超高性能バッテリーとの、全個体電池という物が開発されています。
全個体電池とは、どういう物か。
今まで電池の中身は、液体でした。
でも、これが固体になった物が「全個体電池」です。
なので、液体を入れる容器が不要になりました。
そして、液体だった部分をじかに表に出して使えるようになった物です。
では、なぜ液体から個体にする必要があったのでしょう。
固体になったおかげて、液体より凄く性能が上がりました。
安全性、環境による耐性、自由な形状が可能、電気部品の組み込みが簡単。
この様に液体では、不可能だった事が可能になりました。
今までの液体でも、大容量、高出力、長寿命は、実現していました。
でも全個体電池は、更に大容量、更に高出力、更に長寿命になりました。
この夢のような電池が開発され今後の電気製品は、飛躍的に進化します。
ではなぜ安全性、耐環境性、自由な形、自由な組み込みが無理だったのか。
安全性は、電池の液体が可燃性の物で、二重三重の安全対策が必要でした。
耐環境性は、周りからの熱で液体が熱をもち爆発する危険性がありました。
液体なので固体の様に好きな形で固定する事が無理でした。
組み込みが簡単なのは、個体なので形状を自由自在に変えられるからです。
液体型だと、固体と違って構造上、形が決まっていました。
その為、形を変える事が出来ず、小さくするしか方法がありませんでした。
充電できる電池は、2次電池と言います。
逆に、充電できない電池が1次電池です。
充電できる2次電池の中身には、液体を使っています
構造を簡単に説明しますと、液体の中に金属の棒が2本浸かっています。
その棒が、プラスとマイナスの棒です。
この2本の棒に線を繋ぐと、その線に電気が流れて電力が取れます。
この棒は、液体が酸化させ化学反応を起こし、勝手に電気をつくります。
なので、2本の棒を繋いだ線を外さないと電気が流れ続けてしまいます。
電池の電気を使っていると、だんだん電力が弱くなってきます。
それは、液体が薄まってくるからです。
そこで、充電と言うのが必要になります。
充電のしかたは、強引に電気を押し込みます。
プラスにプラスの電気を流します。
マイナスにマイナスの電気を流します。
こうして充電をすると、液体が元の濃さになり、電気の出力が元に戻ります。
これが、2次電池という物です。
全個体電池の元となったのは、リチウムイオン電池です。
これは普通の2次電池とは、少し構造がちがいます。
リチウムイオンに電子がつき、線ではなく液体の中を電気が移動します。
その電気は、マイナスからプラスに移動します。
でもマイナスからプラスに流れる物は、電気以外が流れてはいけません。
その為に、+と-の間にリチウムイオン電子以外通さない壁があります。
これを、セパレーターと言います。
こうしてリチウムイオンだけが、マイナスからプラスに移動します。
リチウムイオン電池が、電気製品に電気を送る時、逆方向に電気を流します。
+と-を線でつなぐと、+から-方向に電気が流れます。
そしてマイナスに電気が蓄積されていきます。
そしてまた、液体の中を電気が通りマイナスからプラスに流れます。
充電する時は、この逆の事を行います。
この様な構造なので、大容量、高出力、長寿命な電池になりました。
でも全個体電池は、この液体の部分を個体にしてしまったのです。
結果、セパレータも液体を溜める容器も無くなりました。
液体部分を個体にしたので、今まで液体だった部分がむき出しで使えます。
個体なので性能を変えず、薄く小さくする事が出来るようになりました。
この電池を何層にもすれば、更に大電力で小型の電池も出来ます。
でも、小さく薄くするにも限界はあります。
あまりにも薄くしすぎると、+と-がくっつきショートしてしまいます。
今は、さらなる小型化高密度を目指して開発が進んでいます。
全個体電池 Pt2に続く