この記事では、元谷拓氏が著した“誰も知らない帝王学”を参考に、知っておくと人生で役立つ考え方をまとめていきます。
帝王学とは、伝統ある家系や家柄など特別が立場にある人が、その立場に相応しい能力を養うものの総称です。
正確には帝王学という学問があるわけではありませんが、貞観政要や孫氏の兵法などの古典はもちろん、偉人の伝記や作法書など諸々を含めて帝王学とされています。
本書からも、世界の様々な歴史から得られた人格者として生きるヒントが諸所に見受けられます。
記事を通し、そんな特別な人格教育の一端を知っていただけたらと思います。
今回のテーマは“歴史(根源)を大切にする”です。
【誰も知らない帝王学より 抜粋】
アパグループCEOであり、兄の元谷一志が研修や会議で話すのですが、長く続く企業で働く社員の意識調査結果を見ると「ルーツを大切にしている」という統計データがあるそうです。
創業100年を超える企業など、時代が変化しても創業者の理念や思いを伝承し、守り続けていることが多いものです。
創業者は、創業時から数々の苦労を乗り越え、工夫しながら長い歴史をつなぎ、事業を継続していったのです。
その思いに感謝し、自分も歴史をつなぐ一人であるという責任を理解し担うことが大事です。
戦争や災害も起こった長い歴史の中、苦労しながら自分まで命をつないでくれた、先祖に対しても同様です。
会社の歴史について学んだことがある人は分かるかも知れませんが、創業者の理念や過去に培った歴史の重みは、そのまま商品の魅力になったり、働く者の自信に繋がったりします。
この節で伝えているのはそういうことですね。
前回にも通ずる話ですが、紡いできた歴史は覆すことができない事実です。
とある者は傲慢から間違いを犯して組織を滅ぼしたり、ある者は国家瓦解寸前の状態から国を建て直したり……。
歴史を知ることはその人の人生を俯瞰して追体験することでもあります。
これは学校の社会科テストでは得られない本来の歴史学習です。
自分の組織が根底にどんな理念を持っているのか、創業者の意思がどのように受け継がれているのか。
歴史(根源)を知るというのは、自分の芯を形作る良いツールになります。