どうもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
皆さんは漫画『キングダム』はお好きですか? 念のため説明すると、中国の春秋戦国時代を舞台に、後の大将軍・信(しん)と、後の始皇帝・政(せい)の活躍を中心に描いた戦国漫画です。
『キングダム』は読んだことないという人でも、『三国志』や『項羽と劉邦』など、中国史をモチーフにした漫画を読まれた方は多いかと思います。「中国4000年の歴史」といわれるだけあって、長い歴史の中で良くも悪くも個性的・印象的な人が数多く排出されてきた証拠でしょう。
もちろん漫画だけでなく、中国の歴史を学ぶ書があります。その1つが、中国の子供向けの歴史読本『十八史略』です。中国の文人である曾先之(そうせんし)が、中国に伝わる歴史を省略して綴った書です。
現代中国ではその価値は薄れているそうですが、評論家の伊藤肇氏は、この歴史書は「人間学の宝庫」だといいます。
前振りが長くなりましたが、今回は、この『十八史略』にも記されている、帝王学(王家や伝統ある家系・家柄などの特別な地位の跡継ぎに対する、幼少時から家督を継承するまでの特別教育)についてご紹介します。
帝王学には、次の3つの柱がある。
第1の柱は「原理原則を教えてもらう師を持つこと」
第2の柱は「直言してくれる側近を持つこと」
第3の柱は「よき幕賓を持つこと」
―― 『「十八史略」に学ぶ人生の法則』
最初の柱の「原理原則」とは、いつ、いかなる時代、場所においても例外なく通用するものです。それだけに、原理原則の実践は極めて難しい。これを教えてくれる先生を持つことが、帝王学の第1の柱です。
第2の柱、「直言してくれる側近」が必要なのは、上に立てば立つほど、周りに調子のいいことばかり言う人が集まってきて、耳に逆らう情報が入りにくくなるからです。それが、やがて自らの地位や会社を危機に陥れてしまうことが少なくありません。トップだからこそ、耳の痛いことを伝えてくれる側近を持つことが求められます。
第3の柱である「幕賓」(ばくひん)とは、パーソナル・アドバイザーのことです。帝王のために役立ちたいという思いはあるが、帝王に仕えて裃(かみしも)を着る窮屈さはかなわないという、一種の浪人的風俗と気骨とを持った人物です。この幕賓は、帝王に魅力がなかったら、絶対に現れない。逆に言えば、幕賓を何人持っているかによって、帝王の器量が決まってきます。
以上、3つの柱を思い浮かべながら、先述した漫画(キングダムや三国志など)の登場人物を思い浮かべると、3つの柱のいずれかが欠けている人物は悲惨な末路をたどっているように思えます。一方、全てを備えた人物、あるいは各柱に該当する人物は、非常に魅力的なキャラクターとして描かれています。
もし、あなたがトップに立つ方ならば、3つの柱を揃えることを意識してみると、漫画の主人公のごとく活躍できるかもしれません。また、それ以外の立場の方でも、自分がどの柱に該当するか意識し行動することで、これまでとはまた違った成果を生み出せるかもしれません。自分の立場を漫画のキャラに投影してみると、心理的にも楽しんで仕事ができると思いますよー。
ではまたー。