10歳の時
引っ越してきたばかりで
お風呂が製作中で入れず
銭湯通いをする事になった。
最初の数日は
私服で銭湯に通ってた。
しかし
ある時母親が
浴衣をタンスの中から出してきた。
そして母親が
「これから銭湯に行く時だけ
浴衣を着て行こう!」
そう言われてしまった。
俺は
なんで浴衣に着替えるのか?
不思議で仕方なかった。
(。´・ω・)?
この事を母親に尋ねると
「銭湯に行く時は
浴衣と決まってるの」
そう答えていた。
俺は
よく解らない理由だけど
仕方なく銭湯に行く時だけ
浴衣に着替えて行く事にした。
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母親が
タンスから出してきた浴衣は
家族全員の分あった。
そして
この日から我々家族は
わざわざ銭湯に行く時だけ
浴衣に着替えて行く事になった。
しかも
下駄までちゃんと用意されてる。
俺は
なんで浴衣なのか
父親にも聞いてみた。
そうすると
「新築に引っ越してお母さんは
ウキウキしてるんだ」
そう言っていた。
俺からすれば
新しい学校に行くとこが不安で
全然嬉しくなかった。
しかし
母親の嬉しい顔を見ると
どうも以前いた三郷団地のしがらみから
解放されたという喜びがあった。
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引っ越しに関しては
父親も通勤時間がなくなった嬉しさで
ウキウキしているようだ。
((o(*´∀`*)o))♪
我々家族は
おばあちゃんの面倒を見る代わりに
仕事場の2階に引っ越してきたから
父親の通勤時間が0秒。
このとき俺は
「都合が良い事になって親たちは
嬉しそうで良いな」
そう感じてしまった。
そんな両親を見て
「これから新しい学校で俺は
馴染む苦労があるのに気楽で良いな」
そう思った。
でも
いまさら何を言ってもどうにもならず
母親の浴衣気分に付き合う事にした。
ε-(・д・`;)フゥ…
毎日通う銭湯は
家から5分程度の所にある。
でも実は
この5分の距離が
とある理由で好きになれなかった。
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その理由は
銭湯までの裏道が人通り少なくて
下駄の音が響く事だった。
俺は
この下駄のガランガランと言う音が
なんだか恥ずかしくて
下駄が好きになれなかった。
何故なら周りは
浴衣に下駄姿なんて誰もいない。
ハズカシィ(*pдq*)
銭湯に到着しても
全員普段着姿で来てる。
浴衣で来ているのは
我々家族だけだった。
そんな状況だったので俺は
浴衣姿が目立ってると思い
変人家族っぽくて恥ずかしい。
(〃ノωノ)ハズカチィ
下駄の響く音は
そんな我々の羞恥姿を
皆に知らせる音に感じてしまった。
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俺は
銭湯を往復する間
田舎者丸出しの気がして
酷い目にあった。
でも
お風呂が完成するまでの間
この浴衣姿で銭湯通いを強いられた。
ヾ(≧Д≦)ノ
そして
やっとお風呂場が完成し
銭湯通いもようやく無くなる。
俺は
やっと浴衣姿の羞恥プレイが終わり
内心ホッとした。
(。・∀・。)ホッ-3
完成したお風呂場は
大きなベランダの真横にあって
ベランダ側のドアも開ける事が出来た。
お風呂に入る時
ベランダ側のドアを開けると
夜空が見えて開放感満点だった。
まるで
プライベート露天風呂みたいで
凄く嬉しい。
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そして俺は
完成したばかりのお風呂に
1番最初に入浴してみた。
体と頭を洗い湯船に入り
ベランダのドアを開て夜空を見みると
想像以上に開放感がある。
このとき俺は
気分が良くなりいつもより長く
お風呂に入ってしまっていた。
次に弟が入り
そして母親が入った。
そして二人とも
風呂場のベランダ側のドアを開け
いつもより長い時間入ってた。
【~~~ヽ(=^‥^=)丿~~~】イイユダニャ♪
父親は
残業しているみたいで
家に戻る時間が遅い。
そのせいで
1番最後の入浴になってしまう。
┐(´~`)┌ ヤレヤレ
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新しいお風呂に最後に入った父親も
ベランダのドアを開けて
夜空を満喫しているようだった。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
そして
父親がお風呂場の中から
「お酒とおつまみ持ってきてくれ~」
そう叫んだ。
そうすると母親が
夕飯の晩酌用冷酒とおつまみを
父親の風呂場に持って行った。
( ´,_ゝ`)ハイハイ
俺は
「湯船でお酒を飲んで酔ぱらって更に
湯船で熱くなるのに正気の沙汰じゃない」
そう感じてしまった。
しかし父親は
新築のお風呂場から見る夜空が気分良く
お風呂に入りながらのお酒が
嬉しくてたまらなかったようだ。
そして父親が
お酒とおつまみの残りをもって
酔っぱらいながら風呂場から出てきた。
俺は
父親が更に晩酌でお酒を飲む姿を見て
「凄い酒豪っぷりだな~」と
呆れる位感心してしまった。