アズールレーン(以下アズレン)とは中国のYongshi社、manjuu社が開発、日本ではyostar社が運営している横スクロールシューティングです
主に第二次世界大戦で活躍した艦艇を美少女に擬人化したユニットを育成して戦っていきます
似たようなコンセプトでは先に出た艦これが有名ですね
アズレンの特徴として艦艇を擬人化したキャラデザインばかりが話題になっているのですが
メインとなるシューティング(以下STG)部分が実はかなり良くできていると思います
シューティングとして特筆すべきオリジナリティというのはそこまでないのですが、過去にリリースされた日本のSTGで採用されたアイデアをうまく拾っているようにも見えますのでレトロSTG大好きおじさん歓喜です
実は運営会社のyostarのインタビューは過去に何度かメディアで取り上げられていますが
あまりSTG部分については深く語られていないので
個人的に気になった部分を解説していきます
プレイヤーが操作するのは擬人化されているとはいえ艦艇です
艦艇なので、戦闘機や人間などとは違い、重武装でサイズ大きめです
そして昨今の弾幕ゲーの主流からは外れて、当たり判定も見た目どおりの大きさにとっていると思われます(通常の弾幕ゲーは自機の中心くらいにしかアタリがない)
さらにスクロールが強制ではありますが、強制のなかでもある程度ユーザーの任意で前後に動かせる余裕があります
上記のスクロールの余裕をもたせることで、『不利な場合はスクロールを後退させてうまく距離を取ってかわす』『敵の攻撃が止んだすきにスクロールを早めて突撃する』といった戦略性を生み出しています
参考動画:アズレンの戦闘画面
過去に自機が艦艇であるSTGといえばHAL研究所の『ガルフォース』やSNKの『バミューダトライアングル』などがあげられますが、その当時はハードの性能も限られていたため『スプライトが大きくなりすぎる、容量食いすぎる』などの問題もあり
あまり主流ではなかったようです
アズレンでは1章につき4ステージの海域からなる広域マップから、各海域にに突入すると、マス目に区切られたマップに変化します
ここでは自軍のユニットを動かして敵の艦隊のユニットに重ねることでSTGパートに入ります
参考動画:戦闘までのながれ
あまり本格的なSLG要素はないですが、敵ユニットの外観からある程度の種類は分かるので、苦手な艦隊は避けるなどの戦略をゆだねられます
またあまり長い距離を移動すると敵から奇襲を受けるなどのデメリットもあります
過去げーでも戦略パートとアクションが切り替わるゲームはいくつかありましたが
やはりアイデアどまりで、あまり主流にはなっていません
ジャンルは異なると思いますが、この流れはバンダイのSDガンダムシリーズに似ていると思いました
参考動画 SDガンダムジーネクスト
STGパートでは半強制横スクロールで進んでいきますが
自機から発射される弾の照準はオートです
これは『左手の親指だけで艦隊を動かし射撃はお任せ』というスマホに特化したシステムであると思いますが
『狙って撃つ』のが楽しいSTGでは大胆な採用だと思います
過去には『テグザー』ゲームでオートエイミングが採用されていますが
STGとしてはあまりに便利すぎるので、当時はあまり主流とはなりえないシステムでしたが、アズレンがうまいこと受け継いでいるのではとおもいます
参考動画 テグザー
プレイヤーが直接動かせる自機は主に前衛の三隻ですが
実際には先頭となる一隻が動いた後に残りの二隻が追随していく形になっています
これはグラディウスの『オプション』というシステムにも似ていますが
アズレンでは先頭以外の艦艇にも当たり判定があります
ドラクエのように仲間を連れだって戦う『パーティ制STG』とでも言いましょうか?
少し近いシステムでいうとセガの『スタージャッカー』になりますかね
また『キングスナイト』というSTGのラスト面も四人の仲間が終結して
パーティを組んで戦います
これも、当時としては斬新なアイデアでしたが、当たり判定の大きさが爽快感をそぐこととなり、うまく消化で来ていなかったと思います
アズレンでは、耐久度を採用しておりうまくバランスが成り立っています
参考動画 スタージャッカー
アズレンではプレイヤーの敗北条件として『後衛の旗艦が戦闘不能となる』というルールが設定されています
このルールにより、前衛が攻撃を避けるだけでは後衛にダメージが蓄積され
そのうち戦闘不能となるため、時には率先して危険な敵をつぶしに行ったり
対空攻撃を行ったり
自爆ボートを体を張って止めに行くといった判断も迫られ
非常に緊張感のあるものとなっています
自陣の守りを重視したゲーム性はタワーディフェンスゲームにも似ていると思います
ざっくりな解説でしたが、いかがでしたか?
当たり判定が大きい、照準も射撃も自動、動きに慣性がついて鈍い、など純粋なSTGとしてみると、過去の前例に当てはめると『ク〇ゲー』の烙印を押されそな要素てんこ盛りのアズレンですが、やってみるとすべての要素が調和していて納得のいくバランスに仕上がっています
STG部分に関しては開発者の思想などは詳しく聞けてないのは残念ですが
2DSTGを知り尽くしたメンバーが関わっているのではないかと想像できます
次回はグラフィック部分についても解説したいと思います