<前回までのおさらい>
「再生可能エネルギー(再エネ)の余った電力でマイニング」って聞いたので、ちょっと電力の話しますね? 電力供給網って倉庫がないんで、大手電力会社が需要と供給を瞬時に合わせていたんです。ところが電力自由化が始まった。
電力自由化――。
ニュースで聞いたことのある方も多いのではないでしょうか?
電力業界はいわゆる規制産業。東京電力や関西電力といった大手電力会社が独占してきました。「独占」と聞くと悪いイメージがあるかもしれませんが、国家のインフラに関わる産業はセキュリティ上規制されることが非常に多いのです。例えば、韓国は電力市場を自由化していませんし、日本も水道局は民営化されていないところが多いですよね?
とはいえ、日本にも電力市場を自由化しようという政策方針は以前からありました。市場の一部はずいぶん前から自由化されてましたし。
これが加速したのが東日本大震災以降です。
原発事故からの電力会社批判、東電解体、自由化、、、一気に進められました。
と聞くと、そうだよね、あんな事故起こしたんだから自由化しなきゃ!と思う方も多いですし実際当時のメディアもそういった論調でした。しかし、国家のインフラが危機的な状況に陥っているならば、本来は既存の体制を維持してまずは平常化させることに注力するのがセオリーですよね?
まあここはあまり深く突っ込んでも仕方ないのですが、、、兎に角、様々な思惑と勘違いが入り混じり、電力市場の自由化は進んでいきます。
ここまで、再エネ&マイニングと何の関係があるかって?
まぁちょっと待って、
最後まで読んでください。
自由化で何が起こったかというと、、、
細かいことは割愛しますが、ライセンスさえとれば誰でも電気を売っていい時代になりました!だから、ソフトバンクや楽天が電気を売っているのです。
結果として、大手電力会社が電力需要と供給力をにらめっこし、瞬時に需給調整をしていた時代は終わりました。これからは、事業者内の努力ではなく、市場原理に基づいて電気を作る人と売る人に電力の安定供給をしてもらわないといけないのです。
ではどうやって?
大きく二つの制度ができました。
ペナルティとインセンティブです。
ペナルティとは、予定(予測)していた電力需要量を外すと課せられる罰金のこと。インセンティブとは、需要に応じて電力を高値で買い取ってもらえる市場の創造です。
ここで思い出してください。
太陽光発電は、突然曇ったら発電できなくなるなどコントロールの難しい電力です。風力発電も風が止まれば発電しませんよね?
需要側も、突然の雪で暖房コストがあがったりなど変動要素はありますよね。
さぁ、少しづつわかってきましたか?
ペナルティを回避するためには、たくさん発電しているときにはたくさん電気を使ってもらう、発電できないときには節電してもらう、需要側のコントロールをする必要が出てきたのです。市場原理により、余っている電力を使ってもらえると嬉しい事業者が増えてきたのです。
では、次はなぜ再エネが大量導入されたのか。
お楽しみに。
(注)飴と鞭のところはものすごく簡略化して書いていますので業界の皆様はお手柔らかにお願いします....
MALIS