このアニメを見ていると気づくのだが、途中からキリコの顔が違っていくことがわかる。当時のアニメではままあることだが、納期、予算の関係から作画を外注に依頼しているためその影響から作画が安定していないことがあった。いわゆる作画崩壊だ。
マシンロボとかテッカマンブレードとか。
だが、装甲騎兵ボトムでは意図的に顔が変わっている。しかも話の内容にマッチしている。
キャラデザインの塩山紀生が作画監督を務めるが、作監の谷口守泰がキリコに思い入れするあまり、顔を変えてしまった。曰く「キリコは僕の思想なんだ」。
だから彼が担当する放送回はキリコを始めキャラの顔が違っている。所謂「谷口キリコ」の誕生である。
ボトムズは話の展開と谷口キリコの極めて強いハードボイルドタッチの作画と相まって、見ごたえのある作品に仕上がっていく。キリコの内面の変化とマッチしていると感じる。
この作画は後のSPTレイズナーで生かされるのが、残念ながらレイズナーは打ち切りとなってしまい、至極残念だった。