今日も引き続き国連ブロックチェーンシンポジウムの話(前回記事)。
でも後半の様子はきっとNaottaさんが伝えてくれると思うので、私は少し違う角度から。
ネットワーキングの時間に、シンガポールのクリプト関連企業であるRegPacの方とお話させていただく機会がありました。
会話をもとに、シンガポールにおける仮想通貨市場の状況をお伝えします!
お会いしたRegPac社はシンガポールのスタートアップで、いわゆるReg Tech分野の会社。
RegTechとは"Regulation + Technology"。
金融の規制が変わると、金融システム変更、オペレーションの変更、社員の再教育、と膨大なコストがかかります。これらコストを先端技術の力で減らそう!という分野です。
Regpac社は、ブロックチェーンに関しては同じくシンガポール企業のBlockchain Worxと提携しており、金融機関へのブロックチェーン技術導入を支援しているそう。
ちなみに日本市場では、EncognizeというRegTech×FinTech分野の企業と提携しています↓
さて、気になるのはシンガポールの規制動向。
今のシンガポール政府の雰囲気はどうか?と聞いたところ、
「彼らは非常によくやっている」
と力強い答えが返ってきました。
政府関係者の知識レベルは高く、どのように仮想通貨、ブロックチェーンを国家として推進していくかを考えていると。
彼女が問題視していたのは、エンドユーザー。いくら政府が頑張っても、なかなか全国民にすぐ浸透するわけではない、だからこそ教育が重要だ。
うーん、日本だとまだそこまで至ってないんだけどなぁ、、、と思いますが。
国が違うと随分問題意識が違うものです。
日本にも目を向けているRegPac。日本市場をどう見ているか?と聞いたところ、規制が早くにできたので進んでいるイメージはある、といった上で
「ボトムアップアプローチ」
のイメージがあるとの意見がでました。これ、言い換えれば「ビジョンなき法整備を進めている」ってことだよなぁ、、、としばし考え込む。
さらに、シンガポール企業が日本に進出するにあたっての壁はやはり
「言語の壁」
だそう。日本じゃ英語が全然通じないので、毎回翻訳手配が必要になるのだと。ですよね。
ただ、これは日本にいる方にとってはビジネスチャンスでもあります。日本市場を狙う事業者が一定いる限り(間違いなくいる)進出支援の仕事はなくならないでしょう。
私としては、シンガポールのFintech企業がもっと入ってくることで、外から日本の金融サービスを変えてほしい。支援企業が足りていないのでは、と感じた会話でした。
ブロックチェーンの普及には、導入支援を実施する企業が必ず必要。
日本にもいくつかありますが、あくまで日本市場に閉じている企業が多い。しかし、世界を見据えるからこそ日本企業に対しても高い視座から導入支援ができるはずです。
この分野で、世界市場を見据えるスタートアップが多く出てきてほしいですね。
(元金融機関の方、いかがですか?)
MALIS