2022年4月4日(月)20:00 PLANETS CLUB内イベント 『パラレルキャリア再考論ー生存戦略 on the Run』~僕の存在証明~に、本田秀一さんが登壇されるため、聞き手として参加した。
このイベントは、「クラブ百科事典」と言うオンラインサロンPLANETS CLUBメンバーを紹介するイベントだ。CLUB内イベントで頻繁に顔を合わせる割には、意外と素性をよく知らないメンバーを知る事で、メンバー同士が今まで以上に親近感を湧かせる人気の企画で、平松さんがお世話をして下さり、今回で25回目の開催を迎えた。
私は現在、BBT大学で”貯金や社会的地位がなくても楽しい老後生活を送る研究”を進めており、特に貯金が無い老人が生きていくための働き方に興味がある。若い頃に身につけたスキルが使えなくなる老人の働き方を探している中、PLANETS CLUBの本田さんが副業で働いているとお聞きしたので、管理人の平松さんにお願いをして登壇者として決めて頂いた。
1.本田さんとは
メーカーで総務・人事として働いている傍ら、いくつかの複業をお持ちの30代パラレルワーカーだ。
複業①NPO法人プロボノ(事務局・イベント企画) 複業②:Jikkennjo複業③:ポッドキャスター 複業④:Google Earthで地理教育 複業⑤:人事コンサル(準備中)
好きな物としては、NHKの大河ドラマ・朝ドラ。大相撲(若隆景)ガンダム(Zガンダム)・発酵、を挙げられており、生き方のロールモデルとしてアニメ・漫画の登場人物を設定されており、総務・人事として働く姿は「山口六平太(漫画 山口六平太)」、物事の固定概念を裏返し価値転倒をする姿は「山岡士郎(漫画 美味しんぼ)」、理想の上司像は「後藤隊長(アニメ:機動警察パトレイバー)」、客観的に人を見る姿は「折原臨也(アニメ:デュラララ!!)」と、とても親しみを感じる魅力的な方だ。
2.NPO法人ZESDAとは
「地方が外貨を稼ぐ日本にする!!」と言うテーマの元、グローカルビジネスをプロデュースするパラレルキャリア団体だ。
本田さんがZESDAに入られたきっかけは、大学時代の先輩に「そろそろ(今の仕事以外の)2の矢、3の矢を持ったらどうか」と勧められた事だった。その時にNPOに参加を始める事になった。
ZESDAに入られるまでにいくつかのNPOを体験された上で、最終的にやりたい事があるZESDAで働く事を決められた。
本田さんは主に、本職の総務のスキルを活かし、候補者面談、オンボーディングなどのコミュニティケアをされている他、イベントの企画・告知・進行をされている。
驚いた事に、本田さんはZESDAでは無料で働いている。私は関西人だからか、無給で働くなんて絶対に考えられなくて、フリーランスになって1年以有料で働く事にこだわってきた。そんな私にとって無料で働く事は全く考えてこなかったのでとても興味があり、次の質問を聞いてみた。
3.無料で働く事の意味と価値
有料で働くと、(当たり前だが)働いた成果物に対して報酬がもらえる。振り込まれる金額が高くなるに従って自己肯定感も高くなる。しかし、無料で働くと貸しが発生し、今後のご縁につながる。※計画的偶発性理論が発生する。
※計画的偶発性理論とは、スタンフォード大学の教授であり心理学者でもある、ジョン・D・クランボルツ氏が1999年に発表したキャリアに関する理論です。
クランボルツ氏がビジネスで成功を収めた人を対象に調査を行ったところ、実にその8割が、成功の要因は予期せぬ偶然によるものであったと回答。さらに、彼らが18歳のときに思い描いていた職業に実際に就いて働いている割合は全体の2%に過ぎなかったという結果が出ました。(中略)
計画的偶発理論は将来の目標を持たず、その場その場で対応していくというものではありません。目標を実現するための選択肢を広く持ち、状況に応じてやり方を変えるだけです。そのうえで、新たな可能性を拡大するために自らが計画的偶発性を起こしていこうというのが基本的な考え方になります。
引用元:キャリアカフェ 2021/08/17
実際、今ZESDAで活躍されている60代の方は、昔培ったスキルを使っている人がほとんどいない。むしろ昔からのご縁が今では凄いコネになっていて、今のZESDAや本田さんなどの若い世代の活動にも活きてくるのだ。
1万円で働くと1万円にしかならないが、貸しを作ることは、未来への投機になりえる。そこが無料で働く事の違いだと本田さんに教えてもらった。
長く働こうと思ったら、新しいスキルを身につける出会いの場を見つける嗅覚が必要。その嗅覚を上手く使いこなしている人が楽しそうにしている感覚はある。それはZESDAもPLANETS CLUBやモノノメも同じだと言う。
また、本田さんはつまらない人間にならない世界線に居たいと言う。例えば、Youtuberも、稼ぐ事が目的になればGoogleのアルゴリズムに合わせて好きでも無い事をする事になる。それは心が消耗されてはいないだろうか。その本田さんの問いに対して、私は有料で働いた記憶を思い出し「確かに」と納得した。
今まで、有料で働く事にこだわってきた私は、自分のやれる事の範囲でしか仕事をしていなかった。しかしその働き方が、70-80歳まで働きたいと思う自分の可能性を小さくしている事だと気づくことができた。これからは私の選択肢に「無料で仕事をする」を加えたいと思う。
さらに本田さんには「貸し借り台帳」をつける事を勧めていただいた。これは、貸しすぎ借りすぎを防ぐほか、自分に合っているかどうかを振り返る事にも使えるらしいので、併せてつけていきたいと思う。
スライドの最後のページに、本田さんは大学時代から続く友人との旅先で撮った集合写真を載せていた。集合写真と言っても、旅行先の旅館のような所で皆が畳の上でごろごろしながら、本や漫画を読んでいる写真だ。私は先日のイベントが終わってから何度かその写真のことを思い出している。
私はその写真が”勝手に好きなことをしながら緩く繋がる事が、楽しい何かを産んでくれる事”を教えてくれている気がするのだ。