わしじゃ。
先月、娘とポケットモンスタースカーレットを始めてな。
娘はもうやっとらん。
助けてくれ。
わしだけドハマリしてしまった。
最近のポケモンはなんかデカくなったり、ガラス細工になったりでようわからん!メガ進化こそ至高!とBWの知識で止まっているわしはしっかり老害と化していた…。
しかしゲームをプレイしてみたらもう感動!
ポケモンがフィールドで生きている!
群れを作って生活しておる!
なんだこれ!すげぇ!
草むらに虫ポケモン!水辺には水ポケモンが!砂場を歩けばウミディグダが生えてきて海原を見渡せば遠くにギャラドスが泳いでいたりする!
これがオープンワールドってやつなのか!
感動した。感動したわしは、フィールドの中をのびのびと動く始めて目にするポケモン達に興奮し片っ端から突撃してボールを投げ、なんかイイ感じの間隔で落ちているモンスターボール(アイテム)を拾いに無限ヘンゼルとグレーテルだった。
止め時がわからん、次から次へと好奇心を刺激される。なんだこれは!?あの洞窟の中は?あの丘の上には何がある!?たしかめねば!っとおもったらあっちにアイテムが!ん?ちょっと待て見たことのないポケモンがいるぞ!?いますぐGETだァ!!なんて具合に目的渋滞注意散漫にして収拾がつかなくなる魔性のゲームだった。恐るべしポケモン!!しかもオープンワールドであるだけにどこから攻略してもイイらしい。最高に自由な冒険が用意されていた!うっひょー!ワクワクしかねぇ!!
もうわしの脳内では『ポケモンゲットだぜ!』が爆音で鳴り響いて止まらなかった。あの子のスカート中までポケモンを探しに行かせろ!!
湖のそこからユラァッて現れてパックンチョしてくるヘイラッシャイにはめっちゃビビったし、ケンタウロスの群れに囲まれてエンドレスバトルでボロボロになったり超冒険!
崖を登ろうとずり落ちる中で小刻みにジャンプを繰り返したり、川の対岸や浮島を目指し高台からのジャンプを何度も繰り返し海に落ちては元へ戻されたりした。でもこの無駄な徒労こそが楽しかった。チャレンジ!
なんか光ってて周りのポケモンとは明らかに違う強者の雰囲気を纏ったポケモンにケンカを売っては、その強さやレベルの高さにビビり散らかしたり、だけどなんとか弱らせてゲットして大喜びしたり、しかしそのポケモンを扱うにはバッチの数が足りず結局無駄な徒労に終わったりした。
だけどやっぱりこの無駄がいいのだ!ワクワクドキドキハラハラ!
子供の頃テレビの前に齧りついてはコントローラーをはなさなかったあの感覚を、まさかポケモンが思い出させてくれるとは!!
しかし残念なところもあった。
わしはマップを反時計回りに攻略していたんだけども、ライドポケモンの能力開放に明け暮れていたり、ていねいに無駄なバトルを繰り返していたりしたせいか、雪山のあたりで手持ちのポケモンのほとんどが言うことを聞かないレベルに達してしまったのだ。
野生で出現するポケモンも同じくらいのレベルだし、順当なルートで攻略できていたと思っていたがどうもそうでもないらしい。このままではジムリーダーはおろかその辺を歩いてるポケモンを倒すことすらままならない。
仕方がないので一度テーブルシティに戻り今度は時計回りに進むことにしたわけだが‥…野生のポケモンはまだいい、けれども、道行くトレーナーやジムリーダーまでもがレベルが低すぎてまるで相手にならない。バトルは手持ちのポケモンのレベルを参照するわけではないのか…。こうなってしまってはもう消化試合ではないか。わしの冒険は終わった…
マップを周ろうにも、未踏の街の最寄りのポイントへ空を飛ぶで降り立ち、ライドポケモンで目的地までひたすら爆走するだけとなってしまった。崖登りと波乗りを習得してしまえば、もはやなんの障害もない。どんなに立体的なマップであろうが一直線にゴリ押しで突破できてしまう。そして己より明らかにレベルの低いトレーナー達と戦う気ももはや起こらず当然スルーしてしまうし、一気に作業感が出てしまった…マップを4割ぐらい攻略したら残りの4割が作業っぽくなってしまう設計が少し残念だった。じっくりやれば旅感を楽しめたかもしれない。しかしわしの心はもう、高レベルのポケモンが蠢くあの雪山の先に待つ世界とポケモン達のことが気になって仕方なく、残り4割の世界にいる雑魚トレーナーや赤ちゃんみたいなポケモンなどどうでも良くなってしまっていた…。
早くバッチを揃えて次へ進みたい。あの辺りの高レベルのポケモンをゲットしたい。その気持に急かされてしまっていた。
もちろん初めて見る地形やポケモン達にはワクワクした。
しかしそこにはもうハラハラもドキドキもなかった…。
あともう一つだけ残念なところがあったんだけど、もしかしたらそれはわしのSwitchが悪いだけなのかもしれないけど…
ジムリーダーのカットインでところどころフリーズして数秒待たされたり動作が遅れてたりしてせっかくの緊迫したバトルへの没入感が削がれてしまった。
周りで観戦してるオーディエンスが盛り上げようと飛び跳ねてたりもするんたけど、スーパーファミコンの格ゲーの背景ぐらいカクカクしてたりする。お前は2枚のパラパラ漫画かなんかか?ってぐらいに。そんでもってテラスタルもまた動作がもっさりしててじれったい。もっとかっこよくスマートに変身できないもんかね。所見ならともかく、毎回プリキュアみたいにじっくり変身されてもそんなに嬉しくない。お前らはポケモンであって美少女ではない。勘違いするな。トランスフォーマーでも仮面ライダーでもない。あとせめてもっとかっこいいデザインにならなかったのかテラスタル…あくタイプなんてハリボテの看板だし、ドラゴンタイプなんて逆に弱そうに見えるぞあれ、もっと角とか羽とかイロイロあるじゃン。なんで首生やした??テーマパークでハメ外した奴が被る帽子みたいになってんじゃん!まじドラゴンタイプ可愛そう。ふざけんなワタルが見たら泣くぞあれ!?しかもラストバトルとかもう超イイ雰囲気で最高の流れだったのに満を持してテラスタルしたら頭からぬいぐるみ生やされるとかもう台無しなんですけど!!何してくれちゃってるの??お誕生日会ちゃうぞ!?いい加減にせぇよホンマに。
とまぁでも不満点はこれだけだった。(わしのドナルド(クワックス)がなんか気持ちりぃケツフリサンバ野郎になった時はテレビ割ろうかと思った)
テラスタルはもっさりして嫌いだったけど、ジムリーダーがテラスタルしたときに流れる音楽はすごいよかった。
めっちゃよかった。あのみんなで温かく盛り上がる感じイイネ!
っていうか音楽めっちゃ良かった。
エリアゼロのあの音楽とかめっちゃ神秘的でビビった。ええっ!?これポケモンですか??って疑っちゃった。なにあそこの雰囲気、超好きなんですけど。
っていうかストーリーもめっちゃよかった。
あ、ガッツリネタバレしちゃうけど、
ヌシポケモンも犬ッコロが復活してよかったねぇ!あったけぇ!って感動した。
スター団はもまぁ、よかったねぇ!あったけぇ!って感じでカシオペアが可愛かったので感動した。
そんで、あれ?今回ロケット団的な真の悪役いない?
カイオーガとかグラードン呼び起こしちゃう的な組織と戦わない系のポケモンですか?新しい!あったけぇ!
とか思ってたら
エリアゼロからもうさらに最高が加速して最高になった。
まずあのマップの雰囲気がやべぇ!
神秘的な音楽と風景が相まったこの世ならざる異界感が超ワクワク!そんでそこに生息するポケモンもやんごとなき強さで超ハラハラ!しかも大穴の下へ下へと降りていくこの探検感!超ドキドキ!これだよ!これが冒険だよ!
しかも、一緒についてきたヒソカとイヌ男とマジボスがなんかいい感じになかよしな会話しながらいちゃついて来るの微笑ましいし、不穏な雰囲気が立ち込めるエリアゼロの中ではめっちゃ心強くてありがたかった!この辺もポケモンとはなんか別ゲー感がして新鮮だった。
そしてなんか普通と違う凶暴なポケモン出てくる。
突然変なプリンがでてくる。見るからに異形。こわ。
そんで使ってくる技名が『サイコファング』
こわ!なにその超能力使うゴリラみたいな技!?
魔法使いがリンゴ握りつぶしてるようなその技なんなん!?
こわァ!脳みそと筋肉どっち使ってるのかわからんっていうかどっちも使ってそうなのが気色悪いわ。歌ってゆびふってるだけの愛玩ポケモンがなんだよサイコファングって。こわ。
もうこれだけでヤバさが伝わりまくってくる。
エリアゼロ…ヤバい。コワイ。
しかも通信先のオーリム博士もなんか不穏な雰囲気ビンビンに匂わせててやばい。
そして続々とでてくる異形なポケモンたち。
サケブシッポ、ハバタクカミ、イダイナキバ、アラブルタケ…
は?名前カッコよすぎんだろ!?テラスタルのビジュアルもこれ考えた人がやればよかったのに。
この名前も絶妙よね、どのポケモンも原型はあるけど、そのポケモンの名前と全く関連付けないことで異質さが際立ってる。ヤバい。コワイ。
とか思ってたら今度は
オーリム博士コワイ。
やばい、やっぱりそうだった…わかってた、なんとなくそれまでの研究所に散らばる手記とイヌ男の言動でわかってたけど…
いきなり「ハロー、子どもたち」って壊れたレコードみたいにバグるの怖すぎんだろ!ヤバい。チョーコワイ。しかもこの「ハロー、こどもたち」ってワードがもうディストピア感漂ってて最高にイイ。
メイドインアビスで古代のポケモン探ってたら急にイカれたAIのSFホラーでディストピアになるの最高にイイ。
てか本当に子供向けのゲームなんですかこれ?演出もテーマもちょっと大人すぎない?それともデジタル世代の最近のこどもたちにとってはもうアルアルの定番ストーリーとして定着しちゃってる感じ?ヤダ、それはそれでコワイ。
そんで最奥部の研究室いくとなんかもう、いろいろと放置されて荒れた体育館倉庫みたいな部屋のなんでもない椅子からオーリムAIが再起動されて立ち上がるのほんまエモイ。
ピカピカの研究室とか、ゴツい玉座に座って待ち構えてるとかじゃなくて、本当に今までボロボロの研究所の中に打ち捨てられてた身体でずっと待ち続け、孤独に動き続けてただけのシステムであり、この世に残留した最後の意志って感じがしてもういろいろとクるよね。そんでそこから「私を止めてほしい」って…エモぉ!!
人類のために自ら生命を断つ自我を持ったAI超ツボなんですけどやめて!ハロー子どもたち!!あとオーリム博士本体は『肉体の損傷が激しく』助からなかったって明言するのなんかエグい。ポケモンでそんなワードでてくんの?人間の死だとか肉体の損傷だとかそんなことを生々しく想像させていいですか!?いいんすね!わかった!
そんではじまるラストバトル!背景めっちゃかっけえ!!
そんで倒したのかと思いきや、オーリムAIがプログラムに飲み込まれて一旦バトル終了してからまた連続バトル!!
このときの演出クソかっけぇ!!
まるでプレイヤーのSwitchまでもがハッキングされたかのように書き換えられるテキストボックス!オーリムAIから『楽園防衛プログラム』へと!! なにこのメタ的演出こわぁ!かっこよぉ!やばぁ!
っていうか…
楽園防衛プログラムゥ!!!?
ラスボスが人間じゃなくて暴走したプログラムって…!
大人!最高にSFしててちょーすき!
やめて!もうこれ以上イヌ男の母ちゃんのイレモノを弄ばないで!!もういろいろと哀しくてつらたん!
しかもバトルに入る前のムービーがまたくそかっこいい。
頭上に渦巻くタイムマシンの中からふわりと落ちてくるマスターボールを、パシッと受け取って不敵な笑みを浮かべるオーリムAIだったモノ。超神々しくて禍々しい。
その手の中にはわしを倒すべく今しがた過去から捕まえてきた何かとんでもねぇポケモンが入っているに違いない。やべぇ!こえぇ!ドキドキする!
そして繰り出されるポケモン達はすべて古代のポケモン!かつストーリーでは初見!!いままでシリーズを通して遊んできた人も含めて全員が初見のポケモンが繰り出されてくる!しかも名前は例の古代の名前で!一発目は『チヲハウハネ』でなんか飛べないウルガモスでてきて見るからにパワータイプの異形でこわいし、2体目で『スナノケガワ』を繰り出そうとしている!とか言われてもなんのこっちゃわからんし、え?え?とか焦りながらこっちもポケモンを選ぶしかないこの緊迫感!!最高だった!バトル後も新たな旅立ち的な前向き解放超感動エンドでとても良かった!イヌ男もオーリム博士もオーリムAIもみんな尊い。切ない!おめでとう!ありがとう!あったけぇ!
そしてラストのコライドン同士の戦いも激アツだった。
順当な手順を踏んでも、え?これ無理じゃない?どう考えても負けるよね!?ってヒヤヒヤハラハラさせといて、そこにこれまでの旅の普通の戦闘でちょいちょい見せてきた『主人公を悲しませないためにこらえた』とかいってきあいのタスキするシステムとかここで持ってくるのかァ!とかここでテラバーストするためのテラスタルかァ!!とか今までの旅や今作のコンセプトを上手にねじ込んできてもうチョー感動!チョー熱い!まいった!
もうチョー怖かったしチョーハラハラしたしチョー熱くなったしチョー感動した!!ネオアームストロングサイクロンジェットアームストロング砲並に完成度高ェ!!ッベェ!!
もう大満足!シナリオも演出もめっちゃ刺さった!!ありがとうニンテンドー!!
まさかポケモンでこんなに胸が一杯になるとは思わなかった!おじさん嬉しい!!
映画でも小説でも体験することのできない、ゲームをプレイすることでのみ得られる特別な感動を数年ぶりに得られた!あぁゲームって素晴らしいよ。
さーて、ジムリーダー2周目のシバキ巡りにゆくぞ!!