



このヤギは物陰から「ワッ!」と驚かされ
びっくりするとその場でバタン!と倒れて
動かなくなるのですが気絶してる訳でなく
意識があり筋肉が一時的に固るだけです
なのでしばらくすると何事も無かった様に
また立って歩き出す不思議な習性のヤギで
このヤギはアメリカの南方で飼育されてる
ウッデンレッグゴートと言いうヤギです
他にもテネシーフェインティングゴートと
言われ見た目は普通のヤギより少し小柄で
筋肉がしっかりし足もがっちりしてとても
パワーがありそうなヤギなのです
元々ヤギといえば山中をすばやく走り回る
イメージがありますがこの気絶ヤギはその
常識をひっくり返す存在でヤギらしくなく
とてもおちゃめな動物に見えます
驚くと倒れて固まるのは先天性ミオトニー
という生まれつきの筋肉病で筋肉の動きを
コントロールしてるイオンチャネルという
小さな通路が変異してるのです
その中でも塩化イオンチャネルという所が
うまく働かないと筋肉緩めるタイミングが
遅れてしまい体が一時的に固まってまるで
気絶した様に見えてしまうのです
つまりビックリ→体が緊張→すぐ緩めない
→カチカチになって倒れるという流れです
この固まる時間は数秒から20秒位でその後
ちゃんと動けるようになります
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この気絶ヤギは1880年代に米テネシー州で
偶然見つかったヤギが元に広まったのです
そのヤギが持ってた特別遺伝子が子供達に
受け継がれ数が多くなっていきました
気絶ヤギは筋肉が硬直し動かなくなっても
特に痛む事無くすぐ元に戻るので見た目程
体に負担がかからないが外敵に襲われた時
隙が大きく危険に晒されます
野生は硬直中敵から逃げられず凄く不利で
でも人間にとっては逃げないから飼い易く
柵を飛び越え難いという理由もあり好んで
飼育されるようになりました
実はこのヤギ人間の病気の研究にも役立ち
人間にも同じような遺伝子の異常で筋肉が
固まるミオトニーという病気がありこれを
治す為の研究材料にもなってます
その為気絶ヤギは医学の研究にとって凄く
貴重で大事なモデル動物とされてて現在は
アメリカで3000〜5000頭ほどの気絶ヤギが
登録されペットとしてだけでなく遺伝学や
様々な筋肉の病気の研究にも使われてます
気絶ヤギは一般的なヤギと同じ様に食用で
食べる事もでき先天性のミオトニアという
遺伝的特徴がありますがこれはあくまでも
筋肉の反応の違いで安全性や味は平気です
味や質は筋肉が発達してるから肉質が少し
締まってますけど味は普通のラムと同じで
でも一般的にペットや観賞用として飼われ
食用として流通する事は殆どありません











