有史以来、人類を活用している植物は“小麦”と言われています。
小麦から様々な食品を生み出し、品種改良をしてきても、小麦を育てそのほとんどを消費するのはやはり私たち人類です。
そんな小麦の代名詞といえばパンですね。
ふっくらと焼き上げだモチモチのパン。
朝の忙しい時間にサッとトースターで焼き上げ、コーヒーやミルクと一緒に食べてしまいますね。
今回はそんなパンの最新研究について紹介したいと思います。
どうやら、腹持ちが良く、血糖値が上がりにくいパンの開発が可能になりそうです。
参考にしたのは、Science Newsに2023年2月19日付で掲載された記事です。
参考記事)
Scientists Have Engineered A New Type of Flour That Keeps You Fuller For Longer 2023年2月19日
Bread made from cell pulse flour keeps you fuller for longer 2023年2月10日
参考研究)
調整されたひよこ豆粉末で血糖コントロール
世界中で肥満が増加している理由として、一時的な空腹感を抑えるだけの、加工された高血糖食品が入手しやすいことが指摘されています。
今回、キングスカレッジ・ロンドンの研究者は、健康に有益な効果をもたらす豆類に注目し、従来食べられているパンとの比較研究を行いました。
研究では、小麦粉をひよこ豆に置き換えた製品を食べ、食後の腸内ホルモン、グルコース、インスリン、精白されたパンに対する満腹感との比較をしました。
ひよこ豆粉末は、製粉される最新に細胞壁が壊れないように前処理されたものを使います。(cellular chickpea、以降CCP)
重量割合で0%、30%、60%のひよこ豆粉(CCP)を混ぜたパンを作り、健康な人間の参加者20人の食後の血液サンプルを収集しました。
その結果、30%のCCPを含むパンは、血糖値の上昇を最大40%低下させることが明らかになり、60%のCCPを含むパンでも同様の結果が得られました。
これは、細胞が壊れていないひよこ豆からデンプンが放出されるのに時間がかかるため、結果的に体内で分解されることにも時間を要するためだと考えられています。
研究によって、パンの中の小麦を細胞マメ粉(CCP)に置き換えることで、満腹促進ホルモンの循環レベルが上昇し、血糖値とインスリンの反応の低下に加え、満腹感を持続することができることが明らかになりました。
研究者は「精製今後の代わりに、細胞が壊れていないひよこ豆の粉を使用することは、食欲を調整するホルモンを刺激し、心臓代謝疾患の予防や治療のための食事戦略を改善する可能性があります」と述べています。
まとめ
・細胞が壊れにくい調整されたひよこ豆の粉を使ったパンは血糖値の上昇が緩やか
・満腹ホルモンも刺激され、満腹感も持続する
・調整されたパンは、病気や肥満による食事制限にも活用することができる
調整されたパンを食べることで満腹感が持続し、余計なものを口に入れる確率が下がるという利点は、肥満に悩む人にとっては効果的だと考えられますね。
また、糖尿病患者の食事としても研究が進んでおり、今後のこのひよこ豆パンをどこかで目にする機会があるかもしれませんね!
美味しいパンを健康的に食べることができるようになったら嬉しい限りです。