はじめまして、積分定数です。ブログ記事を今までで一度も書いたことはないのですが、ALISβ版リリースを機にマイペースに書いていこうと思います。
以前、ALIS CEOの安昌浩さんが量子コンピュータについての質問を受けていたので、量子コンピュータとは何なのか、ブロックチェーンとどう関係があるのか、を書いていきたいと思います。
まず、量子コンピュータとは理論上の未来のコンピュータです(量子力学的な重ね合わせを情報処理に応用したコンピュータということで、この名前がついています)。世界中のあらゆる企業が研究・実験を繰り返していますが未だ実用化には至っていません。一応、カナダ製の「D-Wave」という量子コンピュータが販売されていますが、研究目的で作られたものであり価格は20億円程度と、とても実用化されたとは言えません。
それは計算能力が今までのコンピュータ(古典コンピュータ)の比じゃないということです。これはつまり、ブロックチェーンの公開鍵暗号が突破される可能性を示唆しています。ちなみに古典コンピュータでもブロックチェーンの暗号を突破することは理論上可能です。ただしそれは、あくまでも"理論上"可能なのであって、実際に突破しようと思ったら数億年かかるとも言われています。
これは完全に僕の主観ですが「そんなことをする奴はいない!」です。なぜか。それはブロックチェーンの暗号を突破してもそんなにメリットがないからです。例えばビットコインが量子コンピュータによってハッキングされ、多額のBTCが盗まれた場合、
ブロックチェーン技術の信頼が崩れる
↓
BTCが大量に売られる
↓
BTCの価格が暴落する
↓
ハッカーの盗んだBTCも価値が下がる
ということになり、盗んだビットコインの総額よりもハッキングするのにかかったコストの方が大きくなるわけです(量子コンピュータを買うのに20億円くらいかかるので、、)。また、量子コンピュータが実用化に至れば量子コンピュータに対抗できる暗号も容易に作成できます。それどころか古典コンピュータでさえも量子コンピュータの攻撃にある程度耐えられる暗号を作ることは可能なのです。
例えば利益目的でブロックチェーンの暗号を突破しようとする人は前述の理由からおそらくいないでしょう。しかし、利益ではなく哲学によって暗号を突破する人間が現れたらマズいですね。哲学とはつまり、何らかの理由でブロックチェーン技術の崩壊を望んでいる、ということです。しかしこの点に関してはやはり前述の通り、量子コンピュータに対抗できる暗号を作れば済む話なので僕はそんなに心配していません。また現在すでにQuantum Resistant Ledger(QRL)という、量子コンピューターを利用した攻撃にも耐えられるように設計された仮想通貨が存在しています。このQRLという通貨は海外の取引所、Bittrexで取り扱われています。
このQRLという通貨についてはまた気が向いたら書くかもしれません。それでは今回はこの辺で〜