皆様こんにちは。
さて、アメリカ仮想通貨界隈は今朝から上院公聴会の様子で持ち切り。
というのも、上院公聴会にNYU Stern Schoolの Nouriel Roubini教授、通称Dr. Doomが呼ばれ盛大にディスったから。
Dr. Doomはリーマンショックを予測したとして一躍有名になった方。
動画はツイート見てね↓
NYUは、わが母校。
私は公共政策でしたがStern Schoolのクラスにもたびたび足を運んでいます。(当時の私は中国とインドにしか興味がなく、Dr.Doomはスルーしてました。深く反省しています)
これはご紹介するしかない!と思いこの記事を書いている次第です。
さて、まずDr. Doomの言い分ですが、日が明けて上院のデータベースに全文が掲載されました。
題名からして「声に出して読みたい英文」ですよ。
読んでみましょう!
"Crypto is the Mother of All Scams and (Now Busted) Bubbles While Blockchain Is The Most Over-Hyped Technology Ever, No Better than a Spreadsheet/Database" (Roubini, 2018)
「仮想通貨は全てのスキャムとバブルの母であり、ブロックチェーンは過去最大に誇張された技術であり、スプレッドシートとデータベースにも劣る」
スキャムとバブルの母、、、
か、、、かっこいい。
やはり言い切り口調は強い!
公聴会で最初に話したのもこれでしたね。母の部分は、母であり父だと言ってましたが。
では彼の根拠を見ていきましょう
さて、辛辣なDr. Doomのお言葉、見ていきましょう!
調査によると、81%のICOはスキャム、11%は失敗、8%だけが流通している。つまりほぼスキャムだ。
2017年末からたった4か月で、ビットコインで70%の下落。しかし他の多くのアルトコイン (またの名をShitcoin!)では95%も下落。
仮想通貨とはお金にはほど遠い、支払いにも使えないクソ技術。VISAより圧倒的に遅く、電力くって環境を破壊する。使うのは犯罪者とテロリストのみ。
金融サービスはFintechで革命が起きるが、それはAI、ビッグデータ、IoTの話であって、ビットコインじゃない。
仮想通貨を愛する者は、分散化のユートピアを夢見ている。だが、信頼できる機関のない世界などまったくもってナンセンスだ。
実際のところ、仮想通貨は中央集権だ。しかも危険な。マイニングはロシアや中国に握られ、99%の取引はぜい弱なセキュリティを持つ取引所に頼っている。しかも富も集中しているぞ。
仮想通貨は"Massive Price Manipulation"、つまり価格操作ばっかだ!Pump and Dumpが横行する酷い犯罪だらけではないか。
そもそもだ、セキュリティトークンのICOは証券取引法に著しく抵触しているではないか!
ユーティリティトークンなんてもっと酷い。
モノもないのに金を集めるただの詐欺だ。
企業で使うのはプライベートチェーンで、分散化されたものではない。あんなもんブロックチェーンじゃない。さらに、導入を経験した企業の90%が、既存技術より割高で非効率と答え、80%の経営者はこの技術に興味がないと答えている。
だそうです。
手厳しいー。
ちなみに、文書のほうはもっと辛辣で、朝からかなり楽しく読ませていただきました。
お気に入りの英文をいくつかご紹介します。
And Ripple’s technology for crossborder interbank financial transfers is already left in the dust by SWIFT, a non-blockchain consortium that all of the world’s major financial institutions already use.
「国境をまたぐ銀行間送金のためのリップルの技術は、すでにSWIFT、つまり既存の世界最大の非ブロックチェーン金融団体により置き去りにされている」
この、"left in the dust"ってのはなかなかオシャレな言い回しですね。追い抜かされる、置き去りにされる、という意味。
この部分は、そうか???という疑問しかないですが、Dr. Doomにはこう見えているそう。
Fourth, wealth in crypto-land is more concentrated than in North Korea where the inequality Gini coefficient is 0.86
「仮想通貨の世界では、北朝鮮より富が集中している。あいつらのジニ係数は0.86だってのに」
これは公聴会でも言ってましたかね。Dr. Doomのたびたび使う"crypto-land"という表現が私は好きです。
この部分は確かにそうなんだけど、ポインさん本でもあったように、仮想通貨によって富の分配が少しゆらぎ、持たざる者に分配された側面もあるはずです。
というか、既存金融こそ富の集中を招いているような、、、
そんなわけでDr. Doomの公聴会スクリプトを少しご紹介していみました!
もちろん、彼だけが呼ばれたわけではなく仮想通貨を支持する Peter Van Valkenburgh氏も一緒に出ています。今回は、賛成派と反対派の両方から公聴ということなのでしょう。
Dr. Doomは中央銀行が大好きな方。
金融コンサバがどのように"クリプトランド"を見ているかーー。
知っておいて損はないはずです。
(ちなみにNYUは今、仮想通貨とブロックチェーンが学べる世界のトップスクールベスト10の常連だったりします。。。大丈夫かな笑)
MALIS
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