「フェッセンデンの宇宙」は中学生のときに読んで最も大きな影響を受けたSFです。
フェッセンデンは、実験室に宇宙をつくってしまう。そして、いろいろな惑星を極微なレベルで観察していると人類は愚かな戦争を繰り返し、放射能汚染され、滅亡していくのだから、人間がこれを書くということは、果てしない可能性を感じるとともに、果てしない虚無を覚えました。(40年近い前の記憶に基づいて書いている。)(わかっていたのに、この星もそうなってきて最悪~)
パスカルは人間は考える葦であると言ったけど、人間はこういう作品も書けるし、芭蕉のように「閑かさや岩にしみいる蝉の声」というだけで、宇宙全体を感じさせることができるので、文学の道を歩もうと思った大きな理由のひとつとなった作品です。