4歳の時。
三郷団地の7-14-603に住んでいた。
三郷団地にも色々な部屋の形があり、この部屋は縦長の部屋だった。
間取りは、1LDK
入口に入ったらスグにキッチンがあった。
その奥にリビング、更にその奥に8畳の畳部屋がある間取り。
この狭い空間に、家族4人で暮らしていた。
4人用の間取りの広い団地もあったのだけど、なかなか抽選で当たらない。
その為、広い4人家族用団地に引っ越せずにいた。
でもこの団地の1階には、スーパーマーケットがあり買い物が便利だった。
名前は「タジマショッピング」
今はもう無くなってしまっている。
当時、買い物と言えば、この「タジマショッピング」に行っていた。
このタジマショッピングでは、たまにモツ焼きを無料で提供していた。
入口に大きな鉄板を設置して、そこで大量のモツを焼きまくる。
その鉄板のモツを、ようじを使ってじかに食べるサービスだった。
それは、大体夕方に行われ、もちろんそこでモツを買う事も出来た。
このモツを焼く匂いは、俺の家の中まで入ってきて凄く食欲を誘う。
当然このモツの匂いがしてきたら、速攻で食べに行っていた。
いつも匂いがしたら急いで行くのに、鉄板の周りには子供達が沢山いる。
どうしてみんな俺より早く来れるのか不思議でならなかった。
別に早く来なくても、モツは沢山あるから全然困らないけど何か悔しい。
そこで、そばに居た小学1年生位のお兄さんに聞いてみる事にした。
そうしたら、このモツの無料サービスの日は、事前に解るらしい。
そのお兄さんは、ある場所を指でさした。
その先にはモツの無料サービスの日が書いてある予定表が張ってある。
それを見て、時間前から待っているとの事だった。
その紙は、大人の目線の位置に張られていて俺は、高くて見えなかった。
しかも見えても、漢字が解らない。
今度母親と買い物に来た時、教えてもらう事にして、まずはモツを食った。
次の日、母親と買い物にタジマショッピングに行く事になった。
俺は、モツ焼きの日が知りたくて先走り、1人で1階に行ってしまった。
そして、タジマショッピングにつくと母親がいない事に気が付いた。
そして俺は、母親とはぐれて迷子になったと思い、泣き出してしまった。
そうしたら、近くの店員のお姉さんが来て話しかけてくれる。
おれは、何とか自分の住んでいる住所を言ってみたら連れってってくれた。
とは言っても、すぐ上の団地だから目の前なのだが。
この団地の部屋番号の所に来たら、母親が丁度部屋から出てきた。
俺は、母親にやっと会えて凄くホッとできた。
そしたらお姉さんに、迷子になったことを報告されて叱られてしまった。
でも叱られた訳は、迷子になったからではなかった。
俺は、タジマショッピングで迷子になる常習犯だったからだ。
その度に毎回家まで連れてこられて、店員の間で有名になってしまった。
この頃の俺は、全然学習できないアホな子供だった。
でも、この後モツ焼の日を教えてもらい、機嫌がなおってしまった。
モツ焼は、午後3から始まる情報を得られ、俺は時間前に待機していた。
そして俺は、ワクワクしながら待っていた。
この時、店員さんに「また迷子?」と話しかけられてしまった。
でも俺は、モツ焼を待っている事を伝えて家に強制連行されないですんだ。
モツ焼きの準備が出来て、モツを焼き始める。
俺は、この瞬間をどれだけ待ちわびたか。
そして焼けたモツを、勢いよく食べ始めた。
口いっぱいにモツを詰め込み、気が狂ったかの様に食べまくった。
ペースは遅いが、モグモグモグモグ気が済むまで食べる。
しばらくすると、おなか一杯になり、ご満悦になった。
そして、そのまま家に帰り夕飯まで寝てしまった。
夕ご飯が出来て、寝ている俺は起こされてしまった。
そのまま夕飯を食べようとしたら、おなか一杯で食欲がない。
夕飯の時は、毎回父親の膝の上で食べさせてもらっていた。
だけど、全然口に入らない。
俺は、モツを食べ過ぎてしまったのだった。
なので俺は、また父親の膝の上で寝てしまった。