16歳のとき俺は湯島にある個人経営の
コンビニエンススーパー宇野と言う
コンビニでバイトをしてた事があり
当時の時給はわずか650円だった!
ヒィー(゚ロ゚ノ)ノ
今では考えられない金額だけど
当時のバイトの時給はこれが普通で
でも俺は社会経験がなかったから
時給の事など気にならなかった
それよりただ生まれて初めての社会で
右も左も解らずがむしゃらに働いてて
職場の美人な女性の事も気にならず
自分の事だけで精一杯
更にこの店はオフィス街の真中にあり
評判が良い手作り弁当を販売してて
夕方から夜にかけてとても混みあい
品出ししてた俺は猛烈な忙しさだった
でも男性客からアイドル扱いされてる
凄い美人な大学生がいてその人だけ
客の表情を見る限り明らかに特別な
待遇を受けてた
その女性は22歳の奥山さんと言いう
アイドル顔負けの美人だったらしく
若いサラリーマン達は彼女に会うため
わざわざこの店に来てる
可愛いタイプが好きな俺からすれば
彼女は大人っぽすぎてタイプでなく
子供っぽい同級生の女性の方が好きで
群がる男達の気持ちが理解できない
(;´・ω・)ナンデ?
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
しかもナンパ文化が定着してた当時は
みんな普通に奥山さんに恋文を渡して
好きな思いを伝えてたが彼女は全て
丁重に断わり男共は玉砕されてた
アワワワワ(((゚д゚; )))ワワワワッ
奥山さんは小説家になりたかった様で
そのため恋愛に割く時間はないと言い
自費出版して宣伝する広告費のお金を
一生懸命貯金してた
当時ネットなんて全くない時代で
あったとしてもパソコン通信しや
電報と言うカタカナ表記しかできない
劣化版ファックス位しかない
そのため小説家になる道は限られてて
奥山さんは出版社に持ち込む営業と
自費出版しフリマ販売で宣伝する事を
実際に行い真剣に夢に向き合ってた
そんな奥山さんに男達はわざわざ
恋文を書いて渡してるのを見て俺は
「言葉で言っちゃえば文章書く手間が
省けて面倒じゃないのに」と思てった
なのに本人に直接自分の言葉で
気持ちを伝える人は全くいないから
もうレジ横に奥山さんの恋文入れを
設置した方が楽な気がする
だけどある夜に近所の会社に勤める
若いサラリーマンがピークが終わった
暇な時間に店に現れて何も買わずに
レジにいた奥山さんの所に向かった
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
そして奥山さんの目の前で目を見て
「好きです!付き合ってください!」
と店中に響く大声で告白してしまい
俺は彼の真摯な行動にビックリした!
その姿を見た俺は彼が勇者に感じて
「やっぱ男は小細工なしの直球勝負で
玉砕された方がかっこ良いな」と思い
まだ返事が無いのに玉砕を決定した
そして奥山さんは当然「すいません
今は無理です」と返事を伝えてしまい
彼はガッカリしてたけど「はい」と
素直に返事をしてその場を去る
翌日彼が再び店に訪れて奥山さんに
「昨日すみません」と謝り奥山さんは
「今がダメなだけです」と優しく返し
自分の夢について彼に説明してた
それを聞いた彼は理解を示しそれ以降
迷惑かけた負い目からか毎日店に来て
弁当を買ってくれるようになり俺は
その姿が何だか痛々しかった
その後彼の告白した事は近辺の会社に
噂が広まって恋文を書いて渡す事しか
恥ずかしくてできなかった男達の間で
「勇者」と言う通り名がつけられる
その後奥山さんは恋文を一切受けず
俺が「何で恋文受け取らないの?」と
質問すると「目を見て自分の言葉で
伝えない告白はダサい」と言ってた