私は現在、フリーランス広報として海外の企業路契約しています。仕事の内容としてはメディアへ送付するプレスリリースの執筆・配布、SNSの更新、コミュニティマネージメント、一部翻訳業務といったところでしょう。
私は恐らく、他の広報さんとは異なり、国内での広報業務経験ゼロの状態からフリーランスになりました。その経緯は以前、こちらの「現役広報によるセルフインタビュー」という記事で紹介しています。
本稿では現役フリーランス広報による、この仕事の良いところ、悪いところというテーマで紹介していきます。また、本稿で紹介する内容は他の広報の方とは事情が異なる場合もあるかと思います。その点ご理解のうえ読んでもらえれば幸いです。
・時間に縛られない
⇨これは本当に重要です。そもそも、時差があるためリアルタイムでクライアントと共同で作業することはほとんどありません。しかし、それは私がめちゃくめちゃ気を利かせて、クライアントから要求をもらう前に必要な業務、必要な資料をすでに作っているから、というのも関係します。
・場所に縛られない
⇨PCさえあれば、山でも川でも旅館でも仕事ができます。そのため、昨今の状況が落ち着き外出が気軽にできるようになれば、離れた友人たちの元へ遊びにいきつつ、合間にぽちぽちと仕事ができそうです
・時間給ではない
⇨日本ではほとんどの場合、勤務時間が定められています。しかし、フリーランスであり、海外のクライアントということもあってか、私には定められた勤務時間・フレックスタイムのようなものはありません。しかし、成果が出なければ即クビになることも考えられるので、品質の低い仕事をすれば明日はありません。
・人間関係がフランク
⇨日本はものすごくカッチリしていると感じます。それは規律を守るという点では良いのですが、風通しの悪さや上下関係の相談しにくさなどが発生しやすいと言えます。特に英語が話せない私にとっては聞きたいことを箇条書きにして、ステップバイステップで教えてくれ!みたいなメールを最初は送りまくってました。日本だと、怒られると思います。
・日本人気質のウケがいい
⇨これはクライアントやあなたの性格によるかもしれません。しかし、海外のビジネスマンはなんというかテキトーな場合が多いです。それで上手くいっていることが多いので、リスク管理が甘い印象です。というのも、欧米の人々は日本人よりも大らかな人が多いという印象もあって、ミスや失敗に対して寛容というか、ミスをした相手を許すことを広く教育されているのだと感じます。日本人はミスをした時に、会社もお客さんも許してくれないので、ボッコボコですよね。その代わり、仕事に対する責任感がめちゃあることも事実。そうした真面目さをクライアントが信頼してくれていると思っています。
・仕事がテキトー
⇨これはクライアントや業界によって事情は変わるでしょうが、国内のクライアント比較すると結構雑な仕事をしがちです。それは製品が雑になるという意味ではなく、業務の回し方やスケジュール管理、リスク管理など結構行き当たりばったりです。そのため、日本の職場の習慣のまま構えていると資料作成に必要な情報の詳細が期限ギリギリにならないと上がってこないということがあります。日本だと、期限の数日前に完了しておくことが望ましいでしょう。その感覚がバグります。
・突然仕事が増える
⇨今のクライアントはあまりないのですが、他のクライアントは一個仕事を引き受けると「これもできる?」と言った具合に聞いてきます。日本のフリーランスの場合、改めて見積もりをしますというのが当たり前だと思います。しかし、私はそういった面倒なやり取りが仕事獲得に邪魔だと感じていたこともあり、提供するサービスの大枠を相手に示して、毎月定額報酬とし、更新しています。制作する資料やデザイン、翻訳のたびに細かい計算をしていると英語が話せない私は海外では出遅れると感じたこともあるからです。こうした契約内容だと、突然仕事が増えることがありました。
・送付期限が過ぎた資料の制作を頼まれる
⇨これは特別な例です。しかし、クライアントによっては本当にスケジュールの概念が吹っ飛んでいます。日本のゲームプラットフォーマー向けに送付しなければならない、審査書類の作成を期限が2日切れた状態で依頼されたこともあります。そのクライアントはその後も同様の依頼を数回繰り返したため、体制見直しを提言したものの、改善されなかったので、契約をこちらから終了しました(あれは仕事じゃねえ)。
私の場合、海外向けのフリーランス広報というのは楽に働くことができています。良い点と悪い点両方挙げましたが、総合的には良いと感じています。日本の企業や組織で働いていた時は悩みまくっていましたが、今ではそういう機会は激減しました。
ということで今回は現役フリーランス広報が語るこの仕事の良いところ、悪いところでした。