



2010年代半ばにアメリカ南部のルイジアナ州
ニューオーリンズで18輪トラックと乗用車の
接触事故が異常な程多く発生しました
この背景に犯罪グループや貧困が絡む陰謀が
存在したとし週刊誌の「The New Yorker」が
事件の経緯についてまとめました
2015年頃ニューオーリンズ・イーストと言う
郊外地域を通る州間高速道路10号線のわずか
約22.5kmの区間で18輪トラックが関わる車の
接触事故が急増しました
ニューオーリンズで大型トラックに衝突する
車の事故件数は2004年に年間69件でしたけど
2017年まで事故件数は約3倍に達したのです
ここの大型トラックと車の事故は多くの場合
車が壊れ負傷を訴える車の乗員が医療処置を
受ける事となりました
保険会社が現場を調べても照明の不具合とか
急な勾配といった事故原因になり得るものは
見つからずトラックの運転手にとってここは
アスファルトのバミューダ・トライアングル
と化してました
また不可解な点としこの地域で起きた事故の
殆が車の方に複数人が乗ってた事が挙げられ
ルイジアナ州は長年に渡り車の事故における
乗客の平均人数は約1.4人で安定してたのです

しかしここで大型トラックと車の事故が多く
後の乗車平均乗車数は3人を超え一気に2倍に
達しました
2017年5月のある日リー・マリガン氏という
大型トラック運転手が州間高速道路10号線を
走行時に車線変更する為ウインカーを出して
後方確認しました
でもミラーを確認すると中央車線をまたいで
走行してる日産アルティマが凄く接近してて
マリガン氏はウインカーを消しアルティマを
やり過ごす事にしました
マリガン氏はアルティマが後退したのを見て
再びウインカーを点灯しゆっくり中央車線に
移ろうとしたのです
ところがこのタイミングでミラー確認すると
トラックのすぐ後ろにアルティマがいたから
アルティマの前部がマリガン氏のトラックに
衝突してしまいました
幸いにもアルティマの運転手は車を安定させ
路肩に停車する事ができたのです
アルティマの運転手は49歳の黒人女性である
デメトラヘンダーソン・バークホルター氏で
助手席にはグレゴリーオフレイと言う男性と
後部座席に女性のジャクリーン・トンプソン
という女性が同乗してました

しかし事故後運転手の女性は通行人に化けて
警察に事故を目撃したと通報しました
搭乗者の他2人は重傷負ったと警察に報告し
トラックの運転手のマリガン氏とトラックの
荷台に積んである物の持ち主ウォルマートに
訴訟を起こしました
訴訟でアルテマの搭乗者2人はマリガン氏が
警告もなくいきなり進路に割り込んできたと
主張し通行人に化けた運転手も裏付の証言を
行ったのです
他人から見ると普通の交通事故の様ですけど
マリガン氏はトラックが車線変更を始めた時
アルティマが減速せずむしろ加速し突っ込み
衝突したと感じたとのこと
そこで被告側が雇ったウェインウィンクラー
という元警察官のコンサルタントが調査して
その結果この事故は過去18カ月間同じ場所で
起きた事故と多くの類似点がある事が判明
車線変更中のトラックに後ろから車が接触し
別の車に乗ってた目撃者がいたとか衝突した
車に必ず複数人乗ってた等の類似点がなんと
64件も見つかったそうです
更に調査を進めるとアルティマの真の所有主
トンプソンは親族数十人で暮らす貧乏家族の
ハリス家の1人であってトンプソン以外にも
ハリス家の複数人が大型トラックと衝突して
事故被害者となってる事が判明しました

自動車修理工場のライアンハリスという男は
この道路でトラック衝突事故を起こし訴訟を
行った多くの人々やその家族と連絡を取って
車の壊れ方を見て判断する事故原因を偽装し
運転手から歩行者に化けた黒人女性とグルで
詐欺を行ってました
そして歩行者に化けた黒人女性は詐欺仲間の
コーネリアス・ギャリソン3世という男とも
30回連絡し衝突前後では10回以上も電話して
連絡を取り合ってたのです
このギャリソンは自動車修理工場の男や他の
貧乏家族ハリス一家の人々や他の衝突事故に
関わった人々とも連絡を取ってました
2015年にはギャリソン自身が事故の原告者に
なりすまし2014年には衝突事故の目撃者にも
なってました
調査した弁護士はギャリソンがリーダーだと
つきとめこれら全ての事件の原告を繋ぐハブ
になっていたと記してます
ニューオーリンズの交通事故専門弁護士達も
ランナーというレッカー会社と親密に繋がり
警察無線を傍受したりして交通事故の情報を
素早く仕入れ被害者と接触して法律事務所の
紹介をしてました
その紹介された法律事務所から仲介手数料を
得る事で儲けてるのがランナーです

リーダーのギャリソンは1966年の生まれので
レストランの料理人や観光ホテルの靴磨き等
仕事を経てランナーとして働いてました
ある日ギャリソンはジェフリーデルーセルと
いう男から故意に大型トラックに車をぶつけ
保険金を受け取る詐欺について学びました
当然大型トラックとの衝突事故は重傷や死亡
等の確率が高いですが車が加入してる平均の
保険は負傷者1人当たり約240万円程の補償で
大型トラックは最大約1億6000万円の保証で
この詐欺が成功すればリスクも大きいですが
リターンも大きいという訳です
ニューオーリンズはトラックとの事故を装う
詐欺業者はスラマーと呼ばれており2010年頃
保険金の一部を報酬として得る代わり事故を
起こす車に同乗する地域住民を探す仕事する
人もいました
2015年にギャリソンはデルーセルと手を組み
ジェイソンジャイルズという弁護士と連携し
紹介した原告1人につき約21万円程の報酬を
得ていました
住民約4分の1が貧困層のニューオーリンズは
金の為に命の危険すらいとわない地元住民を
見つけるのは簡単だったのです

The New Yorkerは数時間の仕事で大金が手に
入るという見込みは高速事故に巻き込まれる
車に乗る恐怖を明らかに上回りましたと記し
記事にしてます
ギャリソンは仲介者として優秀なだけでなく
事故を偽装するドライバーとしても凄く高い
技能を持ってました
18輪の大型トラックと衝突する地点をほんの
少しでも間違ったり加速時にほんの僅かでも
アクセル踏みすぎると全員死ぬ可能性もあり
危険でしたけどギャリソンは注意深く標的の
トラックを追跡し事故を起こしたとの事です
数年間でギャリソンは多くの事故を成功させ
奇跡的に重傷を負ったり死亡したりする人は
いませんでした
他にもギャリソンは事故を起こす車の後ろに
付ついて中立的な目撃者とし訴訟の助け役の
スポッターと言う仕事もしてました
更にギャリソンは自分が運転した事故後車を
降りスポッターの車に乗り別の人が事故車を
運転してたという事にした事もあったのです
このシステムでギャリソンが繰り返し事故を
起こしたという記録は残らず長年詐欺を働き
仕事を続けられました
2016年デルーセルが勘違いで殺されてしまい
ギャリソンは法科大学院を卒業したばかりの
若い弁護士ヴァネッサモッタと組みました

モッタはハリウッドのスタントダブルという
経歴を持つ人でニューオーリンズ郊外にある
ケナーという所に法律事務所があったのです
法律事務所の大家のアルフォーティッシュも
元弁護士で資金の横領によって弁護士資格を
剥奪された経歴の持ち主でした
でもモッタがこの法律事務所で働き始めると
14歳上のアルフォーティッシュと恋仲になり
付き合い始めました
以前からギャリソンと手を組んでスラマーを
行ってたアルフォーティッシュはモッタにも
トラック運送会社や保険会社を相手に訴訟を
起こさせる様になりすぐ2人の年収は新米の
弁護士としては破格の数億円に跳ね上がって
大儲けしたのです
ずっとギャリソンやモッタ達の詐欺が解らず
露見しなかった理由とはニューオーリンズの
陪審員達は労働者階級の地元住民に同情的で
顔の見えない大企業に対し厳しい罰金を科し
ひいきしてるとの司法の問題がありました
しかし同じ道路で超頻繁に事故が起こるので
運送会社はここで起きてる巨大詐欺に徐々に
気付き始めました

と言っても訴訟に反論し陪審員裁判になると
更に酷い事になるため和解金を払い決着する
という事が多かったそうです
2018年には流石に運送会社や弁護士も詐欺の
多さで見過ごせなくなり証拠集めを開始して
2019年1月にはその情報がFBIに渡りました
同年10月に別の容疑で地元警察に逮捕された
ギャリソンはFBIとの交渉で捜査に協力する
と言う事を約束し様々な情報提供しました
ギャリソンは事故に関わる貧困層の住民らと
弁護士を繋ぐハブ役を買われFBIに盗聴器を
渡されアルフォーティッシュと会話したりし
その録音を提供する捜査協力も行いました
やがて捜査の手が及んだ事を知ったモッタと
アルフォーティッシュはギャリソンが全ての
罪をかぶるなら約8000万円の報酬を支払うと
持ちかけましたがギャリソンはこれを拒否
2020年9月にギャリソンが起訴され起訴状の
中でアルフォーティッシュは共謀者Aとされ
モッタは弁護士Bと記されました
この訴状でギャリソンがFBIに協力した事は
隠されてましたが文書を詳しく読めば普通に
ギャリソンが協力してた事が解ったとの事
起訴状が公開されてから4日後ギャリソンは
母親のマンションで夕食を取っていたところ
家に来た暗殺者に10発の弾丸を撃ち込まれて
射殺されました

これはアルフォーティッシュがギャリソンと
昔組んでた自動車修理工場のハリスに殺害を
依頼しハリスが自分の母親と恋愛関係にある
レオンパーカーという人に頼み殺害した事が
判明しました
アルフォーティッシュとパーカーはハリスの
自動車工場で面会しギャリソン殺害に対して
報酬を支払う約束をした事も判明しました
2024年12月にアルフォーティッシュとモッタ
詐欺で起訴されアルフォーティッシュは収監
2025年時点で58歳のアルフォーティッシュは
過去に重罪で有罪判決を受けている事に加え
ギャリソン殺害の共謀者としても罪に問われ
今後の人生を刑務所で過ごす可能性が高いと
The New Yorkerは述べてます
2023年にはアルフォーティッシュとの子供を
産んだモッタは長らく保釈されてましたけど
2026年3月の裁判では詐欺や司法妨害や証人
等の脅迫罪で有罪となりすぐ拘留されました
モッタは最長で禁錮20年の刑が下る可能性が
あるとの事です











