*以下は、The DailyChain・Alex Libertasによるインタビュー記事の翻訳記事です。
The DailyChainは、2019年初頭にもTomoChain CEO・Long Vuong(以下「ロンさん」)に2019年の課題と目標についてインタビューをし、業界内でのロンさんのバックグラウンドを経験について掘り下げました。
2019年初頭のインタビューでは、ロンさんは、TomoChainの主要プロダクトの開発と会社拡大について、楽観的な姿勢をみせていました。
それ以降、TomoChainは、TomoZ、TomoIssuerといったプロダクトをリリースし、コンセンサスシンガポールでスピーカーを務め、さらにはBinanceに上場しました。
以下ではこれらについて、ロンさんにインタビューしていきます。
Alex:
まず、Binance上場に関して、ロンさん、チーム、コミュニティにお祝いの言葉を贈らせてください。Binanceに上場することは、この分野における認知・リスペクトの点でプロジェクトが受けられる最高の称賛の1つだと考えています。Binanceへの上場は、あなたとTomochainチームにとってどのような意味を持ちますか?
Long:
ありがとう。Binance上場は、チーム・コミュニティ双方にとって非常に刺激的なニュースです。これは、開発当初からチームがTomoChainに費やしてきた労力をねぎらうものです。
まず、コミュニティ投票プログラムを通じてBinance上場をサポートしてくれたTOMOサポーターに感謝の意を示したいと思います。
Binanceへの上場は、トレーダーにより多くの選択肢を開き、TomoChainの認知を向上させ、他のブロックチェーンプロジェクトとの将来の潜在的なパートナーシップ・コラボレーションの機会を与えてくれるでしょう。
Alex:
数週間前にTomoZがローンチされ、ユーザーはTOMOではなく、送信したいトークンによりトランザクションフィーを支払うことができるようになりました。ロンさんは、マスアダプションには、「ユーザビリティ」が不可欠であるとおっしゃっていました。TomoZのローンチと、ブロックチェーン技術のマスアダプションのためになぜ優れたユーザーエクスペリエンスが不可欠であるかについて、あなたの見解を教えていただけますか?
Long:
私たちのチームは、高度なユーザーエクスペリエンスの実現可能性を秘めたTomoZを非常に誇りに思っています。
ブロックチェーン技術はまだ非常に新しいトピックであるため、90年代におけるインターネットのように、このテクノロジーについて世界を教育する時間が必要です。
そのため、学習曲線が簡単であればあるほど、適応は速くなります。ユーザーは、何か新しい技術を利用するときには、スムーズで簡単なユーザーインターフェースを望みがちです。
TomoZを使用することで、トランザクションフィーの支払いのためにネイティブトークンを保持する必要がなくなり、トークンの利用の際に生じる複雑なプロセスがすべて排除されるため、ユーザーエクスペリエンスはより向上します。これにより、ブロックチェーン技術という新しいテクノロジーの利用へのユーザーの恐怖を取り除くことができます。
Alex:
プログラミングの知識がないユーザーでも独自のTRC21トークンを作成できる「TomoIssuer」がリリースされましたが、個人・企業のこのプロダクトへの関心の程度について教えて下さい。
Long:
TomoZとそのテストネットのアイデアを初めて発表したとき、多くの肯定的なフィードバックと有益な提案を受け取ることができました。その後、開発を続け、8月20日にメインネットをリリースしました。これまで、合計74個のトークンが発行されており、その多くはCoin68、TomoCashなどといったコミュニティベースのトークンです。
TomoChainとパートナーは、TomoUSDのローンチを計画しています。これは、メインストリームによるブロックチェーンの採用において非常に重要なプロジェクトになると考えています。ちょうどPaypalを使用するときのイメージです。現在最大のステーブルコインであるテザーと比較すると、テザーの利用ケースはほとんどが取引所における取引のための使用ですが、テザーを送金するには取引手数料としてBTC又はETHを所有する必要があります。そのため、通常のユーザーは送金にテザーを使用したがりません。
これに対し、TomoUSDでは、取引手数料は1セントの1/10の価格しかかからず、ユーザビリティが非常に高いです。TomoUSDは、送金や現地での支払いなどの大規模なユースケースに浸透した最初のステーブルコインになる可能性があると考えています。
Alex:
ホーチミン市で開催されたステーキングイベントに関する最近の記事によると、TomoChainは現在、ベトナムのトップパブリックブロックチェーンです。ベトナムは現在、東南アジア最大の暗号通貨市場であることからすれば、この地域におけるイノベーションとマスアダプション促進について、責任・義務を感じていますか?
Long:
グローバルにプロダクトを開発・展開させていっている点は誇りに思っていますが、私たちのルーツはあくまでベトナムです。ベトナムと東南アジアは一般には技術大国として認識されていないため、その点がネックとなることもあります。しかし、ブロックチェーン業界の認識を変えることができるかもしれません。TomoChainだけでなく、CoinGecko、Kyber Network、EtherScanなどのような特定の地域で強い存在感を持つ他の著名なチームも、世界クラスの製品を構築できることを証明しています。また、私たちは引き続き地域のブロックチェーン技術のリーダーの1つであり、ブロックチェーンという新たな業界の構築に貢献します。
Alex:
前回のインタビュー以来、最初のTomochainロードマップにはいくつかの変更がありました。この変更が必要となった理由を教えて下さい。
Long:
2019年1月以降、報告されているロードマップを変更しました。四半期ごとのロードマップではなく、年ごとの目標と月ごとの製品開発アップデートがあります。リアルタイムの更新はGithubで追跡できます。
TomoChainの競争力を維持するには、環境に適応するための変更が必要であり、これは避けられないものです。たとえば、今年初めに、シャーディングに関する研究開発に優先順位を付けないことを決定し、シャーディングの潜在的な問題点に関するブログ記事を投稿しました。
シャーディング技術がスマートコントラクトの構成可能性を破壊し、エンドユーザーに摩擦を生じさせるという私たちの懸念はすべて現実になってきました。
シャーディング技術の代わりに、TomoX(分散型交換プロトコル)とプライバシーに重点を置くように切り替えました。これは、ゼロ知識証明技術に基づいています。ブロックチェーン業界はまだ新しいものです。最も価値のあるプロジェクトは研究に重点を置く傾向がありますが、TomoChainにはその傾向があります。
Alex:
TomoChainは続々と有望なパートナーリストを更新していますが、今後数年間については、このパートナーとのエコシステムはどのように見ていますか?
Long:
最終的には、成功するパブリックブロックチェーンエコシステムは多数あると思います。これらは、ブロックタイム、コンセンサス、Dappの構築のしやすさ、スマートコントラクトなどの面でそれぞれのチェーンを区別する機能をレイヤー1で提供します。もしくは、各チェーンは、地域、市場展開、ユーザーターゲットなどのエコシステム面で区別されます。
TomoChain、東南アジア地域を中心とした、高速トランザクションと分散型ガバナンスを特徴として持つパブリックブロックチェーンです。私たちのチームはスマートコントラクトの作成にも非常に優れており、他のプロジェクトがTomoChain上でdappを作成するのをサポートできます。
TomoChain上に構築したい、またはTomoChainと統合してクライアントにサービスを提供したいと考えるパートナーと引き続き協力していきます。TomoChainエコシステムは、業界で独立した分散型ネットワークとして成功するために多くの価値を提供すると信じています。
Alex:
最後に、ブロックチェーン業界の位置付けについてのあなたの見解は変わりましたか?前回のインタビューでは、2019年は弱気相場が長期化することを予測しており、ブロックチェーン業界の出発点に過ぎないと予測していました。近時、資金繰りと評価に苦しむプロジェクトを多く見ています。本業界についてのあなたの意見を教えてください。
Long:
ブロックチェーン業界はまだ非常に初期の段階にあると思いますが、既存金融システムを代替するシステムと分散型ウェブを構築するというビジョンは実行可能なものだと思います。ビットコインは、デジタルゴールドおよびSoV(価値の保存)として先導しています。その後、イーサリアムはスマートコントラクトプラットフォームの面で主導的立場にあり、イーサリアムのDefiが牽引力を獲得しています。
しかし、まだ埋めるべき多くのギャップがあります。この点については、私たちは300年以上のインフラ構築の歴史において伝統的な財政から学ぶべきです。構築と改善を続ければ、暗号通貨による金融は市場シェアを拡大し続けるでしょう。
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