皆様はじめまして。小規模事業者さんたちの「財務のおじさん」をしているTakahiro Nittaと申します。これから(お手柔らかに)どうぞよろしくお願い致します。
「財務のおじさん」と言うと、なんだか難しそうなことをしている人なのではないかという声をチラホラいただきますが、
■資金繰り(キャッシュフロー)を考える。
■どういったことに・どのタイミングで・どのくらいの金額を投資するかを考える。
みたいなことを黙々と行っている感じで、実際あまり大層な人間ではありません。
まぁ、差し当たり、「経営や事業についてのお金のあれこれを日々考えているんだな」程度に想像していただければ十分に存じます。
そんな感じで 一 応 「お金」について平均より少し上くらいのレベル感で知識や知恵のある僕なのですが、だからといって仮想通貨やブロックチェーンに関して詳しいかと言われると、そんなことは全くありません。
ですので、こちら(ALIS)では(少なくとも他のカテゴリが解禁されるまでは)、僕自身が小規模事業者目線で仮想通貨やブロックチェーンに関して学んだことや、感じたことなどを、ゆるゆるとアップしていければと考えております。
さて、前置きが超~長くなりましたが、ここから第1回目の投稿です!―ということで、何を書こうかな~と小一時間考えてみたんですね。
…結論、特に熱く語れるネタがありませんでした!(おい!)
で、無理やりひねり出したのが、「今この瞬間に、小規模事業者として、仮想通貨って”現実に日々の決済で使える”ものなんだろうか?」というテーマなんですね。
うーん、そんなこと読みたい人おるかなぁ…?というのが正直なところ…ええ、分かってます、分かってますとも…。
まぁでも、ウンウン唸ってても他のテーマが出てこないことに変わりないので、僕個人の感覚値の話しかできず申し訳ないですが、このテーマで1つ書いてみようと思います。
まず、小規模事業者にとって資金繰りというのは、結構繊細というか、緻密なものなんですよね。それほど潤沢なキャッシュ(=手元現預金)を持ち合わせている訳ではない場合が大半なので、少しでも油断すると資金がショートしたり―といったことが往々にして起こりえます。
黒字倒産とかって都市伝説ではないですし、ひいては決して「黒字だから安泰」という訳ではないのでございます。
(資金繰りや黒字倒産の原因などなど、技術的なお話はまたの機会とさせていただきます。話せば長くなります故…)
そういった前提条件を頭に入れた上で(長くなってきたのでここからは箇条書きにしてしまいますが…)、
■現状、従業員や国内取引先との決済通貨が日本円である
・基本的に、従業員への給与は日本円で支払う必要があります(労働法でそのように定められている故)。
・また、国内取引先(仕入先や外注先など)から来る請求も、99%以上(ほぼ100%と言って良いと思います…)が日本円でなされます。
■販売対価(=売上)の受取を仮想通貨で行っても、結局必ず日本円に替えなければならない
・仮に商品やサービスを販売した際に、仮想通貨で代金を受け取るとします。
・しかし、従業員の給与や取引先への代金の支払は、上記のとおり日本円です。そのため、獲得した仮想通貨を日本円に替えなければ、従業員や取引先への支払いができません。
■いつ日本円に替えるのか?という問題を考え出すと、管理コストが跳ね上がってしまう
・仮想通貨を日本円に替える段階で、為替レートの問題が出てきます。
・上記のとおり、小規模事業者は資金が潤沢にある訳ではない(また、営業利益率や経常利益率が30%も50%もある訳ではない)ので、「顧客から仮想通貨で受け取った対価の価値(対日本円価格)が、受領から1時間で10%下がった」などといったことが起こると、血の気が引く思いをすることになります。
・また、このあたりの為替レートをきっちりと計算しだすと、そのための管理コスト(余剰資金の常時保有コスト含む)も大きく必要となる訳です。
―といったことを考えますと、現実的には国内での事業展開がメインの小規模事業者が、今この瞬間に仮想通貨決済の比率を一気に高めるというのはなかなか難しいのかなぁ…という感覚が率直なところとなります。
逆に、海外の取引先等との決済がメインの事業者であれば、利用するメリットが高まるのかもしれません。…が、この場合もまた、「その(海外)取引先の決済事情」が絡みますので、そのあたり実際どうなんでしょうね…といった感じでしょうか。
小規模事業者(の多く)が本格的に仮想通貨決済に取り組むようになるには、当面は「対法定通貨の為替レート安定化」が1つの鍵となりそうな気がします。
またその先には、「法定通貨に囚われない形での市場での利用(決済)」が実現されていくかどうかがポイントになると、想像しております。