今回紹介する映画は、湊かなえによる同名ミステリー小説が原作の「告白」です。
原作となった小説は彼女のデビュー作でありながら、2008年度の週刊文春ミステリーベスト10で第1位に輝いた作品です。
映像化された本映画もそれを物語る面白さで、劇中で淡々と語る松たか子が印象的な作品です。
少しずつ解き明かされる謎と、とある「告白」にる登場人物の心境や行動の変化に見応えがあります。
それではまずはあらすじから……。
ある中学校の終業式。
クラスの担任を務める女性教師(松たか子)は、教師を辞めることを伝えると同時に生徒にあることを告白する。
父親がHIV感染者の感染者だったこと、それが原因で家庭を持つことを諦めたこと。
彼女の唯一の娘が亡くなったこと、そして警察はその死を事故死と判断したこと。
しかし、彼女はこのクラスの生徒が娘を殺したのだと言う。
生徒が今後軽々しく「死にたい」なんて言葉を口にしないために、ある教訓を復讐とともに刻み込んでいく……。
子どもの好奇心や無邪気さが、ときに残酷な結果を生むという戒めを知る作品だという印象を受けました。
学級崩壊寸前のクラスの様子から始まるこの映画。
そんなことはお構いなく淡々と話し始める主人公の森口の様子に不気味さを感じながらも、観ている自分も生徒も段々と話に引き込まれていきます。
そこからも淡々と話しが進んでいきますが、そこまでの話を聴いた視聴者と劇中の生徒が秘密を共有したような感覚がまたこの作品に良いエッセンスを与えています。
劇中では暴力やイジメの描写などがリアルに描かれているため、R15指定されいます。
そういう描写が苦手な人は、冒頭を観て視聴を継続するかやめるかを判断しても良いかもしれません。
ともあれ、中々見応えのある面白い作品だと思います。