話せないことが沢山ある。
結論を言うと、思春期のお母さんに一番聞きたいことは「今幸せ?」ということ。
「お父さんと結婚して良かったの?」
「仕事は続けたかったんじゃないの?」
など、母の本音を知りたい時期でもある。
結婚するに至った経緯や、結婚とは社会的契約であることなど、付き合いに関するノウハウ等も教えてあげると良い。
ただし、男の子にはこれらは言ってはいけない。
男の子からすると「母親は女神」。
過去の遍歴など聞きたくないので注意。
思春期の男の子への接し方
手をつないで喜んで歩いていた頃から、親と少しずつ距離をとる時期に変わるのが思春期の男の子。
この頃になると何に関しても「見に来ないで!」と関係を離そうとする。
こうなったら基本的に外部の師匠に鍛えてもらうことが一番。
一番困るケースは、「この子全然やらないんですよ」と言って、6年生になっても中学生になっても言って聞かせようとすること。
そうするとますます反発するばかりで「あの頃は可愛かったのに・・・」となることも。
しかしそれは健全な状態。
むしろそんな状態こそ母に認めて欲しいし、喜ばせてあげたい頃でもある。
単純に心のコントロールができない状態でもある。
そんな思春期の男の子の接し方は、外部の師匠や父親に本音を話してもらうこと。
「仕事って甘いものじゃない」
「今日はこんな客がいて大変だったんだ」
「でもこんな楽しいこともある」
など飯を食うこととはどういうことなのかを本音で伝えてあげるなど、男としての生き様を話してあげると人生への関心も高まる。
思春期の子どもはむしろ鍛錬を好む
この頃の子どもは生半可な配慮はむしろ逆効果。
真の実力主義であることが分かるに連れて、やる気が燃え上がる時期でもある。
この頃の受験や検定は、勉強の方法を覚える絶好のチャンス。
目標があればあるほどやる気になる時期であり、例え不合格になろうとも「次は頑張るぞ」と思えるようになる時期である。
いずれにせよ、本人にとって勉強の必然性が芽生えれば良い。
良くないのは、こういった思春期の特性を活かすことなく、ひたすら叱咤激励してやる気を出させようとすること。
思春期からが本当の勉強の始まり
「うちの子、もう5年生だし手遅れじゃ・・・」なんてことはない。
むしろ思春期から先の勉強こそ、努力することでどんどん伸びる時期でもある。
目の前の問題が解けないとしたら、どうやったら答えになりそうかを考えさせる勉強をするといい。
すぐに答えを教えるのではなく、辛抱強くその子なりの答えを引き出す勉強が必要になる。
または答えを使って、どうやったらこうなるのかを教えてもらう(誰かに教える)勉強も効果的である。
第4章まとめ
・親は子どもの変化を受け入れる
・親は本音で子どもと向き合う
・外部に師匠を作って指導してもらう
・子どもの限界勝手に見切らずに鍛錬させてみる
・思春期からは考えさせる勉強の始まり
思春期の代わり具合は人によってはショックかと思います。
しかし、「そういうものなんだな」っと知っているだけでもストレスは減るし、子どもの考えも見えてくると思います。
それに、何も言わず親が本を読んだり、資格の勉強をしたりする姿を見ているだけでも子は学びますし、勉強に興味が湧きます。
親の背を見て子は育つ。
いい親子関係を続けるためにも、親も学ぶ意識は必要になりますね。