5歳の時
幼稚園のお遊戯会で演技する
「北風と太陽」の衣装を
母親達が分担して作る事になった。
俺の母親は
太陽役5人の内3人分作り
何とか仕上げた。
*゚。+(n´v`n)+。゚* ワーィ♪
太陽の衣装のデザインは
同じ太陽役の衣装を作る人と
大体こんな感じと決めたみたいで
設計図に起こしてなかった。
そんな衣装のデザインだから
ほとんど母親の想像で作った
完全オリジナルの物が完成した。
この衣装は
首から下が全身黒タイツで
前後全体を覆うポンチョ型の
赤いマントを着る衣装だった。
そのマントの長さは
太ももまであって腕を動かしずらい。
( ´Д`)=3 フゥ
しかしサイズは
俺の体のサイズピッタリに合わせて
凄く着心地が良かった。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
翌日
早速幼稚園に持って行き
もう1人の衣装を作ってくれた人と
デザイン合わせを行った。
そしてお互いが見せた衣装は
なんと!はっきり違う所があった!
その場所は
赤いマントの長さだった。
( ゚Д゚)エエエエ!
俺の母親の赤いマントは
俺の太もも位まであるのに対し
もう1人の人のマントの長さは
胸位までしかない。
しかし
もう衣装を作り直してる時間もなく
もうこの衣装でやるしかなかった。
幼稚園の先生がこの衣装を見た時
「全然違うじゃない!」
そう言ってビックリしてた!
ギャァァァァァァー!∑(゚Д゚ノ)ノ
こうなった原因は
母親がもう1人の衣装を作る人と
仲があまり良くなくて
細かい打ち合わせをしなかったせい。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
以前俺は
衣装を2人で作る事を母親から聞いて
もう1人の母親の子と
友達になりたいと言った事がある。
前から俺は
何度か会いたいとねだったが
母親が相手と会えないと言い
その訳をポツポツぼやいてた。
母親は
人懐っこいタイプで
誰とでも良く話が出来ていた。
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
しかし
もう1人の衣装担当の人は
凄く人見知りで
あまり会話をしてくれなかった。
そのため母親は
もう片方の人と会う気がしないようで
「あの人とお友達になってないから
一緒に会えないの」と言ってた。
確かに
母親ともう1人の人との会話を聞いた時
何だか相手の母親の元気が全然なかった。
なので俺は
もう1人の衣装担当した母親の子供と
1度も会った事が無かった。
|ω・`)ショボーン
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
幼稚園の先生は
この違う衣装を見て驚いてたが
もうどうにもならないと悟った。
そしてため息をついて
「もうこれで行きましょう!」
という事になり
この衣装で決定してしまった。
でも
俺の母親ともう1人の母親は
衣装が合わせられなかった事に
責任感じたせいかいじけてる。
そんな顔を見た幼稚園の先生は
突然衣装を凄く褒め始めた!
°˖☆◝(⁰▿⁰)◜☆˖°
そうすると
母親2人とも単純だったせいか
かなり照れて上機嫌になってた。
先生も全部丸投げした事もあり
少し責任を感じてたのかもしれない。
ヽ(д`ヽ≡アタフタ≡ノ´д)ノ
しかし俺は
先生の誉め方を聞いて
「大人の付く嘘って気持ち悪いな~」と
なんだか違和感を感じてしまった。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
その後
この太陽役の衣装を着て
数日間予行練習をした。
我々子供達は
この衣装の違いなどどうでも良く
お遊戯会で舞台に立つ事の方が
凄い重要課題だった。
みんなの前で舞台に立つ事は
我々子供達にとって
すごく緊張する場所だった。
そんな中
ふと気になる事があった。
( ´・ω・)オヤ?
予行練習中
風役の子達が勝衣装を着てない。
先生にこの事を聞いてみたら
「まだ完成して無いから
もう少し待ってね」
そう答えてくれた。
そして
風役の子達の衣装が無いまま
お遊戯会当日になった。
(((o(*゚▽゚*)o)))
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
お遊戯会の役持ちの子達は
教室で衣装に着替え
舞台に向かう事になった。
この時
なんと!風役の子達が衣装を着てる!
お遊戯会当日ギリギリに
何とか衣装が間に合ったようだった。
( ´ー`)フゥー...
しかしよく見ると
風役の子達の衣装も2種類ある。
それを見た俺は
「風側の母親も仲悪かったのか」
そう感じてしまい
大人たちの世界を垣間見た気がした。
そしてお遊戯本番
最初風役の子達5人がが舞台に立った。
そうすると
なぜかクスクス笑い声が聞こえた。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
俺は
この笑い声が何なのか知りたくて
観客の大人達を見てみると
ひそひそ話ながらVサインを出してる。
ヒソヒソ(*・艸-)(-艸・*)ヒソヒソ
これを見て俺は
「あの2本の指きっと
衣装が2種類ある事だな」
そう思ってしまった。
そして
風役の演技が終わり
太陽役の我々が舞台に立った。
そうすると
さっきより大きな声で
大人たちが笑い始めてる。
。゚(゚^∀^゚)゚。ブハハハハハハッ!!!!
しかも
指でVサインをして
はっきりと「衣装2種類!」
という声が俺の耳に入った!
俺は
「やっぱり衣装が2種類ある事
面白がってたんだ~」
そう感じて恥ずかしくなってしまった。
ただでさえ
舞台に立つのが恥ずかしいのに
更に衣装の違いで笑われるなんて
もう恥ずかしくて頭真っ白だった。
〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓=〓
どうやら観客の大人たちは
2種類の衣装を見て
母親達の付き合い状況を一瞬で理解し
その事が面白かったのだろう。
「基本の衣装合わせも
出来てないのがすごいな~」
きっとそう思ったに違いない。
(*-艸・*)クスクス
そしてお昼にお遊戯会が終わり
母親達と一緒に
教室でお弁当を食べる事になった。
ヾ(*´∀`*)ノ
この時の母親は
何だか全然元気がなかったが
そんなの関係なく子供達は
お弁当を食べて遊び始めた。
そして最後に
教室の片隅に母親達が集められ
反省会が行われたので俺は
母親に抱っこしてもらった。
そして元気がない母親達に先生が
「この衣装凄く素敵だから
また来年も使わせてくださいね」
そう言ってみんなを誉めていた。
そして先生は
「この衣装が無かったら
こんなに盛り上がらなったのです」
そう言って元気付けていた。