7歳の時
毎朝母親がベートーベンの
運命という曲をかけていた。
でも俺は
先生に死に際に作曲した曲で
死神が近づいてくる光景を
曲にした物だと聞かされていた。
なので
この運命と言う曲が怖くて
聴くのが凄く苦痛だった。
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ
でも母親は
オーケストラならなんでも
高級感が出ると言う理由で
毎朝流す。
この曲を聴き続けた俺は
ベートーベンが更に嫌いになり
音楽室の肖像画を見るのも
怖くてしょうがない。
俺は
授業で音楽室に行くと
絶対ベートーベンの肖像画を
見ない様に目をそらし続けていた。
音楽室の肖像画は
黒板の上に飾ってあったので
簡単に視界に入らない様に出来た。
( ´ー`)フゥー...
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ある日の掃除の時間に
図工室の準備室に入ると
石膏で出来た人の顔が
たくさん並んでた。
なんとその中に
怖いベートーベンの石膏もあり
思わずビックリしてしまった。
ヒィィッ!!∑(;Д;ノ)ノ
怖くなった俺は
急いでそこから逃げて
もう絶対準備室に入らないと
心に決めたのだった。
その日以来
図工室に行くと
準備室から黒いオーラが見えて
すごく怖い場所になってしまう。
たまに先生が準備室に入ると
魔界の入り口が開いた気がして
別世界に先生が
吸い込まれて行く気がした。
そして
準備室から死神が出てきそうで
怖くて仕方ない。
この事から俺は
図工室も嫌いになってしまい
出来るだけ近づきたくなかった。
ヒィー(゚ロ゚ノ)ノ
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ある日の放課後
教室の本棚を見ると
恐怖のベートーベンの本を
発見してしまった。
この本の背表紙に
ベートーベンの顔が無かったので
とりあえず怖くなかった。
ε-(ノд`; )フゥ…
しかし
この本を取り出すと
きっと顔が載ってると解ったので
手に取る事すらできない。
もうその本からも
黒いオーラがただよって来て
この本棚から離れてしまう。
でも
教室にまでベートーベンがいると
もうストレスでしかない。
ヽ(#`д´#)ノ
なので俺は
本を本棚の裏に隠そうと決意して
手に取り目をつぶって
本棚の裏に投げ入れた!
その後何故か
誰もこの本が無い事に気付かず
そのまま放置され続け
安心して授業を受けられた。
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この頃の俺は
夜中トイレに行く時
1人でトイレに行けなかった。
|ω・`)ショボーン
なのでいつも母親を起こして
一緒についてきてもらい
トイレのドアを開け
側にいてもらった。
これも全部
あのベートーベンが怖くて
トイレまでの道のりに
奴が居たらと思うと恐怖になる。
しかし母親は
熟睡してる時に起こされるので
凄く眠そうな顔をして
ボーとしたまま付いてくる。
しかしある日
毎日起こされるのが辛いようで
「1人で行って~」と言われ
付いて来てくれなくなった。
仕方ないので俺は
1人で行く事にしたけど
怖くて仕方ないから
ドタドタ走って速攻戻ってくる。
結局母親は
この足音がうるさくて起きて
俺のトイレの時に
毎日目が覚めてしまってた。
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俺は
毎朝流れる「運命」の曲が
全然好きになれなかったので
母親に辞めてくれと抗議した。
この時母親に
ベートーベンが怖くて
嫌いだという事は
恥ずかしくて話せなかった。
でも父親も
「確かに朝から運命は
ないよなぁ~」と言ってくれて
賛同してくれた。
その事に母親は
凄く不満そうな顔をしてたけど
渋々やめてくれる事になる。
その日以来朝の時間は
テレビをつけてニュースを見て
爽やかな朝を迎えられた。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
しかし俺は
ニュースの内容が解らないけど
運命より100倍マシだった。
(*´-∀-)フフフッ
その後母親も
特に「運命」を聴いてないので
何でも良いから自分の主張が通る
何かが欲しかったのかもしれない。
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ある日音楽室に行くと
先生が色々な音楽家の人生を
解りやすく話してくれた。
その話の中で
ベートーベンの事も話してくれて
俺が今まで感じてた
怖いと言う印象が少し変わった。
しかし
詳しく話されて無かったけど
どうやらベートーベンは
すごい人生を送ったらしい。
それが気になった俺は
以前本棚の裏に隠した
ベートーベンの本をとり
恐る恐る読んでみる事にした。
そして
ひらがなだらけその本には
ベートーベンの少年時代から
死ぬまでの事が書かれてあった。
そして最後に書かれてた
恐怖の根源「運命」と言う曲は
人生の集大成の曲を
死ぬ間際に作曲した物だと知る。
この事を知った俺は
以前より恐怖感が和らぎ
更に少年時代が凄く美少年で
1人でトイレに行けるようになった。