昔世界中に猛威をふるった感染症に
強い感染力の天然痘と言う物あり
感染すると50%の人が死んでしまい
最も恐れられていました。
運よく回復したとしても顔などに
あざみたいなのを残してしまって
多くの人から恐れられ私生活でも
神経をすり減らし注意してました
そのような事で感染症の歴史の中でも
天然痘との戦いが人類にとって
非常に大きな比重を占める事になり
人類絶滅の危機にさらされたのです
天然痘を防ぐための方法には
世界中に色々なものがありましたが
現代のワクチンに似た手法は
古代にもあったのです。
エジプトだと天然痘から回復した人に
体の中に抗体が出来たという事で
天然痘患者の看護を任せて
天然痘の拡散を防ぎました
インドだと天然痘患者の着物で
子供を包み抗体を付けようとしたり
中国だとかさぶたの粉末を吸引したり
乾燥末を注射したりしていたのです。
中国の手法がヨーロッパへ伝わり
1710年にウェールズの王子が
かさぶたの粉末治療を受けてこれが
種痘という初の予防接種になりました
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そして18世紀末になると医師の
エドワード・ジェンナー氏が
世界で試されてる天然痘対策を
科学的に明らかにしようとしました
彼が住んでいた地方では
牛飼いや乳搾りする女性が仕事柄
どうしても牛から人に感染する牛痘に
みんなにかかった事がありました
この牛痘と言う感染症は
牛が持つ牛痘ウイルスが人に感染し
発熱症状が出ますが軽傷で済み
人が1回かかると抗体を獲得します
この牛痘に感染して回復した人は
天然痘に感染しないと知られてたので
エドワード氏がこの事に着目して
牛痘を科学的に分析しました。
そして分析して実験した結果
牛痘を人に接種する事が天然痘の
予防に有効であることを発見し
1800年に論文にまとめました。
エドワード氏の研究以前も
ワクチンに似た概念はありましたが
効果があるか解らない治療方法で
命を落とすリスクが高かったのです
でもエドワード氏の牛痘接種法は
死亡例が無かったので世界中に広まり
疾患の発症を抑えた初めての偉業で
医学史上で偉大な発見とされました
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エドワード氏の論文は
ロンドン王立協会に出されましたが
牛痘を使ったワクチンが危険として
却下されれしまいました。
なので自費で論文を出さないとならず
同時に多くのロンドンの医師たちは
エドワードのワクチンの安全性に
疑念を抱いたのです。
更に元が牛の天然痘だったので
ワクチンを打った子供は牛になるとの
風評が広まってしまいワクチンへの
反対が強まりました。
風刺画家のジェイムズ・ギルレイは
1802年に新予防接種の素晴らしい効果
と題して種痘を受けると牛になると
誤った風刺画を描きデマを広めました
そんなデマに負けずエドワードは
必死に牛痘ワクチンを広めていき
その後ある程度ワクチン接種が進むと
天然痘が激減してきました。
しばらくすると天然痘ワクチンの
副反応が問題になってきてこれは
10万人~50万人に1人脳炎が発症し
うち40%が命を落とす事になりました
それでも反ワクチン運動を受けながら
世界中で接種が進められていきき
1980年にWHOが地球上からの
天然痘根絶宣言を発したのです。