はじめに言っておくが、ボクは大した人間じゃない。
めんどくさがりで、継続力が極めて乏しい。
だらしのない人間だ。
しかし、
20代前半、漫画家志望として活動していた頃のボクはもっともっとだらしのない人間だった。
継続力なんてないに等しい。
「めんどくさい」が口癖の男だった。
だから、人よりも漫画の成長スピードが遅かったと思う。
✳︎
思えば、ボクの成長を妨げてきたのはいつも「めんどくさい」という感情だった。
初めて担当がついた頃、
自分の原稿は描かせてもらえなかった。
絵が下手すぎて、賞を取れるレベルではないとのこと。
プロの原稿をトレースしてくるよう担当さんに言われた。
ボクは、週刊少年マガジンを買い、「ダイヤのエース」のトレースを始めた
毎週1話分(約20ページ)をトレースして、編集部の担当さん宛に郵送する。
3週が終わったころから、郵送ペースが落ち始めた。
週1から月1、2ヶ月1と、だんだん郵送するペースが落ちていったのだ。
「めんどくさい」
この感情だった。
おかげさまで、絵は中途半端な成長となった。
しかしながら約1年後、担当さんからは自分の原稿に取り掛かる許可をもらった。 (自分の漫画を制作する許可を他人にもらうというのは、今考えるとものすごくおかしな話だw)
商業漫画をつくる場合の手順は
プロット(文章で話の流れを構成したもの)
▼
ネーム(漫画原稿のラフ画、絵コンテのようなもの)
▼
下書き(下書き)
▼
ペン入れ(清書)
▼
仕上げ(ベタ入れ、修正、トーン貼りなど)
となるのだが、
当時のボクはプロットが大嫌いだった
今でこそ、それなりにブラインドタッチで打ち込みできるようになったが、
当時のボクは打ち込みが大の苦手
慣れてない打ち込みは苦行そのものだった。
かといって、紙に字を書くのも嫌いだった。
元々字は汚い方で、
字を書くことそのものをめんどくさがっていた。
めんどくさいと思いながら書くから余計に字が汚くなり、
読み返すと、
自分で書いた文章が全然読めない
なんてことが本当にめずらしくなかった。
字を書く、打ち込む等の作業がめんどくさくて仕方がなかった
それで、プロットという作業が大嫌いだったわけだが、
当時のボクはどうして漫画をつくっていたかというと、
プロットがまとまらないうちにネームに入るのだ。
プロットを書くのが途中でめんどくさくなって、早く絵を描きたくなる。
紙とペンを出してコマを割り、絵を入れる。
プロットが中途半端なままネームに入るから、
話が全然まとまらずネームの上で迷子になる。
結果、よくわからない内容の漫画ができあがる。
これが当時のボクの典型的なダメパターンだった。
プロットを書くのがめんどくさかったから、
話の内容もそこそこしか上達しなかった。
映画の研究をしようとしたときも
キャラの研究をしようとしたときも
コマ割りの研究をしようとしたときも
新しいノートに書いては数ページでやめた(しかも字が汚いから読み返せない)
全ての理由は
「めんどくさいから」
ある日
同い年の、全然知らない漫画家が週刊少年マガジンに載っていた。
60ページの読み切り漫画
めちゃくちゃ絵がうまかった。
内容も、めちゃくちゃ面白かった。
彼はきっと、自分がめんどくさがっている間に、
めんどくさいとは思いもせず、ひたすら漫画力を鍛えてきたのだろう。
ボクはただただ、自分を責めた。
しかし、いくら自分を責めても、変わることはなかった。
結局めんどくさいものはめんどくさいのだ。
負の連鎖である。
✳︎
めんどくさいという感情がなければ、
もう少しくらいは成長したかと思う。
漫画賞も取れていたかもしれない
雑誌連載もしてたかもしれない
「めんどくさい」という感情に、ボクの成長は妨げられてきた。
今は、前ほどじゃないと思う。
〝継続〟を意識して過ごしている。
少なくとも、自分に必要だと思ったことは、めんどくさがらず継続するようにしている。
それでもなかなかできたものではないが。
この記事もそう。
一昨日、毎日投稿しようと思い始めたが、
早速昨日サボってしまった
ボクの継続力はその程度である。
しかし、以前のボクなら1記事だって書きはしないだろう。
打ち込みそのものを「めんどくさい」と思うのだから。
今のボクはそんなことはない。打ち込みは日常作業になった。
確実に、当時の自分より成長している
いつか、何かのコンテンツを、
めんどくさがらず毎日投稿できる自分になりたい。
それは、角界のトップがみんなそうだから
毎日何かを投稿し続けている人が上にいるから。
そしてボクもそういう人でありたいから。
毎日投稿ができるようになってからが本当のスタートな気がする。
そのコンテンツが、この記事かもしれないし、別かもしれない。
今でいうと、#かいちの挑戦 がいちばん近い。
一応、10日間継続中だ。
「めんどくさい」
この感情をいつか排除したいものだ。
今回の話とは別の切り口で、
「めんどくさい」という感情がボクを成長させてくれた
みたいな話もあるのだが、その話はまた今度にしよう。
それではまた。