18歳の時
車の免許を取りに行って来た。
免許を取りに行った場所は
「足立自動車教習所」
この頃の自動車免許は
AT限定なんてなく
普通にマニュアル車一択だった。
このとき使っていた車は
「マツダ4代目カペラ1800」
この車は
非常に癖があり
本当にこの車で教習して良いのか
そう思う位の車だった。
まずFF車で
この頃の教習車としては
非常に珍しい構造の車だった。
しかも
あまり整備が行き届いておらず
色々不具合があるポンコツ車だ。
((ヾ(*'д';*)ノシ))
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この教習車に乗る前に
教習所で教わった点検をしないとならない。
自動車の周りの障害物チェック
タイヤのパンクチェック
エンジンオイルのチェック
電気系統の動作チェック等々
しかし
この他にも自主的にチェックしないと
走りに影響が出る場所がいくつかあった。
その場所は
アクセルのチェック
ブレーキのチェック
ギアの緩みのチェック
アクセルは
反応が良すぎて少し踏むだけで
スグに回転数が上がってしまう。
なので
何度かアクセルを踏んで
アクセルを踏んだ時の回転数の上がり方を
緩やかになるまで調整する。
こうしないと
走っている最中たまに
エンジンにガソリンと空気が入らず
不完全燃焼をしてエンストする。
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ブレーキは
ブレーキオイルに空気が入るから
何度も踏んで空気を抜かないと
ブレーキの利きが悪い。
ギアのチェックは
ギアをガチャガチャ動かして
少し慣らさないとクラッチを踏まなくても
ギアが入ってしまう事がある。
俺は
こんなポンコツ車を使って
自動車教習をしていた。
FFの細かい事を言うと
「前方エンジン」「前輪駆動」という
機械系統がとても複雑な構造をしている。
その為
駆動系統がとてもキツキツに組まれて
機械の間に余裕がなく故障も多い。
しかし
自動車講習をしている生徒達は
みんなこの車の癖を知らずにいる様だった。
なので
こんなチェックをするのは
俺一人しかいない。
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教官は
俺がこの不思議な事をしてる姿を見ても
何も言わずに当たり前の様な顔をしていた。
きっとここの教官達は
この車の整備不良を
見て見ぬふりしていたに違いない。
でもこの頃の俺は
他の車の事なんてよく解らず
「車ってこういう物なんだな」
そう感じてた。
なので
全然不思議に思わず
この状態のまま普通に運転してた。
⊂二二二( ^ω^)二⊃ブーン
でもある時
学科の授業中に外のコースで
大きなブレーキ音が聞こえた。
ε=ε=ヽ(●´Д`)ノナニゴト?!
ふと外を見たら
特に事故った様子が無かったが
教習コースの途中で車が停止していた。
しばらく見ていると
車からおばさんが下りてきてた。
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そしておばさんが怒りながら
「ブレーキなかなか効かないから
思いっきり踏んだのよ!」
そう言っている。
その言葉に教官は
「解ってます確かにこれは
自動車の不具合です」
そう言って故障を認めていた。
このとき俺は
「何でボンネットも開けずに故障だと解ったんだ?」
「もしかして知っていた?」
そう感じてしまった。
そして
「ここの教習車は
どうも故障しやすい車が多いんだ」
そう思った。
俺は
実技で車に乗る時は
やっぱりブレーキとアクセルとギアの点検も
必ずやろうと心に誓った。
後日その車の行方を教習所の人に聞いてみたら
「廃車にしたから安心して良いよ」(^ー^* )フフ♪
そう答えてくれた。
俺は
「これであの車に乗る事は
もう2度とないな」
そう思って安心した。
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この日は
俺の実技講習の日だった。
俺は
自動車がある場所に行き教科書の点検をし
そして自分流の点検である
ブレーキとアクセルとギアの確認を行った。
俺は
いつも通り車に乗り込み
教官の指示通りにコースに出て行く。
しばらく何も問題なく
順調にコースを走ってた。
‥…━━━ΣΣΣ≡ヘ(*-ω-)ノ
そして
直線で60㎞出すように指示されて
アクセルを押し込んだ。
そうすると
普通にスピードが上がって行き
一気に60㎞まで速度を上げる事が出来た。
そして俺は
カーブが近づいてきたので
ブレーキをかけて止まる事にした。
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俺は
ブレーキをかけて車の速度を落とそうとしたが
ブレーキ中に「シャコ!」と言う音がして
ブレーキが利かなくなてしまった!
この時
教官が隣の席から
とっさに俺のハンドルを奪ってきた。
そしてサイドギアをかけて
カーブと逆にハンドルを切り
ドリフト状態にした!
アアアアヽ(゜Д゜;)ノ!!
俺の乗った車は
そのまま横滑りして行き
コース脇にあった掃除用具小屋に
側面から衝突した!
この時
軽い振動を受けたが
速度が落ちていたので
全く怪我がなく済んだ。
そして
車をバックさせて下りてみると
ドアがボッコリへこんでる。
(´・ω・`)アアァァ・・・
あんな軽い衝撃なのに
ドアがが凹んでいるのを見て
「車って凄く弱々しいな」
そう感じてしまった。
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車が弱々しいと教官に伝えてみたら
「車はワザとボディーをへこまして
衝撃を吸収するんだ」
そう答えてくれた。
このとき俺は
車がダメージを受けて
中の人が助かる構造なのだと
自動車の優秀さに凄いと感じた。
そして
ふと衝突した掃除用具小屋を見たら
木造の小屋の壁に穴を開けてしまってた。
(・o・;)アッ!
多分
前面の角が突き刺さったのだろう。
この状況を見て俺は
「弁償ですか?アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ」
そう聞いてみた。
そうすると教官は
「教習中の事故は
保険が下りるから平気だよ(ΦωΦ)」
そう軽く答える。
この返答の軽さに俺は
「この車の故障は
絶対こいつらの想定の範囲内だろう」
そう確信した。
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そして一週間後
この教習所に続々と新車が入ってきた!
*゚+。(○ノ´-□-)ノオオォォォ゚+。*
しかも同じマツダ車の
「5代目カペラ」
俺は
「新車が来るから4代目カペラを整備せず
そのまま乗り潰したな」
そう疑ってしまった。
その後
この5代目カペラの新車で
実技講習を行う事になる。
この新車の乗り心地は
以前使っていた車と全然違った。
まず
ブレーキやアクセルやギア等の部分が
何も点検せずとも普通に利きが良い。
俺は
「これが普通の自動車なんだぁ~」
そう感じて感動した!
ヾ(o´∀`o)ノワァーィ♪