トークンエコノミーとしての「レターポット」の先進性と課題

こんにちは! ALISアンバサダーをやらせていただいているRickyこと田中陸也(@RuuieTanaka)です。

みなさん、キンコン西野さんの「レターポット」というサービスをご存知ですか?一定数の人が信用することが価値が付く「トークン」で回る経済圏を「トークンエコノミー」だとすると、レターポットは暗号通貨ではないがトークンエコノミーと言えます。

「あえて暗号通貨にはしたくない(by西野さん)」と、独自路線をいくこのトークンエコノミーのカタチに、個人的には一種の先進性を感じています。

トークンエコノミーの理解をより深めたい方は、ぜひ読んでみてください♪


●レターポットとは?

レターポットとは、1文字(=1レター)を5円で購入し、そのレターを使ってメッセージを贈りあうことができる「文字を通貨」にしたサービスで、誰かに感謝したいときや応援をしたいときに、「価値の乗ったメッセージ」として、自分の気持ちを手軽に贈りあうことができるサービスです。

これにより、「メッセージだけじゃ軽い気がするけど、モノやお金を贈るほどでもない」というような、これまで見過ごされていた感謝や応援の気持ちを贈り合う世界観を目指されています。(トークンエコノミーの出発点は世界観という話はこちら

「レター」という通貨をベースにした一種のトークンエコノミーですね。


●トークンエコノミーとしての先進性

レターポットの通貨としての特徴は以下です。

①1レター5円で購入できるが法定通貨に戻すことができない(換金が一方向)②1レター5円という価格は変動しない(価格が固定)


これを見ると、まず投機目的の人がレターを買うことはないですよね(買っても法定通貨としての価値は0なので)。

購入しているのは、純粋にレターポットが目指す世界観に共感した人たち(=サービスの純粋なユーザー)です。彼らが「レター」という通貨の価値を信用して購入しています。

つまり、レターポットのトークンエコノミーは、目指す世界観に共感している人の中だけで「レター」という通貨が「メッセージ(=レター)の贈り合い」という形で流動しているのです。

これが暗号通貨系のトークンエコノミーとの大きな違いです。


更に面白いのは、溜まったレターを利用する出口です。

暗号通貨系のトークンは、出口として取引市場で法定通貨に換金できるという手段が提供されています。しかし前述の通りレターポットにはこれがありません。

レターポットの場合、運営側が準備している出口は「公開ポット」と言われるもので、例えば話題になったハレノヒ事件(成人式の晴れ着ボイコット)のあとの「リベンジ成人式」や、「台湾東部で発生した地震への支援」などの社会課題にレターでメッセージを贈ることで一種の「募金」ができるという出口のみです。


ただ面白いのは、これ以外にレターポットを信用するユーザー自身が様々な出口を作り始めているということです。

例えば、レターポット支払が可能な「美容院」「旅館」「バス」「レストラン」「経理業務の委託」などなど・・・・


このように、投機目的ではない純粋に「レターポット」のトークンエコノミーに共感する人たちが、レターに価値を与え贈りあうことで流動させ更に出口を自ら作り流動性を高めている・・・・

トークンエコノミーの作り方としては、ある意味「先進性」のある面白い事例だなと注目しています!


●トークンエコノミーとしての課題

最後に課題を少し。ここはやはりまだまだ「流動性」の問題が大きいと思います。

現在のレターポットは、西野さんの周りにいる人たちの中では「恩贈り」のトークンとしてどんどん流動しているのですが、例えば僕が普段生活していて「この人に感謝したいな」と思った人はだいたいレターポットを全く知りません。

時折、レターポットを説明して共感してくれた人にレターを贈ることはありますが、毎回説明するハードルは高いですし、その人自身がそれ以降使用しなければ結局その人にとっての価値はありません。

つまり、現在のレターポットは西野さん周辺の一部のコミュニティでは非常に機能しているが、そのコミュニティを超えた流動性の確保が大きな課題だと思います。

ここをこれからどう乗り越えていくのか、大きな期待と注目をしています!

公開日:2018/05/01
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ALISアンバサダー、トライバルメディアハウス所属、専門は「ブランディング」「コミュニティマーケティング」、トークンエコノミーについて書く予定
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