ニキシー管と言う物は、50年位前まで主流だったデジタル表示器の事です。
光る原理は、金属の細い線に電気を流します。
そうすると金属線ではなく、金属線の周りにあるガスが光ります。
ニキシー管とは、このガスがオレンジ色に光る物です。
金属の細い線は、「電極」と言います。
ガスは「ネオンガス」と言います。
光らせるには、この電極に約170V以上の電圧をかけると光ります。
この電極を、数字や文字の形に曲げてガラス管の中に入れます。
そして電気を流し、その周りのガスを光らせると、電極の形に光ります。
ニキシー管の中には、電極を曲げて作った物が入っています。
それが、文字や、数字等の形です。
それらが、重なって入っています。
この電極1つ1つに電気を流して、ガスを光らせます。
電極の手前側の形や、奥側の形が邪魔になり、表示が見難いと感じます。
でも、光るガスの幅が大きく、凄く明るく光るので平気です。
その明るさは、奥側の電極も、手前側の電極も、全く気になりません。
それ位まぶしく光ります。
当時は、光る形で表示する物がニキシー管くらいしかありませんでした。
そして、色々な表示機に使われていました。
自動販売機の金額表示
タクシーのメーター
計測器の表示
様々な物に使われていました。
でも、使うには色々問題がありました。
特許が必要だったり、構造が複雑だったり、170Vの電圧が必要だったり。
使用する為には、色々な壁がありました。
その為、時代が進むにつれて、VFDや、LEDに変わって行きました。
VFDとは、蛍光表示管と言い、昔の電卓などに使われていた表示器です。
ニキシー管は、真空管とは別物です。
ニキシー管の中には、ネオンガスというのが入っています。
真空管の種類で似ている物があります。
フィラメント管
ブラウン管
VFD
などがそうです。
ニキシー管とは、構造が全く違う物になります。
「フィラメント管」
「ブラウン管」
「VFD」
ニキシー管は、もう新規でほとんど生産していません。
今、新規で生産し、販売している所は以下の所しかありません。
この3社位しかありません。
その他だと、オークションで、中古を手に入れるしかありません。
普通に使っていれば、10年位は持つそうです。
でも、過剰電圧をかけた状態で使用すると危険です。
その場合、寿命が半年位まで落ちる事もあるそうです。
寿命が来ても、突然光らなくなる訳ではありません。
透明のガラスの外枠に、だんだん銀色のすすが付着して行きます。
そして、中身が見えなくなってきます。
そうしたら、そろそろ寿命と言う事です。
でも、一番使えなくなる原因は、事故で割れる事です。
これが一番可能性が高いです。
ニキシー管は、熱そうに見えますが、実は全然熱くはありません。
せいぜい40度以下の温度です。
消費電力もそれほどではありません。
ニキシー管の駆動電圧は、170Vと高いのですが、必要な電流は数mAです。
なので、1管あたり消費電力は小型管なら200mW~400mW程度です。
大型管でも1W程度です。
でも、とても熱そうに感じてしまいます。
それで触った時に驚いてニキシー管を落としてしまいます。
この事が原因で、割れる事が多い様です。