
シティーズスカイラインに最適解はあるのだろうか。幾度となく多くの街が作られてきたものの、その欠陥構造は一種の共通点があるように思えたりする。

上記のグラフは現在構築している都市の人口動態を示したものであるが、2028年、2049年、2060年、2068年付近で一度極端に人口が減っていることがわかる。特に、2049年の人口減は総人口の大半が消失している。基本的にこの現象はデスループとして認知されているが、その具体的な実態と解決策はあるのだろうか。今回の記事はデスループを回避する方法とその対策について考える。デスループは人口が一気に減することから崩壊という表現を用いるのも妥当である。
原因はいくつか考えられるが、おおむね3つに分かれる。一つが渋滞、もう一つが世代交代、最後の一つがゴミ堆積などだ。おおむね、といったのはほかにも多くの理由があることからであるが、基本的には上記の3つである。渋滞は何となく、その原因がわかり対策もすることができる。しかし、詳細にその渋滞解決策を突き詰めようとするとなかなか厄介な話題になる。
ゴミ堆積は渋滞の一因にもなるほか、住宅の廃墟化のトリガーにもなるので警戒すべきポイントといえる。最後の一つが世代交代と言う訳だが、この問題は少し奇妙な挙動をする。それは、高齢者の多死が原因だと考えていたものの、2068年ごろに起きたデスループでは、乳幼児までもが多死状態になっていたからだ。

上記は、出生率(黄色)と死亡率(赤)を示したものであるが、総人口推移のグラフと照らし合わせるとわかるように、出生率から死亡率を引いたものが大きい時ほど総人口増加が著しくなっていることがわかる。2033年から2048年、2049年から2055年ごろ、2059年から2063年、そして2068年付近と2069年以降は、どれも出生率から死亡率を引いた時の人数が大きいことがわかる。そのタイミングでは総人口は急激に増加していることがわかる。
一方で、死亡率が出生率を上回っているときは、人口は減少している。このことから、人口の急激な現象が、「市外への流出」ではなく「市内での死亡」によって引き起こされていることがわかる。シティスカのシステム上の問題だということもあるが、その言説を頭ごなしに否定することはできない。とはいえ、年少者と年長者のそれぞれの人口推移グラフがあるわけでもないので、はっきりと断定することもできない。
さきほど周期に人口動態には癖があると述べたが、実際のところどこまで周期性があるのかはよくわからないし、デスループに入る前の前兆を余すところなくつかむことはできないと言ってもいい。現に、2060年付近のデスループと2068年付近のデスループでは、どちらも急激に死亡率が上昇していることがわかる。しかし、2049年のデスループでは、そのような兆候は見られない。
これは一縷に株式市場や人体の健康にたとえることができる。株価の動向は大勢の株主の視線や消費者の動向、また世界経済の景気などきわめて多くの因子に左右される。人間もいつも通りの生活をしていれば、明日もまた同じように目が覚めると考えることはあるが、実際がんなどの大病にかかる前兆を見極めることは、その因子の数、例えば睡眠の問題や食生活、運動不足など数え上げることは不可能なほどに多い。
シティスカのパラメーターの種類が自然界ほど多いとは思えないにしろ、いくらか不確定的にする因子は思いつく。シティスカの時間進行速度は町が発展すればするほど処理が重くなるためスローになる。その一方で人口の増減はシステマチックに行われ、渋滞問題に起因する車の進行速度は一定のままである。つまり、処理が重くなり都市に多くの車両があふれかえれば、その分実際の人口膨張スピードと車両の走行速度に差が出てくる。それは一つにラグを生み予測不可能な人口動態を誘起することを示唆する。










