テクノロジー

科学技術「今を作った勇者たち」

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  • 鈴木穣
  • 2020/05/22 02:02

【我が名は、ジョゼフ・スワン】

電球を世界で1番最初に発明した人は、イギリス人だった。

名前は「ジョゼフ・スワン」という発明家。

電球のアイディアがひらめいて、1848年頃から実験をしていた。

そのアイディアは、まずガラスの中の空気の密度を少なくする。

その中に、紙を棒状に炭化させ硬くした物を入れる。

その紙を炭化させた物に、電気を流して熱の光で光を得るという物。

空気の密度を少なくすると、炎は出にくくなるが、熱自体は出る。

でも、実験はなかなか上手く行かなかった。

そして彼は、1860年頃まで12年間実験を続けた。

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ジョゼフ・スワン

 

【文明を一変させた大発明】

そして1860年頃に、ようやく実際に発光させる事に成功した。

そして、イギリスで特許を取る事が出来た。

名前は「減圧バルブに炭素フィラメントを封入した電球」

でも、この時の電球は、数十秒位で光が消えてしまっていた。

原因は、炭化させた紙の「フィラメント」がすぐに燃え尽きてしまうから。

なので、実用品としては使えなかった。

その後もスワンは、改良する為に実験を継続した。

そして15年後の1875年に、更にガラス管の真空度を高める事に成功した。

改良点は、フィラメントの部分に木綿を使用した。

それに「苛性ソーダ」を染み込ませた。

「苛性ソーダ」とは、水道水の消毒に使われている物。

その木綿を炭化させた物を、発光する部分である「フィラメント」にした。

この電球は、1878年に特許を取得できた。

そして1881年に彼は「スワン電灯会社」を作る。

この会社で、電球の生産を開始した。

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スワンの電球

 

【日本の京都の竹】

スワン電灯会社設立から1年前。

アメリカの発明家「エジソン」は、この電球に目を付けた。

そして、スワンの電球の欠点を解決する研究を1877年頃から始めた。

「この発明は儲かる!」と思ったのだろう。

1878年「エジソン電灯会社」を、製造してない所か欠点解決前に設立。

とりあえず、側を固めてスワンにパクったと言わせない為だろう。

そこで、色々な素材で作ったフィラメントを試す。

そして1年半で1200回以上実験を行なわれた。

1879年10月、安定して2日間点灯させる事に成功した。

更にエジソンは、フィラメントの素材探しを続けて研究した。

そして、日本の京都の竹から作るフィラメントに辿りついた。

エジソンは、その竹から竹製フィラメント電球を作った。

エジソンは1880年に、電球を灯すのに必要な電気を作る会社を作った。

社名は「エジソン照明会社」

 エジソンは、発電所まで作ってしまった。

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【弱肉強食】

エジソンは、人々に電球を紹介する発表会を行い、巧みな宣伝活動を行った。

その営業活動で電球は、あっという間に人々の認知を得た。

1882年にエジソンの会社は、スワンの会社に対し、特許侵害の通知をする。

エジソンがスワンの真似をしたのに、非常にずるいやり方だ。

でも、これこそが今でも続くアメリカの文化であり、まさに弱肉強食。

この国では、これが普通なのだ。

そして特許に関する対立が生じかけたが、両者は裁判沙汰にはしなかった。

むしろ協力する策を選び、1883年スワンの会社と合併する。

出来た会社は、イギリスのロンドンに本社と工場を置く事になった。

会社名は、「エジソン & スワン連合電灯会社」

この会社でスワンのセルロースのフィラメントの電球が製造された。

そして、これが初の電球業界の標準となった。

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【発明家達と時代の夜明け】

1900年代初頭に電球の大きな変化が起きた。

それは、タングステン製のフィラメントが新たに登場した事だった。

これは、数年で以前の炭素製フィラメントから、全部世代交代した。

理由は、タングステンの融点の方が高かったおかげ。

そのお陰で、フィラメントを高い温度で点灯させる事が可能だった。

その為、より白っぽく、より明るく発光をさせる事ができた。

それが人々から大いに歓迎された。

1907年には、アメリカで初のタングステンフィラメントの電球が登場した。

1910年にはタングステンフィラメントの引っ張り加工が発明される。

それは、1913年にその特許が認められた。

電球が実用的な物として世の中に普及できた功労者は、彼ら以外にもいる。

スワンやエジソンの電球の性能や、品質の向上に必要だった物の開発。

例えば真空ポンプの性能向上や真空球作成技術の向上。

それを実現した「ハーマン・スプレンゲル」や「ウィリアム・クルックス」

彼らの発明も見落とすわけにはいかない。

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