(写真より下部の追記も是非読んでください。)
遊歩道や公園の入リロに、バイク止めが設置されていることがある。
バイクが乗リ上げて我が物顔に走り回るのは私も反対である。歩行者は間をすり抜けて簡単に通ることができる。
だが、車椅子にとっては時にこれが大敵。車椅子はU字型の細い道をぐるりと回って通るという設計だ。しかし、そのU字部分が狭かったり、その部分にも棒状の妨害物が立っていたりする。切り返しに高度なテクニックが必要だったり、人の援助がいる場合があり、 それでも何度もつっかえることもある。
関西にもいくつか車椅子の進入が困難な公園がある。古都の新しい水族館の案内所で「ここに来るための公園に車椅子が入りにくかった」と告げると「公園は管轄が違う」と言われた。水族館自体はバリアフリーなのに、そこ到る公園が通りにくいのでは意味がない。
私の「椅子型」車椅子とは異なる、もっと大きな電動車椅子もある。身体状況によってはそういうものが必要になることもある。いずれにせよ、最高時速六キロ未満の電動車椅子は、道洛交通法上、軽車両でなく、歩行者である。バイクや自転車を止めるための設備で彼等が通れなくなってしまうのはおかしい。
バイク止めの設計者にお願いしたいのは、(他のすべての市街地や建物の設計者にも同様だが)主な仕様の車椅子が通行可能であることの確認である。また、元はといえぱ、禁止区域にバイク等が進入しなければよいわけ で、ライダーのマナーがすべての基本であろう。
追記
写真は自家用車が歩道を疾走し、ぶつかってゆがんだバイク止め。この事故でゆがんだ鉄柱の隙間は、僕の小さい椅子型電動車椅子でもすり抜けることができなくなった。市役所に電話すると、国道の側道なので国土交通省の管轄だと言われた。
「そこは車椅子ユーザーの私の毎日の生活通路である、市民が生活に困難を来しているとき、管轄はここだというのが市役所の仕事ではない。それならば国土交通省に電話してくれるのが市役所の仕事でしょう」と僕は伝えた。
窓口の人は「では、こちらから伝えます」と回答した。「では」ではないだろうと思ったが、伝えてくれるならそれでよしと思った。
少し法に詳しいのか、ある友人が、市民が間違った窓口に電話してきても、正しい窓口に伝えるのは公共機関の義務だと言っていた。
(その前にまず事故を記録した警察は、公共物の破壊箇所を担当部署に伝え、その賠償額についても事故記録に載せないと事故の調書が不完全になると僕は思うのだが、どうなのだろうか? 国土交通省に被害の実態が警察から報告されれば、市民から具体的な生活困難の苦情がわざわざなくても、さっそく修理にかかるのが公共の仕事というものではないのだろうか? ちなみにこれが私有物の物損であれば、すぐに自家用車の保険で修理が行われたにちがいない。公共というのは、なんと誰もが無責任で、節穴だらけなのだろうか。)
しかし、数ヶ月たっても解決しないで僕は毎日大変な遠回りを強いられた。
あまりに不便なので、僕はとうとう自分で国土交通省に電話して、事情を伝えた。
そのときの窓口の女性には名前を聞き、控えた。「生活通路であり、車椅子が通れない状態だ」と念押しした。
すると・・・ほんの数日でまず鉄柱が撤去され、僕が車椅子で通られるようになった。次にさらに数日で新しいバイク止めが設置された。ゆがんでいないので、僕の運転テクニックであれば、切り返しなしでU字型を通り抜けられるようになった。
少し連想は飛ぶが公共物の復旧までのこの過程で思ったことのひとつは、地震や台風、原発事故などの被害の復旧は、住民から見ると、もっともっと遅々として進まず、生活困難や健康被害が続き、腹立たしいことこの上ないのではないか?ということだった。