仮想通貨交換業者の自主規制団体である一般社団法人日本仮想通貨交換業協会(以下、協会)は10月24日に金融庁より資金決済に関する法律87条,88条に基づく認定資金決済事業者協会に正式に認定され、いわゆる”認定自主規制団体”となりました。同日に協会は自主規制ルールを公表しその運用と会員に対する検査や指導を開始するとしました。
協会は「仮想通貨交換業の適切な実施を確保し、その健全な発展及び利用者の利益の保護に資すること(定款)」を目的として今年3月に発足し、仮想通貨交換業登録業者16社を会員として活動を続けていましたが、今回の認定を受けたことにより、自主規制ルール違反が発生した場合、会員各社に対して処分を科すことが可能となります。
自主規制ルールには、「仮想通貨の取り扱いに関する規則」,「マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策に関する規則」など広範におよび、「自主規制規則定義集」も含まれます。
注目されていた証拠金取引のレバレッジは4倍以下、ホットウォレットに保管できる仮想通貨の割合を全体の20%以下に制限することなどの具体的な内容も盛り込まれています。
よく仮想通貨取引と比較される外国為替証拠金取引ですが、こちらは認定自主規制団体として一般社団法人金融先物取引業協会(金先協会)があります。外国為替証拠金取引会社が金先協会に加入したのは金融先物取引法が改正された2005年からですが、このあたりから外国為替証拠金取引はFX取引と呼ばれるようになり、金先協会,FX会社が協力して区分管理信託やレバレッジに関する自主規制ルールをつくりました。その後のFX業界は、リーマンショック(2008年9月)やスイスフラン・ショック(2015年1月)などを乗り越えて、健全に拡大・発展し、今ではわが国の為替取引の半分以上がFX取引となるにいたりました。この結果、東京外国為替市場における流動性は大きく向上しています。
日本発のビジネスモデルであるFX取引は世界のお手本となっています。
世界に先駆けて仮想通貨の法律を制定した日本において、今度は認定自主規制団体が誕生しました。これは日本の仮想通貨市場の健全な発展と拡大に向けての重要な一歩となります。日本の仮想通貨取引もFX取引同様に世界のお手本となることが期待されています。