皆さん、こんにちは、64です。
今回の懐・古・趣・味は「IEEE 1394」です。
「FireWire」や「i.LINK(アイリンク)」などの名称が有名な規格です。
IEEE 1394は、SCSIの後継を意識しつつ、ホットスワップにも対応したシリアル汎用バスとして設計され、ビデオ・オーディオ分野やコンシューマ向けストレージの接続用として普及したほか、ビークルバスのIDB-1394は本規格を拡張したものである。同時に64台の機器を同一ネットワーク上に接続でき、初期は100 Mbps、200 Mbps、400 Mbps、後に800 Mbpsという通信速度で策定・普及した。最終的には3200 Mbpsに拡張されたが、この速度での使用例はごく少ない。
この技術を1986年に開発したというのがすごいですね!
この名前を見て思ったことが、コードネームみたいな名前だなと思ったんですが、
この「IEEE」というのは、「Institute of Electrical and Electronics Engineers」は、アメリカ合衆国に本部を置く電気・情報工学分野の学術研究団体(学会)、技術標準化機関だそうです。
当時のUSBはUSB2.0が最先端で、そのUSB2.0の最大データ転送速度が480Mbpsでしたが、上に書いてある通りIEEE1394は、800Mbpsで転送出来ました。
しかし、シェア率が高かったのは、USBの方でした。
なぜなら特許の問題があったから。
IEEE 1394は複数の企業にまたがる複数の特許技術が採用されており、当初、その利用には個別にライセンスを受ける必要があった。一方で類似規格であるUSBでは、デバイスの製造には製造者の申請こそ必要なものの、特許使用料自体は無料であった。この事により多くの中小企業が参入の難しいIEEE 1394ではなくUSBを選んだと言われており、USBを用いた玩具など幅広い製品が発売された。
このIEEE 1394に関する複雑な特許問題は、早くから特許を保有する企業群の間でも問題視されており、1999年5月には共同ライセンスプログラムを発表し、1デバイスあたり1ライセンスで25セントの特許料支払いで解決できるようになった。 ただ、1デバイス1ライセンスであるため、1企業1ライセンスと単純なUSBほどの広がりは見せていない。
つまり
・特許権者が多すぎて、それぞれから許可が必要。
・しかしUSBは特許使用料が無料
・その結果、中小企業を中心にUSBへの参入が増える。
・ライセンスの問題を解決したけど、USBの方が単純なのでやっぱりUSB
という事態になったのです。
特許の問題により、インテルのやる気が無くなり(IEEE1394のチップセットの統合に消極的になり)、Thunderboltという技術の方にアップルも移動したため、この技術は、あまり見かけなくなりました。また、自慢のデータ転送速度もUSB2.0の後継のUSB3.0に負けてしまい、IEEE1394を搭載しないパソコンが増え、衰退していきました。
「特許の問題は早めに解決しておこう。」
最近の話題でいうと、任天堂が「ニンテンドーDS」のタッチパネルの技術を無料で公開し、それによって、多くの企業がDS用のゲームソフトを開発したと言われていますね。(某企業とトラブルになっていますが)
また自動車会社大手のトヨタ自動車も水素自動車に関する技術の特許を公開し、水素自動車の普及を目指しています。
このように「特許」というのは使い方次第で、大きな武器となり、大きな壁となることもあるのです。
もし特許をとったら、その技術をどのように扱っていくか考えておくべきですね。