どうもこんばんは。
新米心理カウンセラー・あぶです。
今回は、心理学の「後知恵バイアス」についてご紹介します。
後知恵バイアス:
物事が起こった後、それが予測可能だったと考える傾向のこと。
例えば、テストを受けた後に、「この問題が出てくると思った」と感じたり、期待していなかったチームが連勝を重ねた時、「やっぱり勝った」といったりすることです。後から「〜だと思った!」「予想通り!」ということを指すものだと考えると、理解しやすいかと思います。
社会学者のダンカン・ワッツによれば、めったにない成功が起こった時、後知恵バイアスが強く働くと主張します。そして、成功が必然であるかのように説明するのは、ほとんどのケースで簡単にできるといいます。
(参考:『成功する人は偶然を味方にする 運と成功の経済学』)
ワッツは、世界一有名な絵画「モナ・リザ」を例にこれを説明しています。
モナ・リザを知らない人はいないと思います。
イタリアの美術家レオナルド・ダ・ヴィンチが描き、現在はパリのルーブル美術館に展示されている、世界で最も有名な絵画の1つです。
ではなぜ、モナ・リザはこれほど有名なのでしょうか?
ダ・ヴィンチの作品だから? モデルが美人だから?
実はモナ・リザは、かつてほとんど世に知られていませんでした。あくまで、「ルネサンス期の美術作品のうちの1つ」という認識だったそうです。
モナ・リザが有名になったのは、1911年の盗難事件からです。
この事件は広く報道され、2年後、イタリアのフィレンツェの美術館に絵を売ろうとした犯人(イタリア人)が逮捕されて解決をみました。
ところが、イタリア人は、絵画を本国に返そうとした愛国者として犯人を称賛しました。フランス国民は強い衝撃を受け、そして世界中の新聞がこの事件を取り上げ、モナ・リザは世界的名声を得た最初の美術品となりました。その時以来、西洋文化自体をも代表するようになったのです。
つまり、モナ・リザが有名になったのは“偶然”だったのです。
人間の記憶は曖昧で、物事が起こる前にどのように考えていたかを忘れてしまいます。結果的に、物事が起きた時(モナ・リザが盗まれた)よりも、明確な事実になった結果(モナ・リザが有名な作品になった)を重視しているのです。
モナ・リザの事件については、以下のYouTubeや記事にも書かれていますので、興味を持たれた方はぜひ見てみてください。
ではまたー。