懐・古・趣・味　第13回　「e-one」

Rocuyon
2022/06/17 11:30

皆さんこんにちは。64です。

今回の懐・古・趣・味は伝説のパソコン「e-one」についてです。

・某企業のパソコンに似てる...

1999年にソーテックという日本のパソコンメーカーからとあるパソコンが販売されました。それが今回紹介する「e-one」です。

このパソコン、あの有名な「imac」に似ていることで当時話題になりました。

Content image — 「e-one(SOTEC)」(左)「iMac(Apple)」(右)

似てますね(笑)

ちなみに当時のPCWatchの記事にはこう書かれていました。

7月20日、ソーテックから一体型PC「e-one」が発売された。そのデザインを、撮り下ろした写真を使って紹介する。なお、本当にiMacと似ているのか、実際にiMacと比べた写真もあるので参照して欲しい。iMacはボンダイブルーの初代iMacを使用した。

もう似ているって言っちゃってますね(笑)

ちなみに当時のCMにはラルクアンシエルが出ています。

・似たデザインにした結果...

では発売当時のソーテックの代表取締役のコメントを見てみましょう。

大辺代表取締役は、「今後もSOTECは、世界をワクワクさせるようなコンピュータを作りたい」と語った。質疑応答では、（Future Powerのように）iMacのデザインを盗用したとして提訴される心配はないのかという質問がされたが、同社では顧問弁護士と相談した結果、意匠登録、特許ともに問題はないとしている。また、オリジナルデザインにしたらもっと良い物ができたのではないかという質問に対しては、「デザインは全くのオリジナル。至る所に新しい機軸を取り入れている」と、このデザインはあくまでもオリジナルだという事を主張した。今後の方向性としては、カラーバリエーションは考えず、トランスルーセントではないバージョンやPentium IIIなどを搭載した高速化を考えているという。
　発表会にゲストとして招かれていたインテル株式会社の傳田代表取締役社長は、「今までパソコンはデザインが良くなかった。このe-oneでリンゴのマークの人たちがこちらに来てくれる事を期待している」と語り、会場の笑いを誘った。

インテルの社長まで来て華やかな発表会だったんでしょうね...

その後事件は起きます。

・アップルに訴えられる

　米Apple Computer,Inc.などが「iMac」のデザインを盗用したとして不正競争防止法違反を理由にソーテックを訴えていた件で，事件は目まぐるしく展開している。まず1999年9月20日に，東京地方裁判所(東京地裁)がソーテックの一体型パソコン「e-one 433」とiMacは類似しており，混同のおそれがあるとして，e-oneの製造，販売などを禁止する仮処分を1999年9月20日に下した。

見事に訴えられました(笑)

この件によって「e-one」は販売差止処分を受けました。

・特徴をなくして仮処分回避

株式会社ソーテックは、CRT一体型Windows機「e-one」の新モデル「e-one 500」を発表した。従来モデル「e-one 433」は、9月20日に東京地方裁判所が「iMac」の工業デザインを模倣したとして、製造および販売を禁止する仮処分を決定している。

　まず一番大きく変わったのは本体色だ。トランスルーセントのブルーとホワイトのツートンカラーから、ソリッドカラーのやや青みがかかった銀色「ミレニアムブルー」単色となった。しかし、本体デザインは従来モデルから変更されていない。

　スペックはCeleron 433MHzから500MHzに、HDDが8.4GBから13GBに強化。OSがWindows 98 Second Editionにアップグレードされたのみで、そのほかの仕様は従来通り。直販価格は据え置かれ、メモリ64MBモデル「e-one 500」が128,000円、メモリ128MBモデル「e-one 500A」が143,000円となっている。また、今回から「Office 2000 Personal」プリインストールモデル「e-one 500B」が直販価格163,000円で用意された。

最大の特徴であったブルーを捨てて銀色にすることにより、仮処分を回避したみたいです。また当時のソーテックは品質に問題があったということでクレームが殺到し、業績が急降下したためキョウデンという企業と資本・業務提携しました。

安さを売りにしていたソーテックがデザイン性で勝負をしたモデルだったのですが、残念なことに最大の特徴をなくして販売することになった残念なパソコンでした...