テクノロジー

車にウーファーを載せよう【設計編】

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  • 2020/03/02 13:44

カーオーディオのお話です。

ウーファーを載せる動機

ウーファーとは低音を出すためのスピーカーです。純正オプションで選択できる車種もありますが、ほぼ設定されている車はありません。

じゃあなんで載せるのか。完全に主観の偏見でお送り致します。

 

1.音質向上

音質向上の第一歩はウーファー!車でも音楽を楽しみたいならウーファーを導入するだけでかなり変わります。深みのある低音でワンランク上の音質に。

 

2.見た目がかっこいい

とにかくかっこいい。大型のウーファーがトランクルームにあるだけで「やってる感」が出ます。カスタムカーというならオーディオも外せないメニューでしょう。

 

3.ヘアトリックをやりたい

まあ滅多にいないでしょうねこれは。ヘアトリックとはウーファーの排気によって髪の毛まで震わせるパフォーマンスのことです。動画を見たほうが早い。

日本でこれができる車両はほんの数台だけです。何だか知らないけどロシアとアラブにはいっぱいいる。これができれば美女を隣に乗せることができるかも!(なお十中八九嫌われる)

 

僕の場合は1と2が動機です。ヘアトリックをやろうと思ったらお金が足らない。

 

そんなわけで車に載せるんですが、スピーカーだけあってもダメなんです。

ウーファーの出力に合わせたアンプと、もう一つ

 

エンクロージャー(箱)です。

エンクロージャーが何たるかは各自調べていただくとして...

これの設計次第で音の鳴り方が大きく変わります。

今回はバスレフ型のエンクロージャーで設計しました。

 

設計に必要な情報

1.最低共振周波数(Hz)

2.メーカー推奨の空気室の容量(リットル)

3.有効振動板面積(cm^2)

バスレフ型のエンクロージャーを設計する上で重要な項目に、2の「空気室の容量」と1と3から導かれる「ダクトのヘルムホルツ共振周波数」があります。

1は大抵、スピーカーのメーカーHPに掲載されています。ヘルムホルツ共振周波数の目標値にします。

2はメーカーによりまちまちです。搭載できるスペースと相談しながらなるべく推奨値に近づけましょう。

3は有効振動版面積に対してバスレフダクトの断面積の割合を決めるのに使います。ダクトの長さと合わせてヘルムホルツ共振周波数に大きく影響します。

これらに今回の条件をあてはめます。ウーファーはKicker L7 SoloBaric 12”です。

1.最低共振周波数=34Hz

2.メーカー推奨の空気室の容量=50~92L

3.有効振動板面積=約556cm^2(たぶん)

3の値からダクトの断面積を決めます。何%にするかで鳴り方が大きく変わります。

今回は低音を求めて40%で設計します。

このあたりの話はこちらのページに詳述されています。(もはや物理の話みたい)

 

また、空気室の容量はトランクルームの制約があるため、搭載可能な最大サイズを考えると62Lに落ち着きました。

ここまでの条件をまとめます。

目標ヘルムホルツ共振周波数=34Hz

空気室の容量=62L

バスレフダクト断面積=222.6cm^2

※ちなみに今は設計が仕上がっている状態で書いているのでサクサクですが、実際はそうは進みません。3DCADが使えるととっても便利です。

これらの条件をこちらのページに入力してダクト長を決めていきます。

便利な時代ですね。全部ネットに書いてある。

空気室の寸法は容量が同じであればなんでもいいので単純に立方根で。

ダクト長さは初回の計算時は適当な数字を入れて計算します。

今回は角形ダクトなので幅と高さを入力します。

計算ボタンを押すと各数値が表示されます。

下から二番目の共振周波数が目標の34Hzになるように図面の寸法とにらめっこしながら調整を重ねます。そして

Content image

 

このようになりました。

共振周波数は約31Hzです。

しかしこの数値、ここまで計算で求めてきましたが、実際にエンクロージャーを製作して計測するまでは、ダクト内の空気の流速等の影響で、実際の周波数はわからないのです。

なので参考値でしかありません。

理論上は正確に作ることができればこの通りになるはずですが。。。

Content image

といった感じで設計した箱の中身がこちらです。

3月中にささっと作ってしまうつもりなので、また製作編を書く予定です。

 

次回

未定。ネタはある。

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